社長が知っておくべきネット時代におけるショールームの役割
日本にインターネットが誕生して約40年。それ以来進化を遂げて、いまでは欠くことのできない存在になっています。またデジタル化が進んで、誰でもどこでも手軽に写真や動画を使うことができるようになりました。
世の中が進歩したり発展したりすることはいい事です。それによって次々とビジネスチャンスが生まれます。そのチャンスをうまくつかんだ人が、ビジネスの上では「成功者」として称えられます。
近年では、コロナの流行でオンライン会議だとかテレワークだとか、人と人が接触しないで仕事をするスタイルが定着しました。ショールームにおいても無人ショールームやバーチャルショールームが登場して、便利で手軽に、そして気楽に製品を見られるというメリットを見つけ出しました。
しかしそうであれば、ショールームを無人化したりバーチャル化したりした経営者が成功者となるはずですが、必ずしもそうなっていないところにショールームの特殊性があります。
「先生、ショールームを無人化したいのですが成功するでしょうか?」
先日、このような問い合わせを電話でいただきました。この方は、複数のショールームを持つ建設業の経営者です。有人ショールームは本店のみにして、出先のショールームは全て無人にするとのことです。
「社長、成功するかしないかは、やってみないと分かりません」
「それより大切なことは、無人にする理由ですよ」
このように申し上げました。
コロナの流行以降、このような問い合わせが多くなりました。最近ではコロナは随分収まってきましたが、やはりこのような問い合わせはまだあります。しかし、なぜ無人にしたがるのでしょう?
これはあくまでも推測ですが、このような問い合わせをしてくるのは、ショールームをうまく使えていない会社が多いということです。集客できないため、ショールームが「宝の持ち腐れ」になってしまったのです。
ショールームは作った。しかし、集客できないし契約もできない。社員からは「邪魔」とか、「なくてもいいんじゃないの?」とか言われている。何とか固定費を抑えてショールームは存続させたい。こんな社長の思いが見え隠れします。実際、当社のセミナーにご参加くださったお客様の中にも、同じ悩みを抱えている方がいました。
そのような悩みを抱えている方には、このように申し上げています。
「社長、無人化してもいいですが、単に無人化しただけでは状況は改善しませんよ」
「それどころか、ますます悪化しかねません」
「無人にするにはノウハウと言うか、コツがいります」
もともとショールームを活用できていなくて、どうしようかと悩んでいたそのタイミングでコロナがやってきた。コロナによって、非接触のショールームにする絶好のタイミングがもたらされたというわけです。
無人にして人件費を抑えるための口実にしたかっただけです。それで「成功するでしょうか」とは都合のいい質問で、そんなことを考えているようでは成功するわけがありません。
ショールームという場所は、製品を見せて説明するだけの場所ではありません。儲かるショールームにはズレの修正やおもてなし、驚きと感動があります。そして、そこは商談の場です。
単なる無人ショールームやバーチャルショールームに、それらの機能があるのかと言えば「ない」としか言いようがありません。
またネット社会で人と人が接触しない時代だからこそ、アクセスポイントとしてのショールームの役割が今後ますます重要になってきます。普段会えない家族や友人と会うときは、その時間を大切にするのと同じです。
無人ショールームやバーチャルショールームを否定するものではありません。事実、ショールームを商談の場だと心得ている方は、リアルのショールームをうまく組み合わせています。お客様の心をつかむのは、やはりリアルのショールームが最適だと知ったうえで、無人やバーチャルを使いこなしているということです。
そうでなければ、無人ショールームやバーチャルショールームに手を出さないほうが賢明です。なぜなら、たいていは失敗するからです。固定費削減などと考える方が間違っています。
そんなことよりも、リアルのショールームを活用することを一生懸命考えましょう。無人やバーチャルは、リアルを成功させてからでいいですよ。そのときは当社がご相談に乗ります。
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