営業利益率12%超を必ず達成するために必須の12ステップとは?
「人流や物流が戻ってきたのはいいのですが、原材料の高騰などもあり、以前よりも利益率が低くなっています。値上げしないと厳しいのですが、元請との関係でなかなか価格転嫁ができずに苦労しています・・・何かいいやり方はありませんでしょうか?」──とある金属加工業を営む社長からのご相談です。
原材料などの高騰にも関わらず、価格転嫁できないという状況は、製造業にかかる事業を営まれている社長に共通する悩みではないでしょうか?
特に、大口受注先に売上が集中している場合には、元請―下請の関係となり、なかなか価格転嫁に応じてもらえず、かといって他の会社に切り替えようとしても、大口受注先が臍を曲げてしまったら・・・と考えると、なかなか思い切った行動ができずに利益率だけが下がってしまうことはよくあります。
【営業利益率12%超を必ず達成するために必須の12ステップ】
それでは、実際に営業利益率12%超を必ず達成するために必須の12ステップとは、どのようなものなのかみていきましょう。
1.現状認識と方向性の決定
最初のステップは、「現状認識と方向性の決定」です。
どのようなコンサルティングにも共通するステップですが、あなたの会社の現状と課題を主要なチェックポイントで確認します。
その後、営業利益率12%超を実現できる儲かるビジネスモデルに変えていくには、どのような方向性を考えていくのが妥当か、一緒に確認していきます。
次に、従業員が自ら考え、対話し、行動するという自走する組織に変えていくための3ステップを策定します。
2.経営者の思考(=夢)を明文化
きちんとした戦略・戦術を立てて経営をしなければ、まるで荒れ狂う大海原に羅針盤も持たずに航海しているのと同じです。景気が悪くなり、外部環境が大きく変化すると、あっという間に難破してしまいます。
昔の航海では「北極星」を頼りにして、どの緯度にいるかを測定し、「羅針盤」を使うことで航路を決定して航海していました。
会社経営においては、進むべき方向への道しるべとなる、「北極星」が「社長の夢」であり、これに一歩でも近づき、実現するための「羅針盤」が「事業未来図」です。
「社長の夢」を「事業未来図」として明文化することで、従業員が目指すべき方向が明確になり、全社一丸となって目標に取り組むことができるようになります。
3.商品&サービスの高付加価値化・高単価化路線への転換
営業利益率12%超を実現するためには、商品&サービスを高付加価値化・高単価化路線に転換していきます。
特に、我々のような中小企業では、経営資源である「人員(ヒト)」、「商品・サービス、設備(モノ)」、「運転・設備資金(カネ)」などが圧倒的に不足しているので、「高付加価値化・高単価化」で他社との差別化を図らなければ生き残れません。
4.各種戦略&方針の決定
「高付加価値化・高単価化」は競合他社との差別化を図るために不可欠であり、これができれば繁盛しますができなければ会社存亡の危機にさらされてしまうのが現実なのです。
どのように、競合他社との差別化を図り、商品&サービスの高付加価値化・高単価化をしていくのか、6W2Hで分析した上で、戦略&方針を決定していきます。
5.儲かるビジネスモデルへの着手
1〜4ステップで決定したことをベースに、儲かるビジネスモデルの構築に向けて、実際に整えていきます。
あなたの会社が解決すべき顧客ニーズを特定、商品&サービスの内容・特徴を決定するとともに、コスト構造・収益モデルを確認・決定して、新商品&新サービスを開発します。
6.属人的でない社内体制整備への着手
中小企業には大企業のような組織を回す仕組みがありません。中小企業によくあるのが、人に仕事をつけてしまうことなのです。この結果、仕事が属人化してしまい、あちこちに「●●さんにしか分からない業務や事務」といったブラックボックスができてしまいます。
そして、●●さんがいないと、業務や事務が流れずに滞ってしまうため、有給休暇の取得もままならない状況に陥ってしまうのです。このご時世で、有給休暇の取得もままならないようだと、経営者失格の烙印を押されてしまいかねません・・・
一方で、大企業では、仕事に対して人を割り当てますので、属人化したり、ブラックボックスとなることはありません。大企業と同様に、組織を回すためのマニュアルやツールなどの仕組みを整えて、誰でもほぼ同じように仕事をこなすことができるようにします。
