展示会に何を期待しますか?
大型連休も明けたこの時期、首都圏・関西圏の大型展示場では年間で最も大きな規模の展示会が相次いで開催されます。コロナ禍が一段落したこともあり、最近の展示会はどこも大盛況です。この盛り上がりを良い機会と見て、展示会出展を準備されている会社も多いことと思います。経営者の皆さんは、安くない出展料や企画制作費を負担して、展示会に何を期待されますか?
圧倒的に多い答えが「営業・マーケティング」だと思います。集めた名刺の枚数、配った資料やサンプルの量、営業に引き継ぐべき現地での問い合わせの内容、その他さまざまな収穫が期待できるからです。でもまさか、忙しさにかまけて集まった名刺の束を展示会が終わったら即営業に手渡すだけ、になってはいませんよね?
せっかく大枚はたいて出展した展示会です。せめて集めた名刺の中身はどのようなものか、寄せられた問い合わせやコメントはどのようなものだったのか、前回の展示会と比較してどのような変化が見られたのかなど、得られた情報を少し細かく分析してみることで、それまで見えていなかったマーケットの変化を読み取ることができるのです。
- 展示内容は伝わったか
誰に何をどのように伝えようとしたか、それはなぜなのか明確でしたか?問い合わせの内容を見ると展示内容の消化レベルを掴むことができます。ですので、問い合わせ内容メモはできるだけ残して共有するよう、展示会担当者に指示しておきましょう。
- 反応は明確か
展示内容や商材をどう評価しているのか、問合せに関するプラマイ評価についても、担当者の感覚で構わないので記録するようにします。
- お客様にどのくらい喜ばれたか
この変数は、購買意思決定までの距離感を測ろうとするものですが、観測は簡単ではありません。展示会場で発注を受け付けられる商材であれば別ですが、多くは事後のメールや電話など、フォローアップ営業への反応を見て判断することになります。
加えて、企画そのものの訴求性がどうだったか、を判定できると良いのですが、過年度の企画及び実績と対比してみることでおおよその訴求性を確認することができます。同時期同規模の展示会において、獲得した名刺枚数の違いや問合せ件数などから、展示がどの程度来場者に刺さったのかを確認するのです。ざっくりとした感覚ですが、平日3日間の展示会に単独ブース(1コマ)を出展したとして、展示内容が来場者に刺さった場合に獲得できる名刺は一日あたり多くても100~150枚程度です。複数ブース(2~8コマ)の出展になると、獲得できる名刺は確実に増えますが、増えた分だけ営業成績につながると言う訳ではありません。
むしろ名刺の数は多くなくても、熱心な問い合わせが寄せられ、それらが購買行動につながってくれるほうがありがたいので、獲得枚数はあくまでも観察変数に止めておき、獲得枚数を評価の指標にするようなことは避けるべきなのです。
ここまでをひとまとめにした反省会を、展示会最終日の打ち上げでパッと終わらせることができるように、予め展示会担当者全員にやるべきこと・記録すべきことを指示しておくことをお勧めします。詳しい資料は不要、PDFのペライチと口頭で結構。数字は正確さよりも新鮮さが勝負です。終わった展示会を月末の部長会で分析・総括する、みたいなスピード感ではせっかくの予算が勿体ないですよ。
せっかく出展した展示会ですから、メッセージがしっかりと来場者に伝わると良いですね。そしてそれが明日のビジネスにつながってゆきますようにとお祈りしています。
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