流れを知ることの大切さ
経営者として日々忙しく仕事をしていると、つい社業以外のことが目に入らなくなってきます。お客様に応対し、社員とのコミュニケーションに明け暮れしていると、外のことが次第に視界から遠のいて行きます。
気が付くと、商圏外の世界のことを考えづらく感じたり、実は直接の利害関係が生じる可能性がある事案でも、自分たちのネットワークや語彙と少しでも違う要素があるとそれを排除してしまったりと、知らず知らずのうちに「これまでのやり方」に回帰するような対応を繰り返すようになります。
それで商売が回るうちは良いのですが、やがてだんだん手詰まりになり、ついには後追いで変化に対応しなくてはいけなくなる、というような事例を私たちは何度も目にしてきたように思います。各種の環境規制やISO、あるいはコンプライアンス要請など、現代社会が企業に対して次から次へと寄せてくるさまざまな要求に、逐一後追いで対応するのは、長期的に見れば極めて非効率な経営と言わざるを得ません。
ごく最近では脱炭素への対応がまさに当てはまると思います。何をしたら良いかよくわからないので何もしない、そのうち後追いでCO2削減対策にカネを投じなければならなくなる、と言った流れがそれにあたります。
そうではなく、自分から積極的に仕掛けてそれをビジネスチャンスにできないかと考えるのが経営者の役割だとしたら、何より先にまずすべきことは「世の中を知ること」ではないでしょうか。国内市場もそうですが、勇躍海外へと目を向けて、「世界がどうなっているか」を肌で感じることができれば、経営者としてグローバルな視点から発想することができるようになります。
コロナが明けて、東京で開催される展示会はどこも超満員の人出ですが、状況は海外でも同じです。そして人が集まれば情報が集まるのはコロナ前も今も変わりません。環境で言えば、10月にはフランスでPollutec 2023が、また来年3月にはタイでRecycling and recovery expo 2024が開催されます。前者はグローバルな政策の方向性について、後者はASEAN地域でのニーズについて、最先端の情報を得られる貴重な機会です。
このような機会を通じて世の中の流れを知っておくことこそ、明日をリードする経営者となるために、何より優先すべき課題なのです。
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