お客様はショールームアドバイザーに何を求めているのか?
ショールーム営業にとってショールームは重要なキーデバイスです。ショールームを中心に、売れる準備、営業活動、販売活動、アフター営業といった導線を作るからです。
そのショールームでお客様と接するアドバイザーは、ショールーム営業の中心人物と言っても過言ではないでしょう。アドバイザーの接客一つで、契約できるか否かが決まることさえあります。したがって、皆さんはアドバイザー教育を熱心に行っているものと思います。
ここで質問です。皆さんは、どのような教育をしているでしょうか?
製品知識を高める、実際の使い方を習得する、接客マナーを習得する、トラブル発生時の対処法などなど。これらは基本的な教育であって、ショールーム営業にとって最低限の内容です。
もちろん「ウチはもっと高度な教育をしている」と言う方もいるでしょう。「ウチは営業マンよりも、アドバイザーの方がセールスが上手い」などと言うかともいるくらいですから、相当熱心に教育されていると思われます。
しかし、ここで少し考えてみましょう。
製品の隅々まで熟知していて、使用方法やメンテナンスの仕方まで知っている。お客様から聞かれたことは、ほとんどその場で答えられる。気遣い心遣いもできて、お客様を不快にさせない。このような事はとても重要です。しかし、もっと重要なことがあります。今回はそのお話です。
「ショールームにソコソコ集客はできているし、契約率も悪くない」
「でも、もう一つ何か足らないんだよなあ・・・」
このようにお話になる社長がいます。小さなショールームをお持ちで、営業マンもアドバイザーも、集客や接客に頑張っている。マニュアル通りの製品説明と接客がきちんとできている。ところが、社長とすると何か足らないような気がして仕方ない。
「先生、ちょっとアドバイスもらえませんか」
「そうですね、実際にお客様になったつもりで接客を受けてください」
こんなご依頼をいただきました。
当社としては、忍びで様々なショールームに実際に行って製品説明やアドバイスを受けていますので、「標準」とか「基準」というものを知っています。したがって、標準や基準より高いか低いかくらいは判断できます。
さて、こちらはお客様になったつもりで一通り説明を受けます。その間、質問もしてみます。その結果は・・・。
「う~ん社長、悪くないですね。いいですよ」
「でも、やっぱりちょっと足りていませんね」
では、何がどう足りていないかということです。それは「聴く耳と、自分の言葉」です。
アドバイザーの方は非常に優秀で、マニュアル通りに説明できます。お客様の質問にも正確に答えられます。しかし、何か足りません。それが「聴く耳と、自分の言葉で応える力」です。
アドバイザーはお客様の質問に正確に答えなければなりません。また答えられないことがあると、機会損失になりかねません。したがって、製品のことは十分に熟知しています。そのように教育されています。
お客様にとっては正確に答えてくれるのはありがたいですが、望みや悩み、不安をよく「聴いて」くれて、そのうえで質問に「自分の言葉で応えて」欲しいのです。ここが不足していました。
お客様は一人一人違います。望みも悩みも不安も違います。マニュアルを覚えるのは十分大切ですが、本当の顧客満足のために一度マニュアルから離れてみてはいかがでしょう。
マニュアルは画一的に教育できますが、お客様の声を聴いて、そのうえで自分の言葉で応えるのは社員教育ではできませんね。
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