「動く人」より「稼ぐ人」が増えていくチェーンにしたい社長の秘密兵器とは?
「この素晴らしい状態を常に維持できているんですか?」
チェーン企業の中には「模範だ」「勉強になる」と言われるほど、徹底されているところもあります。
しかし中には 「実は収益性には満足してません」 という企業も。
予定通りにならないという現実は、組織のリーダーの勢いを日に日に削いでいきます。
当初は「あの会社はなぜあんなに成長しているんだ?」と驚かれるくらいヤルゾ!と熱い想いにみなぎっていたのに、振り返ってみると「そんな時期もありましたね」となってしまうことも・・・。
別に社長が「うちはこのぐらいでいいんだよ」とおっしゃるのなら、何も問題は無いのですが、逆に「もっと稼げてていいのでは?」というお考えでしたら、その想いを実現するための道のりは険しいです。
せっかくこれまで「模範的だ」と言われるくらいの努力を続けてきたわけですから、すぐに実現できるのでは?と期待したいところではありますが、そういうわけにはいきません。
なぜなら「模範的だ」と「収益性を上げていく」は違う方向にあるものだからです。
冷たい表現になりますが「あの会社を模範にしたい」と言われるほど、見た目が素晴らしかったとしても「実は収益性が悪った」など、どの会社もすぐできちゃうからです。
どういうことをすればそうなれるのか? いくつか例を挙げてみますと
・あらゆる仕事は、外部に委託しまくる
・最新の設備やシステムを導入し、更新し続ける
・人件費は他社からクレームを付けられるほど上げに上げて、良い人材を確保
・各部署長には手当マシマシで、直接動いてもらう
・会社で一番人件費が高い社長自らも動きまわる
このように、単にあれもこれもコストをかけまくればいいだけだからです。
しかし、そんな会社が存続していけるのか?・・・それは誰の目にも明らかです。
これらのアクションに共通する点は、単に「動いている」ということです。
とても「稼いでいる」とは言えません。
動いているとはどういうものか?
それをリーダーと従業員の関係で表現しますと
・社長の前でだけ、あくせくする
・店長の前でだけ、接客に精を出す
などです。
さて、貴方がリーダーという立場であった場合、このような社員やスタッフをご覧になった時「君はよく頑張ってるよね」と笑顔で言えるでしょうか?
残念な事にチェーンビジネスで働く人達には「商売だから稼がなきゃ」となってほしいのに「仕事だから動かなきゃ」と、ズレてしまう人が後を絶ちません。
ひどいケースだと「別に頑張って売ろうとしなくてもいいでしょ」「だって客なんか勝手にホイホイ来てくれるんだから」とか「並べてりゃいつか売れるっしょ」とか「必死に稼ぐなんて恥ずかしい事ができるか」「カッコ悪いからヤダ」という方も・・・
チェーンビジネスに関わる社員やスタッフが「動こう」ではなく「稼ごう」と変わっていく流れをつくるには2つのポイントがあります。
1.「稼ぐ」というアクションについて、社内で一番詳しい人の力を使う
2.「稼ぐ」を浸透させるためのルートを整備する
まずは1についてですが、ここで質問です。
あなたが以下の状況に置かれたら、どう動きますか?
・店舗勤務。お客様が少ない日。近くには特別仲良しな人が一緒に入っている
・会社の備品を乱暴にぶん投げれば、より早く仕事が終えられる。誰も見ていない
・業績を上げるチャンスを見つけたが、自分の仕事の範疇外
・すでに目標数値は達成済みで疲れている
・ほぼバレることがない会社のルールの抜け穴を見つけた
真面目でひたむきな人であれば、こういった状況下においても「さすが〇〇さんだ」「そこまでやるの?」などと模範的なアクションを起こすことでしょう。
しかし果たしてそんな模範生でも、退職するまでの長い勤務生活のうち、一度も「気が緩んでしまった」ということもなく初志貫徹できるでしょうか?
仕事を長く続けている人には、こんな経験はありませんか?
「えっ? まさか あの〇〇さんがそんなことしちゃったの?」
「嘘でしょ? とても信じられない」
「あの人も、悪い事をしてしまうんだ・・・」
上記に挙げたのはどれも「稼ぐ」ということから逸れてしまいやすい状況ばかりです。
いくら真面目でひたむきで、誰からも「〇〇さんは凄いよね」と一目置かれている人でも、いくつかの条件が揃いますと「ちょっとくらいいいんじゃないか?」「今まで誰よりも頑張ってきてるんだし」と、気が緩んでしまうことがあります。
ところが、社内には「前向きに動いて失敗」は多数あれど「欲望に駆られて・・・つい」といった失敗など、ゼロ「やるわけがない!」という、まるで聖人? という人が存在します。
それが誰か?といいますと「会社の所有者」です。 普通であれば社長のことです。
「実は私は雇われている、決裁権が無い社長なんです」とか「今日から君が跡を継げ」といきなり社長の座も所有物も与えられたという方ではなく、「会社は私が一から築き上げてきたんだ!」という創業者や、オーナー社長はであれば、会社の物=自分の物 です。
お客様が少ないからと、ついおしゃべりに夢中になってしまっても、その間の時給が自分以外の誰かから貰えるわけではありません。
目標を達成したからとついダラダラと手を抜いてしまっても、それ以上の成果は自分に返ってきません。頑張れば頑張る程、手を抜けば手を抜く程、全て自分にそのまま返ってきます。
会社に雇われている人達が「つい欲望に負けて会社に損害を与えてしまった」と過ちを犯してしまうのは、会社の損=自分の得 となってしまっているからです。
その点、会社の所有者であれば 会社の損=自分の損 です。
結局は自分が困ってしまう事をわざわざ行う人などいるでしょうか?
