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ゼロゼロ融資への対応で経営者の真価が問われていると自覚すべし!

SPECIAL

銀行活用で新規開拓コンサルタント

株式会社結コンサルティング

代表取締役 

銀行活用で新規開拓の仕組みづくりを行うスペシャリスト。31年間の銀行員経験で、法人4,000社以上を担当、審査部担当者としての企業審査は1,000社超の実績を誇る金融のプロフェショナル。
売上が倍増した雑貨メーカー、バックメーカー、新事業を立ち上げた化粧品メーカー、更には海外進出に成功した事例など、累計で100社以上の会社を成功に導いた実績を持つ。

「相談に乗ってもらってもよろしいでしょうか?金融機関から借りたゼロゼロ融資の返済が来月からはじまります。借入できたことで安心してしまい、何も対応ができていません・・・原材料の高騰、人件費や輸送コストの状況により返済するためのお金が足りません!!!どうしたらいいでしょうか?」──とある経営者の交流会でご一緒したソフト開発をされている社長からのご相談です。

【ゼロゼロ融資のご相談は増加傾向】

ゼロゼロ融資の返済については、公庫系の融資については昨年までにはじまっているのですが、金融機関からの借入についてはこれからが返済のピークを迎えますので、このようなご相談をいただくことが増えてきました。

ゼロゼロ融資は、コロナ禍の企業を支えるために緊急避難的に提供された特別な融資制度です。そしてこの制度は、経営者にとってはピンチをチャンスに変える絶好のチャンスとなるはずだったのです。

ピンチをチャンスに変えることは簡単ではありません。 コロナ禍においては多くの企業が厳しい経営を強いられています。ゼロゼロ融資を受けることで、一時的な資金繰りから解放されますが、厳しい経営問題が解決するわけではありません。

問われているのは、経営者がゼロゼロ融資を利用してどのように事業を再構築し、持続可能な成長を実現するかという点であり、正に経営者の真価が問われているのです。

【社長の3タイプ分類】

このようなご相談をいただく社長は、大まかに次の3つのタイプに分類できます。あなたはどのタイプの社長でしょうか?

①燃え尽き症候群の社長

ゼロゼロ融資で一息ついた。これ以上頑張っても儲からないし、貰えるものだけ貰って廃業しようかな…と考えている。

②思考停止状態の社長

コロナ禍で何をやっていいかわからない。何かをしなければならないと思っているのだけど、何をやったらいいかわからず亀のように手も足も出さずにじっとしている。

③ピンチをチャンスに変える社長

コロナ禍というピンチは経営を見直すいい機会。今後、コロナ禍が明けて日常が戻った際には更なる躍進をするべく、いろいろとチャレンジしている。

【社長の3タイプ毎の対応内容】

①燃え尽き症候群の社長の場合

この場合は、「これまでお疲れ様でした。従業員や取引先に迷惑をかけないように廃業されるのであればお止めしません。廃業される時期を見誤らないようにしてください。」と見守ることにしています。

②思考停止状態の社長の場合

この場合は、「思考停止になっていても何もはじまりません。今の状況のままであと何ヶ月資金繰りができるのか至急確認してください。どれだけ切羽詰まっているかで対応が異なりますので・・・」と状況確認を先行させます。

並行して、「今一度、経営者として自社の商品・サービスの強み・弱みや外部環境・内部環境の見直しをされて、今後の事業展開をどうするか考えてみましょう。」と今後の事業展開についても考えていただくようにしています。

③ピンチをチャンスに変える社長の場合

この場合は、「今の状況のままであと何ヶ月資金繰りができるのか至急確認してください。どれだけ切羽詰まっているかで対応が異なりますので・・・」と状況確認を先行させるのは同じなのですが、「いろいろとチャレンジされている新事業の状況・今後の見込みについても教えてください。」と新事業の業務状況も確認します。

【会社が倒産するとき】

これまで何度もお伝えしてきていますが、「会社が倒産するのは、お金がなくなったとき」なのです!

倒産してしまうと、従業員やその家族だけでなく、取引先や仕入先などの取引相手、更には借入をしている金融機関や出資してきている株主にも迷惑をかけることになります。

また、コロナ禍のような逆境になっている時ほど、従業員は最高経営責任者であるあなたの言動を注視しています。

「うちの社長は、この困難な状況下でどのような経営をしていくのだろうか?・・・家族もいるし、家や車のローンもあるので、何としてもこの困難な状況に打ち勝ってもらいたい。そのためならいくらでも協力する。」と内心では祈るような気持ちの従業員がいることを認識してください。

そして、①燃え尽き症候群の社長や②思考停止状態の社長の場合では、能力の高い従業員ほど、転職を考えていると思っていただいて間違いありません。そりゃそうですよね。世の中が激変しているにもかかわらず、何の手も打っていないなんて・・・いつ倒産してもおかしくないですし、自分や家族の運命を託すことはできません。

