【管理】とは何か? ~アジアビジネスで継続的な成果をあげるために~
「マネジメントとは組織をして成果をあげさせるための道具・機能・機関のこと」 とは知の巨人、ピーター・ドラッカーの言葉です。「管理」の英訳の1つはManagementですが、皆さんが普段「管理」という言葉から想像されるイメージと、このドラッカーの定義とは少し乖離があると感じられるかもしれません。しかし、この定義は本質をついていると言えます。当方がこれまでのビジネス経験・支援経験から独自に考える「管理」には、【R・C・Mという3つの側面】があります。
まず1つ目の側面は【Rule(ルール)作り】です。管理される側と協力して物事を進めるには、まず双方の合意が必要です。この合意がなければ、単なる「押し付け」となり、管理される側に必ずやらされ感が生まれてしまいます。
次に2つ目の側面は【Check(チェック)】です。せっかく両者で合意したルールがあるにもかかわらず、定期的に確認されないのであれば上手く機能しません。管理される側も生身の人間ですから、真面目にルールを守っていることを承認してもらう機会がないなら面白くないでしょう。
最後の3つ目の側面は【Monitoring(モニタリング)】です。新たなルールが守られる土壌が構築できても、それを継続しつづけることが重要です。そのためには、定期的な確認(Check)で明確になった課題を未来にフィードバックしていくための仕組みが必要となってきます。その時に重要な視点は、「管理する側・管理される側双方にとってプラスになるような仕組みを構築すること」です。
上記では一般的なお話を書きましたが、これは「アジアビジネス」に関しても同じことです。最近、アジア市場進出済みの企業の方から「進出したものの、現地で何が起こっているのか?について『タイムリーに』そして『充分には』分からない。よって、次の一手が打てない」というご相談を多く受けます。その際に必要なことも上記の【R・C・Mという3つの側面】で考えることなのです。また、最初の【Rule(ルール)作り】を可能な限り「準備段階(進出前・進出時)」に行っておくことが望ましいとお伝えしています。
貴社のアジアビジネスの現状は「どの段階」でしょうか? 継続的な成果をあげ続けるために必要なのは、「なるべく早い段階で、現地情報を把握・管理できる仕組みを本社に作り上げて導入すること」です。新年度(4月~)を迎えるにあたり、一度ゼロベースで「管理」について考えてみては如何でしょうか?
コラムの更新をお知らせします!
コラムはいかがでしたか? 下記よりメールアドレスをご登録いただくと、更新時にご案内をお届けします(解除は随時可能です)。ぜひ、ご登録ください。