20億社長のお悩みとは
最近お客様となられた経営者の方々と話していて、業歴もビジネスモデルも異なる会社の間に共通のお悩みがあるというパターンに気づかされたのですが、それは「売上20億レベルの会社はどこも、技術開発の力が弱い」ということです。むろん、全ての会社がそうだと言う訳ではないのですが、技術開発の力を問われると、意外と当てはまるという事例は多いのではないでしょうか。
組織は作った、操業のための要員も揃えた、ノウハウも市場も確保した、その次は・・、という段階で、次なる成長のタネを考えるために避けて通れないのが技術開発だということで、でもその受け皿がない、さあどうしよう、となるわけです。
このところ特に顕著なのが、資源再利用についてCO2削減対策と絡めた技術ニーズが見えているのに、技術開発に向けたソリューションがないため対応できずに市場機会を逃している、というパターンです。その多くが無駄な廃棄物として捨てられるか、または処理費を払って処分されているという現実があります。
本来ならおカネが入ってきても良い機会をモノにできず、むしろおカネを払って処分しなくてはならないという話は、経営者でなくても何とかしたいと思うのが人情です。ましてや何とか成長機会を見つけて事業を伸ばしたいと思っている経営者なら、ぜひとも取り組みたい課題だと思っているはずです。
そんな時に頼りになるのが大学や高等専門学校など、研究開発機能を持っている教育機関との産学連携による取り組みです。注意しなくてはいけないのは、先方はあくまで教育機関であり、研究開発がゴールであるのに比べて、企業としてはその成果を生かしたビジネスの成功が求められると言う性格の違いがあることです。
これはつまり、丸投げすれば良いというアタマでは、上手く行く事案もうまく行かなくなることが多いというリスクの存在を示してくれているわけで、ビジネスの成功については「やっぱり民間企業側が頑張らないとダメだ。」ということの証明でしかありません。
それこそが社長の悩み、今の社内では誰にも任せられない、という壁に突き当たってしまうのだろうと思われます。
解決策の提案は、実はさほど難しいものではありません。いなければ、連れてくれば良いだけの話です。
確かに安い買い物ではありません。人一人見つけるのに、エージェント会社に頼んだとして年収の35%程度は手数料に消えることを覚悟しなくてはなりませんし、そもそも良い人がすぐに見つかる保証もないわけです。
それでもじっくりと腰を据えて、取り組んでみる価値は絶対にあると言えます。何故なら、結局人の問題は人でしか解決できないからです。いくらAIが進化したところで、AIが統一的かつ切り分け可能な形で人格を持つことにはならないと考えられるからです。
20億社長の皆さん、意を決して技術部長人材を採用しましょう。そして御社に技術部を作ってしまいましょう。技術的競争力を大学や高専と一緒になって作り上げるための、それが最善の策なのですから。
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