資金繰りで悩む社長によくある3つの誤解
「事業は順調なのに、なぜかお金が残らない…」
「月末になると、資金繰りのことが心配で夜眠れない…」
「目隠し運転で、高速道路を走っているような気分…」
いつの時代も多くの社長さんが会社経営にまつわるお金の問題を解決できずに苦しんでいます。
なぜ解決できずにいるのでしょうか。そこには、大きくわけて3つの誤解があります。
一つ目の理由としては、本質的な理解がない状態で「表面的な対処療法」に終始していることがあげられます。
今は、本当に沢山のテクニックやノウハウが溢れています。あまりにも情報が多すぎて、「何が本物の情報なのか?」がわからなくなってしまうぐらいです。
ネットや書籍などで溢れているテクニックやノウハウを実践しようと思えば、それなりに実践できる時代になっていますが、ここに落とし穴があります。
華やかなテクニックや派手なスキーム・ノウハウは、表面的・一時的・短期的には、効果が出やすいものです。ところが社長自身が財務の本質をわかっていなかったり、根本的な課題解決が出来ていなかったりすれば、むしろ逆効果です。
いつの時代も「本物」の情報、「本物」の実務、会社の未来を真に良くする取り組みというのは、地味で泥臭いものです。多くの場合、派手さや華やかさはありません。
特に、財務の実務は、本当に地味で泥臭いです。ですが、この地味で泥臭い実務をコツコツ続ける力、つまり「やり抜く力」のある社長ほど、突き抜けた結果を出すものです。
2つ目の理由は、「経営課題の優先順位」を誤解しているからです。
会社経営においては、常に「ヒト・モノ・カネ」の経営課題が存在します。多くの社長は、「売上を増やせば、潰れない会社になるはずだ…」「人を育てて組織作りをすれば、会社は潰れない…」と考え、まず「モノ」「ヒト」の問題を解決しようとします。
しかし、それは間違いです。経営課題には「優先順位」の原理原則があります。あらゆる経営課題の中で、最優先して解決しなければならないのは「カネ」の問題です。
この「カネ」の問題を解決しないまま、売上拡大や組織作りをしても、経営は苦しくなっていく一方です。
なぜなら、採用、新規事業の立ち上げ、設備投資…、会社経営におけるあらゆる取り組みをするには「お金」が必要不可欠だからです。
逆を返せば、しっかりとお金が残る仕組みになっている会社の場合、あらゆる経営課題が「お金」の力を原動力として次々と解決していきます。日々、経営の質が向上していくため、益々儲かって潰れない会社へと進化していくのです。
3つ目の理由は、「相談相手を間違えている」からです。多くの社長は、会社のお金のことは顧問税理士に聞けば大丈夫、経理スタッフがお金のことは全部把握していると考えています。
それは、間違いです。税理士は、あくまでも税金計算の専門家であって、過去のお金の流れに沿って会計処理をし、税金計算をするのが仕事です。そのため、99%の税理士は、財務に関しては専門外です。
医療の分野でも外科医と内科医とでは、専門領域が全く異なります。同じ球技でも、サッカーと野球とでは大違いです。ですから、社長は「正しい相談相手」を自らの手で探さなければならないのです。
本当の意味で社長と会社にお金を残し、社長も会社も共に豊かに繁栄していくためには、絶対的に財務の実務が必要です。大切なことは、その事実を知った上で、社長自身が行動を起こすことなのです。
社長の仕事は、強く永く続く会社づくりをすることです。
あなたは今、社長としてどんな未来をつくりたいですか?
ダイヤモンド財務®コンサルタント 舘野 愛
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