ナンバー2のあなたへ
当社のコンサルティングは経営者に対してオリジナルの指導内容をお届けすること、というのが原則なのですが、業容によっては副社長や専務取締役など、いわゆるナンバー2の方々が受講されるという場合も出てきます。典型的中小企業から脱却し、売り上げは100億円を超え、組織も充実した中堅企業だと、経営トップの仕事もナンバー2と分担するようになる場合が少なくないからです。
コンサルティングの目的は最終的に企業が生き残れて成長することに尽きるので、経営関係者すべてに共通する内容ではあるのですが、コンサルティングを受けて何かを変えようとする場合に、経営トップとナンバー2ではそのプロセスに微妙な違いが生じることがあります。
それが経営トップであるならば、コンサルティングを受けて「なるほど」と思ったことをそのまま実行すれば良い、ということになるのですが、ナンバー2の場合には多少ややこしい事情が生じる場合があります。
よくあるのが、「ナンバー2の自分は良いと思ったのに、経営トップに上げたところで話が潰れてしまった」というようなパターンです。特にナンバー2が経営トップの子供など、後継者候補とされているような場合にこのパターンがしばしば見受けられます。
ナンバー2としては仕方なくコンサルタントへのフィードバックを通じて、第二案の作成へと舵を切ろうとするのですが、この段階でぜひ心掛けていただきたいことがあるのは、「経営トップのメッセージを見誤ることなく、100%コンサルタントと共有していただきたい」ということです。最も確実なのはコンサルタントを入れて経営トップと意思確認のための打ち合わせを行うことです。
経営トップとナンバー2の間には、外からはうかがい知れない強い結びつきがあります。二人の間で交わされるコミュニケーションでは、言わずとも通じる部分は当然ながら省略されてしまいます。しかしながらコンサルタントとしてはその部分もしっかり拾っておかないと、第二案を作り込む段階で思わぬ方向性のズレを生んでしまうことになりかねないのです。
普段からこのようなズレを引き起こさないために、ナンバー2には経営トップの心情を普段から正確に理解することを心掛けてほしいのですが、それが後継者の場合だと往々にして「先代と違う何かを志向する」というような傾向が強くなり、ひいてはコミュニケーションのズレにつながるというような構造をむしろ増長させてしまうことがあります。
このコラムを読んでいるあなたがもしも組織のナンバー2であり、さらには事業後継者の立場にいるとしたならば、この点にはぜひ気を付けていただきたいと思うのです。経営トップとナンバー2が密度の高いコミュニケーションを心掛ける組織であってほしい。そんな気持ちで当社は経営者とナンバー2を、いつも全力で支援しています。
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