つまり、会社の所有者である社長は、社内の誰よりも「稼ぐことの大切さ」がわかっていて、誰も上回る事はできない ということです。
ビジネスにおける組織内で、こんなやり取りが発生することがあります。「私の方がリーダーよりできますから、任せて下さいよ」とか「しょうがないなぁリーダーは・・・私がやってあげますから」「そうか、すまんね」など。
一見リーダーの面目丸つぶれ・・・に見えますが、それでも組織の均衡が保てるのは「稼ぐことの大切さ」以外の話だからです。
もし「稼ぐことの大切さ」という分野において「リーダーはわかっていないなぁ」などと凌駕されているとしたら異常事態です。その組織は長くはないでしょう。
ビジネス組織のリーダーとは、こと「稼ぐことの大切さ」においては、誰よりも詳しくなければ、引っ張っていく事はできません。
その点、会社所有者である社長は「最強」です。
社内に有能な社員がいて、社長よりも稼げるなど「腕」で負けることはあっても「詳しさや理解度」で負ける事はありえません。
それは社長が勤勉で、いろんな人のノウハウを吸収してまわったからとか、人よりたくさん本を読んでいるから、などという努力も要りません。
ただ「所有者」というだけで最強なのです。
よって社長が会社をグイグイ引っ張っていく事に何も遠慮することはありません。
社長に比べると、社員やスタッフは「稼ぐ」という重要性などほとんどわかっていない、まるで子供のような人達ばかりです。
社長が「ぶっちぎりの業績を上げ続けられる会社にしたい」と願うのであれば「いいか? 稼ぐとはこういうことなんだぞ!」など、これでもかというくらい自分の本音を堂々と、そして力強く、「勢いだけで人を気絶させてやる」くらいの熱をこめるべきなのです。
しかし問題なのは、それをどうやって伝えるか?です。
上記、2つ目のポイント 「稼ぐ」を浸透させるためのルートを整備する についてです。
例えば、社長が近くを歩いてる社員やスタッフを片っ端から呼び止めて「まぁ座りなさい、そして聞きなさい」と長々と熱弁を始めたら?・・・どんな反応がかえってくるかは ご想像の通りです。
いくら社長が「よっしゃ、稼ぐことの大切さを伝えていくぞ!」と鼻息荒くしてたとしても伝え方が悪いと無駄どころか、マイナスに作用してしまいます。
願わくば「社長、私は目が覚めました。ただ動いていただけでした。ダメですね。稼がないと!」となってもらいたいところですが、そのゴールに到達するまでには高い壁がいくつも立ちはだかっています。
更にチェーンビジネスだとその壁は更に高く、数も多い為、輪をかけて厄介です。
※どんな壁があるのか? どういった事をすれば伝えやすいのか? ここでは長くなってしまいますので、詳しくは当社主催のセミナー各種( https://pearze.jp/onsem )でご紹介していますので、どうぞご覧ください。
「さて、私の想いはどうしたらうまく伝えられるのか?」
まさに、今もその課題に向き合っているという社長であれば、それがどんなに大変なのか? 実感されていると思います。
あまりに大変すぎて「やがて伝わるだろう」と思いたくなることもあるでしょう。
しかし逆にこう捉えてみてはいかがでしょうか?
立ちはだかっている壁が高ければ高いほど、多ければ多いほど越えられたら他社と大きな差を付けられる・・・と。
私、伊東が日々声高に「チェーンビジネスには大きなチャンスが眠っているのです!」と叫び続けている理由がまさにこれなのです。
チェーンビジネスでは、その特性上、社長の想いを社員やスタッフに伝えようとすると、とても高い壁がいくつも立ちはだかってしまいます。
その壁はあまりにも高く、多い為、各チェーンは、社長が店舗を視察する度に「よしよし、うまくいってるな」というより「あれもダメ、これもダメ、全く伝わってないじゃないか!」となってしまう方が多いです。
しかし立ちはだかっている壁がどんなに高かろうが、いくつもあろうが「稼ぐとは?」という自分にしか使えない兵器を撃ちまくりつつ、
「だから何だ!」
「困難ウェルカム」
「全てぶち破ってやる」
と、力強く前に進もうとする社長だけが、会社を躍進させていけるのです。
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