ストック型営業とフロー型営業の違い
第1話:「ストック型営業」と「フロー型営業」の違い
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「南澤さん、ストック型営業の仕組みがあれば新規の顧客開拓は必要ないですかね?新規の顧客獲得にはコストも余計にかかるので、既存顧客に対しての営業に徹するのがやはりよいのでしょうか?」
ーーー私がストック型営業について言及し始めてから、良くいただいている質問です。
当たり前のことですが、既存顧客に対しての営業の方がコストは安くなります。新たな顧客を獲得するために広告費用などは、既存顧客のそれをはるかに上回ります。しかも、広告宣伝の効果には変動があり。広告宣伝自体の意味を問う声も多く聞かれます。このような議論は、どの会社でも共通する課題かと思います。
しかしながら、何もしなければ当然新規の顧客が増えないという状況は明らかです。例外的なケースを除いて、基本的には様々なアクションを起こすことで顧客が増えていきます。
もしも、既存顧客の減少が考えられない状況であれば、既存顧客に対しての営業に特化することは有益かもしれません。しかし、現実的には既存顧客の減少は避けられません。どんな業界や状況によりタイミングは異なるかもしれませんが、事実として業績の先細りは避けがたいものです。
したがって、既存顧客に対しての営業は重要ですが、新規の顧客獲得を続けることも不可欠です。新規の顧客獲得なしには、会社の発展は望めません。
既存顧客に対してのアプローチ=「ストック型営業」と誤解を受けますが、私の考える「ストック型営業」は決してそのようなものではありません。この点についても詳しく説明しつつ、本稿では「ストック型」と「フロー型」の違いについて解説します。
一般的な意味として、「ストック型」とは、サブスクリプション方式や会員制度などによる継続的な収益を指します。他にも、例えばプリンターのトナーを継続的に販売するなどが挙げられます。対照的に「フロー型」とは、売り切り型の一度の売買で収益が発生し、その後の継続的な関与は限られるビジネスモデルを指します。例えば、電気屋さんで洗濯機や冷蔵庫を買ってくる場面がこれに該当します。
「ストック型」は、収益が安定して上昇するという点が特徴です。急激な売上増加は期待できませんが、反面、急激な落ち込みもありません。一方、「フロー型」は、需要の変動に影響を受けやすく、売上に波があるという欠点があります。
営業の観点から言えば、「ストック型営業」一般的に既存顧客に対する営業を指し、長期的な安定収益をもたらす価値があります。一方で、「フロー型営業」は直近の成果に焦点を当て、新規顧客獲得を目指す営業スタイルです。
「フロー型営業」においては、見込み客に対しての積極的なアプローチが基本的には必要になります。アプローチの方法という意味では「狩猟型」とも言います。基本的には、積極的なアプローチが成果に結びつく考えに基づいています。
一方、「ストック型営業」においては、既存顧客に対しての営業、すなわちきめ細かなアフターサービスが中心となります。アプローチの方法という意味では「農耕型」とも言います。その中から見込み客を育て受注に結びつけるのですが、必ずしも積極的なアプローチが成果に結びつくとは限りません。異なるアプローチが必要となります。
結論を申し上げるなら、持続的な売上向上を実現するためには、両方のアプローチが必要になります。しかしながら、この二つの使い分けをしっかり理解して営業活動をしているスタッフは極めて少ないというのが私のこれまでの経験での実感です。ありがちなのは、既存顧客に対して誤ったタイミングで積極的なアプローチを仕掛け、残念ながら嫌われて終了、、、といったことです。そんな経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか?
実行部隊もそうですが、当然に指示をする側もこのことについて理解していなければなりません。二つの異なるアプローチを戦略的に行う必要があります。それぞれの特徴を真に理解した上での異なる戦略が必要です。
話は戻りますが、重要な点は、新規の顧客獲得がない「ストック型営業」は先細りしかありません。繰り返しになりますが、どんな企業であれ、必ずどこかのタイミングで顧客が減少する可能性があるからです。
そこで、ストック化はもちろん大切ですが、フロー型営業によって新規の顧客獲得が欠かせません。そういう意味では、ストック型営業を続けていくための前提条件として、新規の顧客獲得を目指さなければならないということになります。新規の顧客獲得をしながら、最大限に顧客を守り収益を上げていく必要があります。
ただし、当社が考える「ストック型営業」とは、単にそれではありません。新規顧客を増やしながら、先行受注を積み重ねるところに特徴があります。それによって、経営が劇的に変化を遂げるのですが、それについては、またの機会にお話いたします。
新規の顧客獲得を前提とした「ストック型営業」で自社の成長を実現してみませんか?
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