先月、弊社では素晴らしい事例に恵まれ、新聞の1面トップに注目されるような実例(住友化学様)を公開することが出来ました。
まあ、もともと、実力のあった企業様ですから、実は「やるべきことをやった結果に生まれた、当然の成果」だとも思っているのですが、それは裏を返すと、
「力を持っているにもかかわらず、力を発揮できずに失敗している」
というケースも少なからずこの世には存在するという事を意味します。
さて、「力を持つはずの企業」が、なぜ、その道を踏み外してしまうのでしょうか。
多くの場合、それは「やり方」以前のところに問題があります。
今日は企業が最も多く「失敗しがち」なケースを元に、
「企業がマーケティングを学ぶ前に知るべきこと」と、
「なぜ、コンサルティングが存在するのか」についてお伝えできればと存じます。
▼多くの企業が、そもそも起こしている「勘違い」とは
この話を端的に伝えるためには、くどくどと持論を述べるよりも一つの事例を紹介したほうが解り易いと思いますので、その話をします。
ある企業が、システムを売ろうとしていました。
その企業が自社のシステムが「自動化」をもたらすことを理解しており、「この需要はきっと世の中に多いはずだ」と考え、自動化の精度や、スピード、スペックなど紹介。多くの場に出ていき、様々な手段を講じ、そして全く売り上げがあがりませんでした。
担当者は、「やるべきこと」を考えました。
「もっと、最先端の戦略が必要なのかも」
「もっと、マーケティングを活用しないとダメなのかも」
「もっと、他社の成功事例に学ばないとダメなのかも」
コンサルタントとしてハッキリ言いましょう。全部無駄です。
取り組むことで「やった感」は出せても、成果には直結しないことでしょう。
なぜなら、この会社がやるべきことは「そこ」では無いからです。
▼その行動は「目的」なのか「手段」なのか
多くの企業がこの「手順間違い」を非常によくやるのですが、
あえて端的に言えば、お客様は「自動化」なんかしたくありません。
正確に表現をするならば、お客様の大半にとって「自動化をすること」は目的ではなく「手段」でしかありません。
「ドリルを欲しい人が欲しいのは穴である」と言うのは、マーケティング業界で有名な言葉ですが、その真意を理解し、正しく行使出来ている人は実は多くありません。
本件の場合、たとえば、お客様には「人員リソースの不足」「人材教育の課題」等が生じており、それを解決したい……と言う課題が前提にあります。
「自動化」は、そんな彼らからすれば、「課題」を解決するための「手段」でしかなく、別に彼らにとっては「解決すれば、どうでもいい」というのが話のスタートラインのはずです。
だから、このケースの場合、マーケティング戦略が考えるべきことは、
「自動化の魅力を最大化するためのアプローチ」でも、
「自動化を求める人がいる市場へのアプローチ」でもなく、
「自動化」を「手段」として魅力的に感じてもらうための基本の組成(つまり言語化 )です。
これは、言われてみれば「それは、確かにそうだわな」と思うでしょうが、自分で気が付くには相当骨の折れる作業となります。
▼あらためて前回の話を考える
弊社サイトの私の最初のメッセージで、例として「ある定食屋でオーナーが店員にホスピタリティを向上してほしくて、研修などを考えていた」と言う話をしています。
この時、オーナーは「顧客へのホスピタリティ向上には店員への教育が不可欠」という、
「偽物の常識(目的)」にとらわれています。
私が、先月のコラムで解説したように、これは「しくみ」で解決できます。
たとえばそれは、
「湯飲みの確度が45度になったらお茶を注ぐ」
というルールを構築しさえすれば、結果的にホスピタリティは向上します。
さて、今日は、この話を別の側面から切り取って考えてみましょう。
つまり、この時に起こっている「ホスピタリティ向上の正体」についてです。
実はこの話、冷静に考えれば課題解決時において、この定食屋では、元々オーナーの求めていた
・店員のホスピタリティ(思いやり、気遣い)能力の向上
と言う成果は(この時点では)実現していません。
・店員のスペックはさておき(しくみのおかげで)、
結果的に、“お客様が「ホスピタリティがある企業だ」と感じるようになった” と言うのが正解だからです。
