経営者なら日常生活の中から高付加価値化・高単価化のヒントを得るべし!
「高付加価値化することで高単価を目指すという方向性は、十分に理解はできるのですが、実際にやろうとするとどのようにやったらいいのか・・・どのように考えていけばよいのでしょうか?」──とある飲食関連業の社長からのご相談です。
経営者の方からの、こういうご質問は非常に多いです。特に、中小企業では、経営資源である「人員(ヒト)」、「商品・サービス、設備(モノ)」、「運転・設備資金(カネ)」などが圧倒的に不足しているので、「高付加価値化・高単価化」で他社との差別化を図らなければ生き残れません。
理屈は十分にご理解いただいているのですが、実際にどこから手をつけていけばよいのかがわからず、このようなご質問になるのだと思います。
【業界内のフェラーリ・ポルシェを目指すために!】
「高付加価値化・高単価化」を目指そうとしても、これまでそのような視点で考える癖をつけていないと、なかなかイメージが湧かずにどうしたらいいのか考えるところで思考停止に陥る方が結構いらっしゃいます。
ご認識のように、「高付加価値化・高単価化」は競合他社との差別化を図るために不可欠であり、これができれば繁盛しますができなければ会社存亡の危機にさらされてしまうのが現実なのです。
そこで、業界内のフェラーリ・ポルシェを目指すための下地づくりとして、日常生活の中から高付加価値化・高単価化のヒントを得る簡単なやり方をお伝えします。
このやり方は、私自身が実践しているものであり、社長からご質問をいただいた際にお伝えしているものになります。
現在、流行っているものやサービスについて注目し、それが何で流行っているのか?
「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(だれが)」「Whom(だれに)」「What(なにを)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」「How much(いくらで)」という6W2Hで分析するクセをつけてください。
6W2Hでは、5W1Hの「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(だれが)」「What(なにを)」「How(どのように)」のフレームワークに、「Whom(だれに)」と「How much(いくらで)」の2つの項目がプラスされることで、より客観的に分析することが可能になります。
【6W2Hのフレームワーク事例】
例えば、先日テレビ番組で特集されていた中華チェーン大手の大阪王将の別業態では、3業態とも女性に大人気となっていました。実際に、6W2Hのフレームワークでみてみると女性に大人気になっている理由がよくわかると思います。
<鍋料理専門>
くまちゃん温泉 https://www.kumachan-onsen.jp/
When(いつ)
昼食・夕食
Where(どこで)
鍋料理専門チェーン店舗内
Who(だれが)
大阪王将(株式会社イートアンドホールディングス)
Whom(だれに)
(インスタ映えを求める)若い女性向け
What(なにを)
クマの鍋(コラーゲンと食物繊維でできた、くまちゃんの温泉)
Why(なぜ)
SNSの口コミ動画で大バズり:インスタ映えする食事を提供することで話題を提供する
How(どうやって)
クマの鍋、クマのカチューシャ・かぶり物などで独自の世界観を表現
How much(いくらで)
1人1980円〜と少し高めな価格帯
<ラーメン専門>
太陽のトマト麺 http://taiyo-tomato.com/
When(いつ)
昼食・夕食
Where(どこで)
駅前中心のラーメン専門チェーン店舗内
Who(だれが)
大阪王将(株式会社イートアンドホールディングス)
Whom(だれに)
(これまで大手を振ってラーメンを食べられなかった)若い女性向け
What(なにを)
ヘルシー志向のトマトラーメン
Why(なぜ)
言い訳できる要素満載の罪悪感ゼロでラーメンが食べられる
(厳選したトマトを3個も使ったラーメン、鶏白湯スープ、豆乳麺、チャーシューは鳥もも肉、ほうれん草の3倍のカルシウムがある江戸菜、チーズトッピングを使用)
How(どうやって)
店舗の内装なども女性が入りやすいように変更した
How much(いくらで)
メインは913円〜と安価な価格帯
<パン専門>
R Bakre http://r-baker.com/
When(いつ)
朝食・昼食・夕食
Where(どこで)
冷凍パン専門チェーン店テイクアウト
Who(だれが)
大阪王将(株式会社イートアンドホールディングス)
Whom(だれに)
(好きな時に自宅で焼き立てのパンを食べたい)女性向け
What(なにを)
冷凍パン(大阪王将の餃子の皮と冷凍技術を活用)
Why(なぜ)
焼き立てを買っても家に帰るころには冷めてしまうが、冷凍をレンジ+オーブンで温めれば家で焼き立てが食べられる
How(どうやって)
大阪王将の冷凍技術を活用した冷凍パンを家で焼き立ての味を楽しんでもらう
How much(いくらで)
生バターロール120円〜と安価な価格帯
【高付加価値化・高単価化するために】
以下の要素を取り入れることで、顧客により高付加価値で魅力的な商品・サービスを提供し、競合他社との差別化を図ることで高単価化ができます。
