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「受注からの思考」が証明したマーケティングの本質とは

SPECIAL

マーケティング組織づくりコンサルタント

株式会社Marketer's Brain

代表取締役 

 営業および、マーケティング領域において「商い」を、デジタル化し、クライアント企業の業績を急進させるコンサルタント。社内のデジタル化を一気に加速させ、「強いマーケティング組織をつくりだすカリスマ」と称される。クライアントは年商十億円規模から、個人コンサルタントとしては異例の一部上場企業の指導実績も多く、一兆円を超える企業まで幅広く指導。手がけた案件をことごとく成功させ、期待を遥かに超えた成果を生み出すことで絶大な評価を博す。

先月、弊社サイトの「お客様実例」に「BtoBとBtoC。ひとつのメソッドを両面展開し、新規事業までに広げる応用力を発揮」という、綾羽株式会社様の成功実例が公開されました。

その中で「障がい者が栽培した胡蝶蘭を販売する自立支援事業を立ち上げ、ビジネスとして成立させるために、どういうマーケティングをしたら良いのか?」

と言う経営課題を解決したお話しが掲載されています。

最終的に弊社とお客様は、誰が聞いても「なるほど! 上手い事を考えたものだ!」と言われるようなゴールを見出し、無事にこの事業成立を成しえることが出来た訳ですが、その着想の在り方や、解決のための道すじは、おおよそ一般的に言われる「マーケティングの常套手法」からは、かけ離れたものとなっていました。

本日は「なぜ、その着想に至れたのか?」という、弊社の「受注プロセス戦略®」のベースとなる「考え方の起点」について、お話しできればと思います。

▼どんなにユーザーに「ヒアリング」をしても「答え」が出てこない理由

 

本件の根本的な解決を行うために事前に理解しておかねばならないことは、この手のマーケティング課題というものは「ユーザーにどんなヒアリングを行っても回答にたどり着くことはできない」と言う事実です。

マーケティングを成功させるために、多くの企業がこの手の課題に直面した時、

 

1.市場調査を行ったり、
2.ユーザーにインタビューを行ったり

 

と言う行動をとりがちですが、本件のようなケースでそれを行ったとしても、その回答で、真にマーケティングが機能するビジネスモデルのヒントを得ることは相当に難しいことでしょう。

なぜなら、本件で言えば「胡蝶蘭」にせよ、「障がい者」にせよ、ユーザーには、一定のイメージが存在していますし、そもそも設問設計ひとつを考えても、「どういう風に話を聞くべきか?」すら、定めるのが相当に難しいからです。

まさか、馬鹿正直に、

「障がい者が栽培した胡蝶蘭があったら、どうしたら買ってくれますか?」

などと聞くわけもなく、あるいはこの質問をしたとして、

「それは、社会的に意義があるから、知ったら買いますよ!」

なんて「模範解答」を大量に集めたとして。
実際に売り出したら、おそらくビジネスとしては十中八九破綻します。

それは、生徒が「授業中に寝るのは悪いことだ」と答える一方で、実際には授業中にうっかり眠ってしまう行為や、男性が「夜のお店に行くのは健全な事ではない」と回答しながら、実は風俗通いをしていたという状況に似ています。

要は人間、言動と行動は必ずしも一致しないという事でして、

「我々が欲しいのは正論ではなく、事実」ということです。

だから、いくら正論を集めても、これではビジネスにはならないのです。

 

▼ビジネスとして成立させるために必要な考え方とは

 

では、この状況は、どのようになら「打開」できるのでしょうか。

その答えは弊社の戦略名に書いてありますが「受注」から考えることです。

それがどんな製品であれ、どんな売り方をしているのであれ、我々は商売をしているとき、必ず最後は「売れた瞬間」に直面することになります。

BtoBビジネスであれば「受注する瞬間」です。

と、すれば考えるべきは、

「なぜ、買ってくれたのか」
「どういう理屈になら、自社を優位に選んでもらえるのか」

と言う「売れ方」を本質的なレベルで理解することであり、これは実際、顧客の声を「聞いていないようで、聞いている」という状況を創ることができます。

顧客体験を創造し、その際の自社の優位性を言語化。それが再現、あるいは、構築できるプロセスを考え、導き出す。

つまり、最初に得るべきは「知識」ではなく「気づき」なのです。

これこそが「受注を起点にするマーケティング」の本質です。

 

▼受注から考えるから、戦略の幅が広がる

 

実は今回、もともとのご相談は、アヤハ様が持たれている「ホームセンター」で「個人の顧客向けに胡蝶蘭を販売すること」を想定されておりました。

つまり、売り方は「BtoC」が原点に御座いました。

ただ、胡蝶蘭と言う花の特質上、花屋で実物を見たお客様が「よし、これを家に飾ろう!」と買って帰るシーンは(用途的にも意識的にも)非常に想像しにくく、だからこそ「売れたときの在り方」にフォーカスする必要がありました。

受注を起点とした思考法の良いところは、「売れた瞬間」から逆引きした結果、それが(お客様さえ許すのであれば)BtoBビジネスになっても構わないという事です。

そもそも、考えてみてほしいのですが、「人間にモノを売る」という行為は、原始時代から存在しており、その本質は(当たり前ですが)大きく変わっていません。また、株式会社の概念がはじめて出来たのは、東インド会社が設立された1602年。合資会社でもイギリスで1553年が起源。つまり、いずれもわずか500年足らずの歴史なのです。

端的にいえば、我々が原始の時代から行っているのは「価値の交換」であり、それが現在は「貨幣経済」というものの上に存在しているに過ぎないのです。

つまり、マーケティングそのものには本来「BtoBも、BtoCも」ありません。

本件のケースを例に、あらためて考えてみましょう。

もし、私がプロフェッショナルとして「どちらか」の専門家を自称してしまっていた場合(つまり思考や事業をどちらかの領域だけで閉じていてしまった場合)、

 

(1)もし、私が、BtoCマーケティングしか理解出来ていないとすれば、BtoBに展開するなどと言うアイデアは到底出せなかったことでしょう。

(2)もし、私がBtoBマーケティングの領域だけをビジネスとして受けていたのでは、そもそも今回のようなお話(きっかけ)が来なかったことでしょう。

 

我々のような支援事業者でも、ある特定のスタンスに固執することはリスクを伴うのです。

(だからこそ弊社では「BtoBもBtoCでも関係なく成果が出せるし、それが支援事業者の基本である」と言うスタンスを取っています。なぜなら、顧客はそもそも「理想が、どうあるべきか」すら分からないから相談をされる訳で、それを事前に、支援事業者側から限定することは、単純に可能性を半分にする事にほかならない……と考えるからです)。

たとえば、シンプルに考えても、

 

1.卸売業をしていたが自社ECで顧客と直接つながりたい
2.自社ECで小売りをしていたが、百貨店などでも取り扱ってほしい

 

こういう要望、このご時世なら「あるある」だと思いませんか?

ビジネスの推進にあたっては、他人の作り出した「専門的な領域」にこだわらず、また、安直に飛びつかず、柔軟な思考を持つことが重要だという事を、ご理解いただけますと幸いです。

最後は、いつものようにお伺いしましょう。

 

貴社には「成果につながる、本物のマーケティング」はございますか?

 

 

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