つまり、オーナーが最初に考えていた目的は、そもそも本質的に「ずれていた」ことになります。
それは、実際のスタッフの能力はさておき、このお店にとっては何が重要だったのかと言うと、
それは社員のホスピタリティが向上すること……ではなく、
「お客様が、ホスピタリティがある定食屋だと喜んでくれること」だったから。
と言う事です。
▼人が育つために必要なのは教育ではなく環境
こんな言い方をすると、「いやいや、そんな無機質な話は嫌だ。仕事は人間関係ではないのか?」と言われそうですが、もちろん私もそう思いますし、この話にはちゃんと続きがあります。
実は、こういった環境は「最終的に」店員のホスピタリティを向上させることが良くあります。
なぜなら、店員は「お客様に喜んでもらえた。もっと喜んでもらうためにはどうしたらいいだろう?」と考え始めるキッカケ=「小さな成功体験」を手にしたからです。
つまり、人が育つために必要なのは教育ではなく、
人が育つことが出来る「環境」こそが、重要だという事です。
たとえば、それは「北国に生まれたからスキーが上手い」と言うような事と変わりません。
雪が降る環境があればこそ、授業にスキーが組み込まれ、自然に小さいころから滑れるようになる。どんなに恵まれた才能があっても、「体験」できる機会と、学びたくなる「環境」が無ければ、キッカケすら生まれない訳です(そもそも、多くの大人が、自分の子供の教育にさえ悩んでいるこの世において、本当に人を育てられる人がどれだけいることやら……)。
▼だから、客観視が必要となる「が」……
さて、と言う事で、みなさまは何かの施策に取り組む際、本来は「そもそも、この方向性って合っているのか?」と言う事を考えるところから始めなければなりません。
しかし、これが本当に難しい。
なぜなら、根本的に間違うときほど
「まさか、そんなに根っこから間違っている」とは本人は思っていないからです。
そして、会社の中でいくらそれを取りまわしても答えは出ませんし、
身近なお客様にそれを聞いても、なかなか答えは出てきません。
なぜなら、
会社にいる人は、あなたと同じ電車に乗っているから客観的になれないですし、
お客様は、プロではないので見極めもできなければ、真剣でもないからです。
正直、この手の話は「プロの専門家」が観れば1時間もあれば解決できる事だったりします。一方、それを自分でやろうとすると1年~数年かかったりすることも珍しくありません。
何が言いたいのかと言うと、つまるところ、コンサルティングとは「あらゆる価値をもたらす時短をもたらす」サービスだという事です。
本来、膨大な失敗のうえに「なぜなのだ」ともがき苦しみ、その中でどうにか見出していくような話を、「膨大な経験をし、解決してきた先人に導いてもらうことで、自らも回避できる」ようになる。だから、正解に早くたどり着く。それによって勝ち得た利益はもちろんのこと、そこに至るまでに浮く、ヒト、モノ、カネのリソースが、コンサルティングのもたらす成果と言えます。
これこそが、コンサルティングの本質と言えることでしょう。
だからこそ、弊社は、公式サイトの事業紹介で冒頭に問うているのです。
以下のようなことが、起きていませんか? と。
・「デジタル施策をやっているだけ」になっている
・マーケティング組織の発足~成果が見えない
・営業戦略の「デジタル化」(DX推進)が進まない
・業績に寄与するマーケティングが出来ていない
・代理店任せのデジタルマーケティングから脱却できない
・そもそも成果が出せないから、専任が不在のまま
覚えておいてください。
このような事象が起こっている企業が対策すべきは、
・「知識の研鑽」でも
・「最新のマーケティング戦略」でもなく
「シンプルな気づきと、改善への打ち手」だけです。
※弊社が最短3カ月で成果が出せる理由もここにあります。
弊社は、実績と導入実例でそれを証明しております。
創業4年・しかも1人企業でありながら、質・数・内容、どれを取っても圧倒的な成果かと存じます。(しかも、それですら一部の案件にすぎません)
さて、お伺いします。
貴社は、物事の本質を見抜く目を持っていますか?
そして、「上記なような問題は発生していない」と「言い切る」ことが出来ますか?