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節税対策で資金繰りが苦しくなる会社の共通点

SPECIAL

ダイヤモンド財務コンサルタント

ユメリアコンサルティング株式会社

代表取締役 

次世代経営者専門の財務コンサルティング機関。同族会社のオーナー社長・二代目社長に対して、経営基盤を頑強なものにする、「ダイヤモンド財務」の築き方を指導。

多くの社長は「売上が増えれば、潰れない会社になるはずだ・・・」「銀行からお金は借りられるだけ借りておこう・・・」「利益が出たら節税して税金を減らさないと・・・」と考えます。

これらはすべて間違いです。経験上、経営が苦しくなっていく社長には、本人が無意識のうちに経営を悪化させてしまう共通の思考軸があります。

世間一般の間違った常識の中で、最も多いのが「売上至上主義」です。多くの社長が「売上さえ増えれば、全ての経営課題が解決する…」と勘違いしています。

もちろん売上は大切です。しかし、あらゆる経営課題を解決するのは、「お金」であるという現実を理解しない限り、経営は苦しいままです。

お金がしっかり残る仕組みの会社になっているからこそ、将来に繋がる事業投資をしたり、広告宣伝をしたり、人材育成をしたりすることができます。

ですから、経営の質そのものを高め、事業を永続させるためには、「お金」が最も重要な経営資源です。「お金」が尽きた時に会社は潰れます。逆を返せば「お金」がある限り、会社は潰れないのです。

次に多い間違った常識は「節約至上主義」です。節約至上主義の社長さんは、「投資をしたら、利益が出なくなってしまう…」「売上を増やさないと、投資はできない…」と考えます。

ですが、実際は、根本的な財務構造に大きな問題を抱えている、社長自身が財務を全くわかっていないというケースがほとんどです。目先の赤字決算を心配するよりも、根本的な経営課題を解決する方が重要です。

多少の出血を覚悟してでも、根本的な財務構造を変革しない限り、一生懸命節約・節税しても、経営は苦しいままです。

言葉は悪いですが、「ジリ貧経営」「貧乏暇なし経営」がいつまでも続きます。自社の経営の質向上のために、正しい「投資」を継続していくことが必要です。

強く永く続く会社づくりを実践している社長さん方は、よく「お金の使い方が上手」と言います。それは、いってみれば「投資上手」なのです。「浪費」は単なるムダ遣いなので、決してやってはいけないことですが「投資」は必要不可欠なのです。

「投資」は、時間とともに10倍・100倍になってかえってくるため、強く永く続く会社づくりを目指すのであれば、絶対的に不可欠なものです。

一時的に、お金が出ていきますが、中長期で強く永く続く会社づくりを実現したいのであれば、感情で判断してはいけません。あくまでも、財務の視点から数字で具体的に考えるべきです。

節税対策に関しても同じです。税金を払うと、瞬間的にはお金が出て行ってしまいます。もちろんムダな税金は払う必要はありません。正しい節税で、会社や社長自身にしっかりお金を残すことは重要なことです。

ですが、本来行うべき「投資」でお金を使わずに、「節税対策」で多額のお金を使ってしまう「間違った節税対策」は、節税対策の効果以上に手元資金を減らしてしまいます。

「税金を払いたくない…」という目先の感情に支配されると、「目的」と「手段」が逆になってしまいます。具体的には、手元にお金を残すための節税対策だったはずが、気付いたら、節税対策をすること自体が目的になってしまうのです。

その結果、思った以上に手元にお金が残らない節税対策に手を染めて、ドンドン資金が苦しくなっていくのです。さらにこの事実は、社長が財務の目線から経営のことを考えられるようにならない限り気付けないため、無意識のうちに状況は悪化していきます。

社長の仕事は、強く永く続く会社づくりをすることです。

あなたは今、社長としてどんな未来をつくりたいですか?

ダイヤモンド財務®コンサルタント 舘野 愛

 

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