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社員に経営理念を浸透させなければならない理由

SPECIAL

ショールーム営業コンサルタント

株式会社バファローコンサルティング

代表取締役 

異色のショールーム革新経営コンサルタント。体感型ショールームの構築と独自のイベント活用型営業力強化法で、増員なしでも売上・利益2倍3倍化を実現させてしまう専門家。これまで営業現場30年以上の実務経験と100以上のショールームイベント指導で、売上伸長率150%という成功実例を次々と演出。

皆さんの会社には経営理念はあるでしょうか。会社にとって経営理念は行動指針です。したがって本来あるべきものですが、ない会社もありますし、あっても形骸化している場合もあります。

もし、あなたの会社に経営理念がないのであれば、いますぐに作ってください。そして、あっても形骸化しているようであれば、社員に理解させてください。行動指針がないのであれば、社員はどのように動けばいいか分かりません。

もちろん、新入社員として入社して仕事をしていくうちに、様々なことを覚えていきます。実際、このようにして会社の暗黙のルールや決まり事を理解していくのですが、その大元となるのが経営理念です。

例えば、ほとんどの会社にある就業規則ですが、それを読んだとしてもいちいち覚えていませんよね。そうなんです。経営理念も、「そういえばうちの会社にもあったけど、なんだったっけ?」というのがオチです。それくらい、空気というか無意識というか、忘れ去られた存在になっています。

あるコンサルティングの現場でこんなことがありました。

ある会社が新製品を開発しました。その新製品のお披露目として、ショールームイベントを開催することになりました。開催にあたって、見込み客をどのような集めるか議論になりました。

当然、既存の顧客に案内は出すものの、新製品を使って新規顧客開拓をしたいわけです。営業現場からは様々なルートの顧客を招待したいと要望があります。

しかし社長は、これまでの顧客を大切にしたいとか優先したいとの思いがあり、営業と意見がずれています。営業が提出するリストの中には、会社の方針とは異なる顧客が数多く入っています。

営業にとってみれば売れなければ仕事になりませんから、とにかく多くの顧客を名簿に載せます。「それで売れればいいんじゃないの?」というのが営業の言い分です。

しかし、社長は「うん」と言いません。営業の責任者に「ダメ」と言って突き返します。

営業は、なぜダメなのかよくわかりません。一応、社長からダメな理由を聞かされるのですが、腑に落ちません。「だったらこんなイベントやめればいいじゃない」とまで言う始末。社長と営業の間に溝ができてしまいました。

このケースは、社長の説明が悪いということもありますが、経営理念を社員が理解できていないことに原因があります。

営業社員は営業が仕事ですから、少しでも多くの製品を売ろうとして頑張っています。しかし社長の思いは、ただ単に売ればいいということではありません。

そこには地域の皆さんに支えられてきたという強い感謝の気持ちがあり、それを理解してくれない取引先には無理に売らなくてもいいという考えを持っています。これが、この会社の経営理念に反映されているのです。

コンサルティングの現場に営業の責任者も出席していたため、このようなやり取りが始まりました。営業が売ってくれるのはありがたいことですが、社長としては譲れない部分です。

双方から「先生、どう思いますか?」ということになったため、次のように答えました。

「皆さん、経営理念はなんでしたか?」
 「ホームページに出ていますよ!」

要するに、経営理念は動かしがたい考えであり、したがって、経営理念に沿った営業をすべきです。そうでなければ会社はバラバラになってしまいます。

ただ単に、売上・利益を上げればいいかと言えばそうではありません。地域とともに発展し、地域と共に生きていく。そして地域貢献ができる会社が、地域密着企業として長年愛され続けるのです。

そこを忘れていては会社は発展しませんし、売り上げが上がったとしても、それは長い目で見れば一時的なものでしょう。

あなたの会社には経営理念はありますか? 経営理念に沿った経営ができていますか?

 

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