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なぜ学生は豊かな発想を生み出せるのか

SPECIAL

オルタナティブ経営コンサルタント

合同会社オフィス西田

チーフコンサルタント 

カーボンニュートラル、SDGs、サステナビリティ、サーキュラーエコノミー、社会的インパクト評価などへの対応を通じた現状打破と成長のための対案の構築と実践(オルタナティブ経営)を指導する。主な実績は、増客、技術開発、人財獲得、海外展開に関する戦略の構築と実現など。

学校が夏休みの時期は、ちょうど学生のインターンシップが盛んにおこなわれる時期でもあります。今年もこのところ、クライアント各社に向けて実施しているインターンシップが相次いで佳境を迎え、歯ごたえのある提案が次から次へと出てきています。

もともとそういう建付けだったから、という解釈で見過ごされてしまうかもしれませんが、インターンシップに参加した学生は、短い現場体験から実に様々なアイディアを出してくれます。同じことを若手社員にやらせても、ここまでたくさんのアイディアが出て来るかどうか。やらせてみないとわからない、かもしれませんが日常的にアイディアを出しまくっている若手社員、というモデルはあまり一般的ではありません。

ではなぜ学生たちは豊かな発想を生み出せるのでしょうか?もっと言うと、なぜ社員だと学生のような新鮮な発想をどんどん生み出したりできないのでしょうか?それはもしかして、歳を取って発想が鈍くなったから、ですか?いえいえ、そこにはもっと違う心理的な効果が働いていそうです。今日はその話をお伝えします。

組織・人事分野の著名なコンサルタントである山口周さんは、その著書でアメリカの心理学者であるエドワード・デシが行った実験について紹介しています。それによると、「報酬を与えることによって、創造的に問題を解決する能力は、向上するどころかむしろ低下する。」ことが解ったのだそうです。

よく知られている定説として、心理的安全性の担保が報酬の高さや罰則による懲罰よりも心を動かす効果が高いという分析がありますが、この定説がホンモノだとすると、学生が見せる思わぬパフォーマンスの高さと、若手社員の場合のそれが異なる心理的安全性に依拠するものだという仮説が浮かび上がります。つまり、学生は実験などを通じてあれこれ考えたことをどんどん発言することにより、若手社員は職場の人間関係に「埋没」することにより、それぞれ心理的安全性を得ていると解釈できるのではないか、ということです。

だとすると若手社員に対しても、どんどん発言することで心理的安全性を感じてもらえるような環境を用意することによって、知的生産性の向上が期待できるのではないでしょうか。

そんな職場のあり方を見直すために、学生インターンシップはちょうど良い刺激を与えてくれます。単に人材獲得のためだけでなく、職場環境の見直しにつながるヒントを掴むためにも、インターンシップの受け入れは効果的ですよ。

 

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