海外事業における「両利きの経営」~【安定は停滞!】~
目先の安定だけに集中する企業は、そのうちに消える.. ベストセラー書籍「両利きの経営」でも触れられているように、企業は目先の収益のために「【深化】(既存の物事を深掘りし、磨き込んでいく活動)」に偏った行動を採ってしまいがちです。特に、これまでの成功体験があり、社会的信頼がある企業ほど新たな視点から物事をみることを怠りがちです。外部世界の潮流を認知することができず、気がついた時には競合や新参企業から大きな遅れが発生.. 職業柄、既に「万時休す」の状態に陥ってしまった企業を多く目にしてきました。
このような「悲劇」を回避するには、どうすればよいでしょうか。企業および経営者の皆さんは、目の前にあるものだけで世界が構成されていると考えがちです。この「狭い視野」を広げない限り、イノベーションや新しい価値は生まれません。すなわち、不確実性があり、初期投資もかかる「遠くに認知を広げていく行為(【探索】)」が必要です。誤解していただきたくないのは、当方は「既存ビジネスをないがしろにして新たな領域に展開しろ!」と言っているのではありません。「盾(守り)である既存ビジネスも深化させていきながら、矛(攻め)である新たな領域への挑戦を探索していかなければならない!」とお伝えしています。盾(守り)と矛(攻め)をバランスよく使いこなすことが極めて重要なのです。
国内市場が縮小する中、海外ビジネス展開を真剣に目指す企業にも同じことが言えます。これまでの成功体験に固執するあまり、既存市場(日本国内や一部の展開済み地域)に対して「のみ」、金や人の投資をしている企業が大半です。この資源配分を変更するという「大きな決断」は担当者にはできません。できるのは「リーダー(経営者)」だけです。VUCA(ブーカ)とも言われる将来予測が困難な今こそ、「(時空を超えた)広い視野」でのリーダーの英断が必要なのです。「安定は停滞!」と肝に銘じ、【盾(守り)と矛(攻め)のバランス】について改めて考えてみてはいかがでしょうか?
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