<ブランドイメージの向上>
ブランドのイメージを高めることで、同じ機能や性能の商品・サービスでも価値が高くなることがあります。例えば、高級感のあるパッケージやデザイン、高品質な素材の使用、有名なデザイナーの協力などが挙げられます。
<機能性の向上>
商品の機能性を高めることで、より高い付加価値を与えることができます。例えば、自動車に最新の安全装置を搭載することや、パソコンに最新のCPU技術を採用することなどが挙げられます。
<カスタマイズ>
顧客のニーズに合わせた商品を提供することで、付加価値を高めることができます。例えば、自分の好みに合わせてスニーカーのカラーを選ぶことができるサービス、オーダーメイドの家具などが挙げられます。
<ユーザー体験>
商品やサービスを使う顧客の体験を良くすることで、付加価値を高めることができます。例えば、親切でスピーディーなカスタマーサポート、使いやすいWebサイトの提供、高品質な音楽配信サービスなどが挙げられます。
<高品質な素材や職人の技術>
高品質な素材や職人の技術を駆使して作ることで、付加価値を高めることができます。例えば、日本製/国産のコードバンを使って手作りされた財布やバックなどが挙げられます。
<高性能なスペックや快適な使い心地>
より高性能なスペックや快適な使い心地など、高品質で高級感のあるものにすることで、付加価値を高めることができます。例えば、メルセデス・ベンツのAMGやBMWのALPINAなどが挙げられます。
<限定生産や販売戦略の活用>
限定生産や販売戦略などを活用することで、需要をコントロールし、付加価値を高めるだけでなく超高単価を実現することができます。例えば、フェラーリやブガッティなどの超高級スーパーカーメーカーが挙げられます。
<プレミアムサービス>
高品質な商品やサービス、優れたカスタマーサポートを提供することで、高価格帯の商品やサービスを提供することができます。例えば、TOYOTA/LEXUSブランドでの高級車、ザ・リッツカールトン京都などの高級ホテル、グランメゾンと呼ばれる高級レストランなどがあります。
<より専門性の高いサービス>
より高い専門知識やスキルが必要なサービスを提供することによって、付加価値を高めるとともに高単価化が可能となります。例えば、医療サービスや弁護士業、コンサルティング業、デザイン業などがあります。
<ラグジュアリーブランド>
高級なブランドイメージを構築し、それに基づいた高級商品を提供することで、高価格帯の商品を提供することができます。例えば、CHANELなどの高級ファッションブランド、パテック・フィリップなどの高級時計ブランド、Cartierなどの高級宝飾ブランドなどがあります。
【日常生活の中で頭をフル回転させる】
このように、6W2Hのフレームワーク、高付加価値化・高単価化するための要素を参考にしていただき、日常生活の中であなたの会社の商品・サービスを日々ブラッシュアップしていただくイメージを持っていただければと思います。
いっぺんにやろうとすると、頭が混乱して「もうやめた!」となってしまいますので、例えば、6W2Hのフレームワークなら8つの要素のうちの1つだけを変えてみると、どのような商品・サービスが考えられるか?
高付加価値化・高単価化するための要素であれば、このうちの1つを取り入れるとすればどのような商品・サービスが考えられるか?など、少しづつトライしてみてください。
頭の体操・活性化になりますので、いつまでも元気で若々しくいられるだけでなく、若い社員たちとの話題にも事欠きません。
商品・サービスの高付加価値化・高単価化は、我々のような中小企業の生命線ですので、経営者として常に考える必要があります。是非とも日常生活の中で実践していってください。
【まとめ】
以上、高付加価値化・高単価化について、6W2Hのフレームワークと顧客により高付加価値で魅力的な商品・サービスを提供するための要素を例示しましたが、あなたの会社の場合にはどのようなものが適していますでしょうか?
要素として、ご説明している内容は一般的なものをお示ししていますので、あなたの会社に合った要素を見つけ出してください。
これまでみてきたように、「6W2Hのフレームワーク」でターゲット顧客や提供する商品・サービスを明確にしながら、「顧客により高付加価値で魅力的な商品・サービスを提供するための要素」を取り入れていくことで、「高付加価値化・高単価化」ができるようになるのです。
なお、フレームワークの使い方や取り入れるべき要素などがわからない・イメージが湧かないということであれば、いつでもご相談いただければ幸いです。
あなたは、自社の商品・サービスを「高付加価値化・高単価化する」という命題を、常に頭の中で考えるように努力をしていますか?
最高経営責任者であるあなたが、自社の商品・サービスを「高付加価値化・高単価化」していかなければ、会社の発展はありません。時間の経過とともに陳腐化して、安い単価での過当競争に巻き込まれていくことになるのです。
経営者として、息をするのと同じように「高付加価値化・高単価化」について、日常生活の中で考えるクセをつけていきましょう。
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