③ピンチをチャンスに変える社長の場合では、社長が従業員をどれだけ巻き込んでいるかで、従業員の動きが異なります。明確な目標を掲げて、従業員を鼓舞し、うまく巻き込んでいる社長の場合には、従業員がイキイキと明るい笑顔で仕事に励んでいます。

しかし、社長の思いつきで明確な目標もなく、「あれやれ!」「これやれ!」と場当たり的な指示をしている社長の場合、従業員の目が死んだ魚のような目になり、言われたことだけやっているようになります。仕事をしているようでいて、実際は転職活動をしているかも知れません・・・

新事業については、マイナスからスタートするのが一般的ですので、いつ頃に業績が黒字に転換してくるのか、当初立てた目標や計画と比べて進捗状況がどのようになっているのかが重要になってきます。

【実際の資金繰りについて】

①燃え尽き症候群の社長の場合

この場合、廃業を視野に入れており、新しいこともしていないために、結構潤沢な場合が多いです。最低でも6ケ月、多いところでは2年近く何もしなくても資金繰りが可能。

②思考停止状態の社長の場合

この場合、思考停止なので、全てが成り行き任せになっており、極端な場合には来月末の支払いが厳しいような事例もあります。正に非常事態ですので、なりふり構わずに「現金化最優先!」で対応していただきます。社長の趣味のベンツやゴルフ場会員権、その他動産で経営に直接関係ないものは全て売却!また、貯蓄性の保険などは全て取り崩しor契約者貸付をして現金化します。

3ケ月程度の資金繰りを確保していただかないことには、手の打ちようがありませんので、とにかく現金化できるものは全て対応していただきます。

あと、売掛金回収の期間を短くして、在庫の水準も見直し、できれば買掛金の期間を伸ばしたいところです。この他にもいろいろと手立てはありますが…

いろいろとトライしてみても、どうしても資金繰りがつかないようであれば、早めに金融機関にリスケジュールを申し出てください。延滞してからでは、リスケジュールの申し出を受けてもらえなくなりますので、くれぐれもご留意ください。

なお、コロナ禍の影響で借入が増加した企業への支援策として「コロナ借換保証制度」が創設されています。いろいろとチャレンジするとともに、取引金融機関があなたの会社に伴走してくれるのであれば、是非とも活用してください。

③ピンチをチャンスに変える社長の場合

この場合、チャレンジされている新事業の状況・今後の見込みが、いつから黒字転換してきて、キャッシュフローにプラスされるのかがポイントです。黒字転換までの資金繰りを、②の現金化と同じく対応するとともに、新事業の事業計画をベースに「コロナ借換保証制度」による金融機関からの借入について打診も行います。

<中小企業庁HPより https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/sinyouhosyou/karikae.html

そうすることで、金融機関という第三者の視点での新事業の計画の妥当性を検証することもできます。非常事態の時ほど冷静な対応が求められますし、新事業の計画を金融機関に納得させられずに伴走してもらえないようであれば、その事業はサッサと諦めるのが賢明です。

妥当性を金融機関が認めてくれれば、融資も受けられるようになりますので、当面の資金繰りは安泰となります。是非とも、このところまで頑張っていただきたいものです。

【緊急事態を乗り越えるために】

経営者が緊急事態を乗り越えていくためには、つぎのような対応が考えられます。実際には、資金繰りを安定させることが第一ですので、1から2くらいまでが最優先となります。資金繰りが安定してきたら、3以降を対応して経営基盤を盤石にしてください。

1.キャッシュフロー重視の経営

ゼロゼロ融資を受けている間に、キャッシュフロー状況の見直しと改善をしましょう。

必要となる運転資金は、売上債権+棚卸資産―仕入債務ですので、売上債権(売掛金・受取手形など)の回収期間を短くし、棚卸資産(在庫)の水準を可能な限り低くするとともに、仕入債務(買掛金・支払手形など)の支払期間を少しでも長くすることができれば、減らすことができます。

また、高付加価値・高単価の商品・サービスの販売を強化することで、販売単価の上昇、販売数量の増加により、現金ベースでの利益を増やすことができます。

さらに、固定費や変動費の削減も、キャッシュフローの増加に寄与しますので、できるだけ削減したいところです。

2.新たなビジネスモデルの構築

コロナ禍によって市場環境は大きく変化しました。ゼロゼロ融資を受けている間に、顧客のニーズや市場の動向を分析し、自社の強みを活かした付加価値の高いサービスや製品を提供することで競争力を高めましょう。

なお、現行の商品・サービスのラインナップを見直し、利益率が高い商品・サービスに経営資源を集中して、利益率の低い商品・サービスを廃止することも非常に効果的です。

3.マニュアル化&デジタル化の推進

コロナ禍においてデジタル化は急速に進展しました。ゼロゼロ融資の期間中に、業務プロセスを見直してマニュアル化を推進することで、デジタル化やオンライン販売の強化など、デジタル化に取り組むことで業務の無駄がなくなるだけでなく、標準化ができるようになり、より効率的な業務推進ができるようになります。

