「チェーン経営でぜい肉をそぎ落とす方法」
「店舗でのムダな作業ってどういうのがあるんですか?」
----少し前に ご相談にお見えになった、スーパーマーケットチェーンの経営者の声です。
チェーン店経営に於いて 創業から頑張ってやってきたけれども、売れていた時代から人口減の時代に変わり、店舗業務改革は避けて通ることはできません。
しかし、実際に何をどうすれば いいのか見えずらく、悩まれておられる方が多いのも事実です。
業務改革は遅れると、現場から「対応が遅い」「口先ばかり」「何もしない」と本部は言われ、店舗の士気は一気に下がっていきます。
実際に お店に入ってある視点で一緒に見ていくことで 発見できるムダはたくさんあります。
その1つに、業務一つ一つの目的がはっきり決まっているかどうかということです。
お店に行かなくても、店舗業務を書き出してあるものがあれば、その目的を確認してみることができます。
そこから、以前は必要だったけれども、今は必要ない作業やコストあることに気づきます。
例えば、冷蔵ケースの設備保守費です。万が一故障した時に即座に復帰させるための定期契約です。
かつては、大量に商品陳列するのに 人手が必要であったため、冷ケース霜取りや清掃は保守委託していました。
今は、販売点数が下がってきているわけですからその余剰人時を 設備保守と計画販売に活用することにより、改善幅はより大きくなります。
大事なことは、ムダなことを止めるだけでなく、そこで生まれた人時を 目的ある業務に転換していくということです。
一方では、止めることのできない業務もあります。
品だしなどのルーティン業務は、その1つで、最も早くできる方法見つけていかなければなりません。
例えば、冬に入る前にスタッドレスタイヤに交換する時、「タイヤ交換の最速時間ってどれくらい?」と考えて見てみれば分かります。
まず、自分でやるか?ガソリンスタンドへもっていくか? 自分でやるなら、ジャッキが使える安全な場所は?・・・
いろいろお考えになると思います。
ここで重要なのは、「今までの枠に捉われない」で考えるということです。
ネットで調べると、タイヤ交換の最速時間は「2秒」ということです。
え?と思われると思いますが、事実です。
これは、直近のF1レースタイヤ交換のタイムです。
かつては、給油の15秒ぐらいの間にタイヤ交換をすればよかったのですが ルール改訂で給油禁止となったことから、2秒という驚異的な数字となったのです。
F1チームの一番のネックであった給油が無くなったわけですから、燃費のよいエンジンやタイヤ、軽量なボディー改良が進んだのは言うまでもありません。
これによって、レース展開がわかり易く、エキサイティングになるなど 観客視点からも様々なメリットが叫ばれるようになりました。
お店の品出しなどは タイムを競うものではありませんが、現実に何秒かかっているのかということは 知っておく必要があります。
毎日1000ケース納品される店であれば、実際に1ケースを60秒で品出しするのを30秒に短縮することによって、1店年間300万円ものコストが変わってきます。
100店のチェーンであれば3億円にもなります。
チェーン店でいえば、効率のよい作業計画やツールを改良し、手際よくやるための 練習も定期的に行わなければ遅くなります。
チェーン経営もF1の世界と同じで、この数秒をどう短縮するかが明日の利益に直結するのです。
そのためには、日々の業務目的を明確にし、余計な作業をやらない 筋肉質な本部機能をつくりあげることです。
さて、御社でも 従業員が「今こそやるべき」と賛同する 業務改革を始めてみてはいかがでしょうか?
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