その定例会議は必要ですか?
世の中には、出ていて苦痛な会議が山ほどあります。目的のない「定例会議」などはその最たるものです。議題めいたことは設定されていますが、始まってみれば、声の大きい話好きな参加者がダラダラと話し続け、中身のない時間が過ぎていきます。さらに今決めなくてもいいことについて的外れの議論を延々と続けます。
とにかく苦痛なうえに得るものが何もない。とはいえ、立場上出席しなければならない。だったら、何とか改善させようと色々と提案しても結局は元に戻る。皆さんもご経験があるのではないでしょうか。
「業績が低い会社ほど、会議の時間も長い」と言われることもあります。時間の無駄遣いは人生の無駄遣いです。個人的な肌感として、公的な組織になればなるほど、無駄な会議や仕事が多くなります。彼らは収益性や生産性を考えなくてもいいからです。
一般的な会社でも、無駄な会議が多ければ多いほど業績は悪い。事前の情報共有で済む話が、大半のメンバーが会議で初めて知り、謎の議論が始まる。結局何も決まらず、唯一決まるのは次回の日程。
私に言わせれば、会議を情報共有の場に使うのはまったくの無駄です。即刻やめた方がいいと思います。会議の最大の目的は「意思決定」です。この目的がない場合、基本的に会議をする必要はありません。
何を決めるのか、事前に参加メンバーに通知し、前もって考えさせる。可能であれば各自の意見も事前に共有しておき、議論の下地を整えておく。会議当日はファシリテーターが場づくりを行い、発言を促し、論点がズレないように軌道修正を行う。
会議の終盤には必ず意思決定(誰がいつまでに何をやる)を行い、時間内に終了させる。ちなみに、諸説ありますが、ブレーンストーミングのようなアイデア出しの会議はアイデアが削られたり、そもそもアイデアを出しにくい状況を招くことも多く、個人がバラバラにアイデアを出した方が質も上がり数も多くなる研究結果があるそうです。
つまり、皆が顔を突き合わる会議は、意思決定に関わる合意形成プロセスの場であるということです。何だか当たり前の結論になってしまいましたが、日常的に会議に参加していると忘れがちになります。
定例会議すべてが無駄とは言いませんが、その大半は無駄だと私は考えています。経営者の皆さん。まずは会議の時間を合算してみましょう。その多さに驚かれるかもしれません。そして人件費に換算するとどれくらいの損失なのか。その時間を活用すれば何が生み出されるのか。ぜひ一度考えてみてください。
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