貴社のロイヤル顧客の基準を決定してください
飲食店経営者からいただいたご相談
「会員数は増えているんですが、リピーターが少ないんですよね。リピーターと思っていたお客様もいつのまにか疎遠になっていたりして。サービスをいろいろ考えて試してはいるんですが、なかなか定着してくれるお客様が増えないんです。」
このような相談をいただくと、機密保持契約を締結して、顧客情報に関わる資料を拝見します。顧客情報は主に、会員情報、購買履歴、アンケート用紙ですね。
この経営者はRFM分析を用いて会員顧客の最終来店日、来店頻度、売上実績は把握されていますが、どのような会員顧客の来店頻度が多いのかつかめていない。また、年に何回以上来店する顧客がお得意様なのか、いくら以上の売上がある顧客がお得意様なのか、定義も決まっていないのでした。
そこで、オーナーにアドバイスしました。
「貴社のロイヤル顧客の基準を決めましょう。」
ロイヤル顧客の基準は心理と行動で決める
貴社のファンになってくれるロイヤル顧客の基準は、購買行動と購買心理の2軸で定義します。
購買行動は、各社の業態に合わせて、累計購入金額、購入数量、購入回数のいずれかを設定します。
購買心理は、リピート購入の4要因のひとつ「心理的要因」で定めます。
さて、心理的要因はどうやって見える化するのか?
一番簡単な方法は、アンケートで
「あなたは(貴社名/ブランド名等)が好きですか?」
という設問を入れること。
好きという言葉を使うのが恥ずかしい。
いきなり好きと言われても、お客様はドン引きするのではないか?
など、多くの経営者は抵抗を感じますが、それは日頃、お客様に対して、大切なお客様としての対応をしていないということにつながります。
勇気を持って、「好きですか?」と質問してみましょう。
5段階評価のアンケートで、5「たいへん好き」に○を付けてくれた顧客が購買心理ではロイヤル顧客の域に入ります。
それでは、どうすれば5「たいへん好き」に○を付けてくれる顧客が増えるのか?
「好き」と質問するからには、その前に「好き」といってもらえるように、お客様を大切にしよう!という動きが起きてきます。
飲食店経営者のその後
このオーナーも、お客様に来店のたびにアンケートに回答していただいていますが、料理やお店の雰囲気、店員の対応だけでした。ロイヤル顧客の重要性は理解されていたので、最後に1問追加して、「好きですか?」を入れることに決定しました。
しかし、そのアンケートの導入は2ヵ月後に延期。
その前に、「好き」と言ってもらえるように店内の対応を見直したのです。
あれから3年経ちました。
今では料理のメニューが大きく変わり、店員もマニュアル的な対応からフレンドリーな対応に変わりました。何よりも、オーナーが積極的にお客様にご挨拶するようになり、料理や趣味の話題で話がはずみ、とても明るい雰囲気になりました。
もちろん業績も急上昇中で、現在2号店の構想を描いており、私は次期店長に顧客ロイヤルティを育成するリーダーシップをアドバイス中です。
コラムの更新をお知らせします!
コラムはいかがでしたか? 下記よりメールアドレスをご登録いただくと、更新時にご案内をお届けします(解除は随時可能です)。ぜひ、ご登録ください。