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価値の言語化

SPECIAL

社内独立店開コンサルタント

株式会社ストアブレインコンサルティング

代表取締役 

経営コンサルタント。アパレル、小売、飲食チェーン指導などに強みを持ち、店長再生から店舗最盛へとつなげていく独自の「社内独立店開」手法を指導する専門家。
自らは店舗を持たない「販売・運営」に特化した経営スタイルに、多くの異業種経営者、店長が注目。路面店から百貨店、都心型SC、郊外型ショッピングモール…など、多様なチャネルで成果を上げ、店舗の強みを引き出す天才と称されている。

先日、とある飲食店の視察(覆面調査的な)に行ってきました。ジャンルとしてはカフェレストランになるでしょうか。かなり広い空間に、飲食スペースとテイクアウト商品、物販コーナーがあります。建物自体はまだ新しく、オープンしてそう時間は経っていない印象です。

周囲には様々な店舗が立ち並び、飲食する際の選択肢(ライバル)は多い方だと思われます。昼時だったので、そこそこ多くのお客が看板のメニューなど見ながら、どこにするか迷っている様子でした。

私は目的があってこのカフェレストランに来店しましたが、ここは周囲の店と比べて結構高めの値段設定です。1.5倍から、ものによっては2倍くらいあるでしょうか。どの商品も総じて高めだと感じる値段です。おそらく値段の高さがハードルとなり、入店をためらうお客も多いでしょう。

この日は平日で、私が入った店は広い店内に数組のお客。かなり寂しい印象です。加えて、スタッフも少数で活気がありません。入店後、スタッフよりオーダー用端末が渡され、水はセルフで‥と説明があったきり、奥に戻っていかれました。コロナ禍で仕方がないこともありますが、ここで少し値段とサービスのギャップを感じました。

しばらくたって料理が出来上がり、テーブルに置いていかれましたが、特にこれといった説明もなくすぐに戻られました。結構特徴的な料理だったので、何か説明があればな…と感じました。味についてはいい素材を使っていることもあり、美味しかったと思います。

食べ終わり、お会計をしてから物販コーナーを見てみます。オリジナル商品が並び、ブランディングには気を使ってそうです。ただ、やはりお客はほとんど入っていません。

外観や内装などハード面に関しては、おしゃれな店で清潔感もあり、空間も広くて快適でした。料理自体も地元産の良質な素材を使ってこだわりがありそうです。ただ、サービスや演出が今一つです。提供される料理やドリンクの値段の高さが悪い意味で際立っています。

つまり、価値を伝える努力が足りていないのです。その値段である意味がお客にはわからない。どう考えても高い。下手をすれば「ぼったくり」と思われる可能性もあります。

価値が伝わらなければ、誰も価値を感じてくれません。さらに伝えるだけでなく、その価値を相応に演出しなければ、感情は動かされないのです。「感情が動かない」とどうなるか。100%お客はお金を出してくれません。

ちなみに私は「価値の3原則」を定義しています。有用性(求める成果が得られる)、希少性(他では手に入らない)、関係性(信用・信頼)です。3原則をそれぞれ高め、具体的に言語化すれば価値は伝わりやすくなります。

そして重要なのは、「誰に対して言語化するのか」です。これは当然ですが、顧客になってほしい人に向けて言語化します。つまりターゲット。今回訪問したカフェレストランは、そもそも誰に来て欲しいのか、商品やサービスの価値は何か、まったく伝わってきませんでした。それに加え、相対的な値段の高さが客足を遠ざけます。

経営者の皆さん。あなたの会社が提供する商品・サービスの価値は何でしょうか。お客はその価値を自分からわざわざ探してくれません。価値を伝えることも含めての商品やサービスです。「価値そのもの」や「価値の伝え方」を今一度見直してみましょう。

 

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