7.自走する組織づくりへの着手
現在主流のマネジメント手法は、産業革命後の工業社会のためにつくられたものです。これまでの工業社会であれば、大量生産・大量消費が前提となりますので、生産設備をフル稼働させて、いかに労働生産性を向上させるかが一番重要でした。
このため、「いかにして従業員を「経営者の思い通り」に動かすことがテーマ」となり、「管理する組織」が求められる組織モデルだったのですが、今は「VUCA(ブーカ)」と呼ばれる時代になり、変動性が高く、不確実で複雑、さらに曖昧さを含んだ時代に変わりました。
このため21世紀に求められる組織モデルは、「従業員が「やる気に満ちる場をつくることがテーマ」となり、自ら考え・対話し・行動するという「自走する組織」が求められる組織モデルとなります。自走する組織を構築するための、心理的安全性の確保、社内制度等の改定をします。
8.儲かる商売の仕組みづくり
「儲かるビジネスモデル」に変えながら、属人的でない「自走する組織(従業員が自ら考え、対話し、行動する組織)」を構築することで、「儲かる商売の仕組みづくり」をしていきます。
具体的には、営業&販売体制、営業利益率を確保するための仕組み、キャッシュフロー経営への移行、人材を即戦力にするためのOJTなどを実施していきます。
9.事業未来構想への着手
「儲かる商売の仕組みづくり」ができましたので、これを将来的にどのようにしていくかという事業未来構想に着手します。
現状、5年後、10年後、将来像など、あなたが社長としてどのようにしていきたいのか、業績推移見込み、業務改革ステップの決定、基本方針と必要となる要素の決定などを具体的にブレイクダウンしていきます。
10.営業利益率12%超を実現し続ける仕組みづくり
「儲かるビジネスモデル」に変えながら、属人的でない「自走する組織(従業員が自ら考え、対話し、行動する組織)」を構築することで、「儲かる商売の仕組みづくり」をしてきましたが、しっかりと営業利益率12%超を実現し続けるための仕組みづくりをしなければなりません。
そのためには、①利益率の高い商品を売れ筋商品にする仕組み、②取引先を逆選別する仕組み、③新商品開発のための仕組み、という3つの仕組みに加えて、採算チェック体制を確立する必要があります。
11.ファミリービジネスの仕組みづくり
しっかりと営業利益率12%超を実現し続けるための仕組みづくりができれば、事業モデルとしては完成形となります。
今後は、完成した事業モデル以外で、新規事業を立ち上げるとともに、グループ経営に移行することで、ファミリービジネスの仕組みづくりをしていきましょう。
ファミリービジネスの仕組みづくりをしていくことで、売上高100億円〜1,000億円超の企業に成長することが可能になります。
12.5年後、10年後、社長退任まで稼ぎ続ける長期成長戦略
グループ経営に移行することで、儲かる商売の仕組みを回すサイクルを子会社にも構築・徹底します。
また、社長であるあなたの右腕となる、人材の育成の場として、子会社の経営を任せます。
キャッシュフロー経営を実践するとともに、「事業未来図」を活用したファミリービジネス構想を描き、社長退任(事業承継、M&A売りなど)まで稼ぎ続ける長期成長戦略を策定・実践していきます。
【まとめ】
営業利益率12%超を必ず達成するために必須の12ステップをみてきました。
「儲かるビジネスモデル」に変えながら、属人的でない「自走する組織(従業員が自ら考え、対話し、行動する組織)」を構築することで、「(営業利益率12%超を実現する)儲かる商売の仕組みづくり」をすることが可能になるのです。
また、ファミリービジネスの仕組みづくりをすることで、売上高100億円〜1,000億円超の企業に成長することが可能になります。
12ステップを着実にクリアすることで、「自走する組織で営業利益率12%超を実現!
「事業未来図」で儲かるビジネスモデルに変える仕組み構築法」を実践、後継者問題もクリアし、社長退任(事業承継、M&A売りなど)まで稼ぎ続ける大企業に成長させてください。
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