4.従業員の育成とモチベーションの向上

従業員は企業の最も貴重な資産です。ゼロゼロ融資の期間中、従業員のスキルアップやモチベーション向上のための研修や福利厚生の改善に注力しましょう。組織全体力を高めることで、企業の成長と持続性を支えていくことができます。

5.パートナーシップの構築

ゼロゼロ融資の期間中に、新たなパートナーシップを築くことも重要です。金融機関などの協力を得ながら、他の業界団体との連携で共同プロジェクトやマーケット拡大のための提携を検討しましょう。パートナーシップを構築することで、さらなる成長の機会が生まれます。

以上が、経営者がゼロゼロ融資への対応で取るべきアクションの一部です。約定返済開始期限の到来に向けて、これらの取り組みを積極的に進めましょう。もちろん、資金繰りが厳しい場合には、資金の確保を最優先にしてください。

経営者の真価は、困難な状況下でもリーダーシップを発揮し、経営戦略を考えて立ち上げ・実行する能力によって示されます。

ゼロゼロ融資の猶予期間は迫っていますが、それは経営者にとってのチャンスでもあります。 ピンチをチャンスに変えるためには、将来に備えて必要な取り組みを進める、コロナ禍明けの現状においてスタートダッシュを切ることが重要です。そして、これらの決断を実際に行動に移すためには、経営者自身が率先して取り組むことが求められます。

経営者は自らが企業のビジョンや目標を明確にし、社内外の関係者とコミュニケーションを図ることが重要です。従業員やパートナーとの協力関係を見据えながら、ゼロゼロ融資への対応と将来の成長に向けた取り組みを進めていきましょう。

経営者が自ら行動することで、組織全体にポジティブな影響を与えることができます。経営者のリーダーシップと熱意は、従業員や関係者にも感銘を与え、共に困難を乗り越えて成長して生きる力につながります。

最後に、経営者の真価はシンプルや利益経済の成功だけでなく、社会的な責任も含まれます。 ゼロゼロ融資を受けたあなたの会社の業績が回復し、成長・発展することは地域や社会全体にとってもプラスの影響をもたらします。経営者は自主的に社会的な使命を果たすことを忘れず、持続可能な経営を目指していってください。

【経営者がリーダーシップを発揮するために】

さらに、経営者が真のリーダーシップを示すためには、以下のような実践的な活動が重要です。

1.コミュニケーションの強化

経営者は従業員や関係者とのコミュニケーションを積極的に行うことが必要です。メンバーの声を聞き、意見やアイデアを収集しましょう。

2.リーダーシップの例示範疇

経営者は自らが理念や価値観に基づいた行動を示すことが重要です。従業員に対して正しい方向性や行動基準を示す、自らがその模範となることで、組織全体の方向性を明確にしましょう。

3.革新と柔軟性の促進

ゼロゼロ融資の期間中には、新たなアイデアやビジネスモデルの構築が求められます。経営者は革新を促進し、従業員に創造的な発想を促す環境を整えることで、将来に向けた柔軟性と競争力を確保しましょう。

4.持続可能な経営の追求

経営者は短期的な利益だけでなく、社会的・環境的な責任もぜひ、長期的な価値の創造に注力しましょう。

経営者の真価は、ゼロゼロ融資への対応において試されます。 ピンチをチャンスに変えるためには、将来に備えた戦略的な取り組みとリーダーシップが重要です。経営者自身が主体的に行動し、組織全体を巻き込んで成果を上げることができれば、経営者の真の価値が問われた状況でも成功に耐えることができます。

【まとめ】

ゼロゼロ融資は、コロナ禍の企業を支えるために緊急避難的に提供された特別な融資制度です。そしてこの制度は、経営者にとってはピンチをチャンスに変える絶好のチャンスと捉えなければなりません。

経営者の真価は、ゼロゼロ融資への対応だけでなく、その後の将来に向けた戦略的な活動やリーダーシップの積極性によっても問われます。 成長への挑戦をすることで、経営者の真の力と価値が発揮されるのです。

経営者は組織内外のステークホルダーとの関係構築に注力する必要があります。パートナーシップの構築や顧客との関係の強化、金融機関とのコミュニケーションなど、緊密な関係者との良好な関係を築くことで、経営している会社の持続的な成長を実現できます。

ゼロゼロ融資への対応は経営者の真価を問う重要なものですが、それだけではなく、その後の経営活動全体においても真のリーダーシップと能力が求められます。経営者は組織のリーダーとして、将来に向けてた戦略の策定やチームの結集、持続可能な経営の追求など多岐にわたる対応をするために、事業の成功と成長を実現できるのです。

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