組織を動かせるリーダーと、動かせないリーダーの見分け方とは?
Zホールディングス(HD)からインターネット動画配信サービス「GYAO!(ギャオ)」を3月31日に終了すると発表がありました。
かつては様々な動画が無料で見れるからと2008年7月16日に視聴登録者延べ2000万人を突破するなど人気を集めていた前例の無いビジネスでした。
そんな前例の無いビジネスのマネジメントには既存のビジネスよりも恵まれた面があります。それは従業員が感じる期待感です。
マネジメントする側は、特に何もしなくとも「私達はきっとすごい未来を創造できちゃうのでは?」「そうなったら世間から注目されるかもしれない」という期待を抱いてもらいやすく、その効果は仕事の精度、スピードに常にプラスの効果として響いてきます。
前例の無いビジネスに真っ先に飛び込んだ、ある社長がおっしゃいました。
「伊東さん、私達が県内初出店した時は、求人広告を出そうものなら1日30件以上の電話がありましたよ」
「だから電話越しの言葉遣いがなってなかったら、その時点で即アウトにしてましたね」
その効果はすさまじく、社内のみならず社外にまで作用するケースもあります。
世の中にすでに存在している事業のリーダーから見る「前例の無い事業」は非常に魅力的に見えます。
リーダーの中には次から次へと今までに無い事を始めて「うまくみんなのヤル気を引き出せないか?」と挑戦を繰り返す方も社内に現れることでしょう。
こういった行為を繰り返すリーダーを会社のトップからすれば、一見「お?がんばってるな」と精力的にも見えますが、それで組織を動かせるか? そして結果を出し続けられる状態にできるかどうか? それは全く別問題です。
店舗ビジネスにおいて、各リーダーのマネジメントが結果につながる形となっているか? ブレていないか?の確認は重要です。
もし、それがブレてしまっていたら、問題を発見した時点ですぐに軌道修正しなければ「上手くいくと思ってやったら失敗しちゃいました」となってしまいます。それが繰り返されますと会社の業績は低迷し、全従業員を危険に晒してしまう恐れがあるからです。
では、組織を動かせるリーダーと、動かせないリーダーをいち早く見分けるには? そのポイントはどこにあるのか?と問われた時、1つ挙げますと、
「そのリーダーが何に対してアプローチしているか?」 です。
まず、結果を出せないリーダーがアプローチしているのが何か?と言いますとそれは「組織全体」です。 どうしたら組織全体を一気に動かせるか? 彼らは短時間で決着をつけたいと行動します。
そんなリーダーの具体的な言動を挙げますと
・発信対象は常に全体向けのみで、個人向けがほとんど無い
・個人の困りごとに向き合おうともせず、解決にも消極的で放置も多い。
・個人と距離を置きたがる
・やり取りはメールや書面ばかり
・忙しさのアピールに必死。「君ひとりには時間を取れないよ」オーラをまとっている
一方、皆のヤル気を引き出せて、結果を出し続けられる組織をつくれるリーダーは 何に対してアプローチしているか? それは「個人」です。
そんなリーダーの言動の例を挙げてみますと
・時間があれば個人と向き合っている
・一人の為に全力を尽くしている
・困った時にはいち早くかけつける
・やり取りは「直接」にこだわる
・いくら忙しくても「君のためならいくらでも時間を取るぞ」という優しさが伝わってくる
なぜ後者が組織を動かせて、前者が組織を動かせないのか?
その理由は説明するまでもないでしょう。
『貴方はどちらのリーダーについていきたいですか?』
その返答自体が答えだからです。
世の中にはメディアが取り上げたがるほどのカリスマと呼ばれるリーダーが存在します。
一見すると彼らの一言で組織、つまり「全」が動いているように見えます。
しかし、厳密にはそうではありません。
正しく表現しますと、彼らは「全」を動かそうとしているのではなく、個を一人でも多く動かそうとしているのです。
そしてその結果、他のリーダー達よりも多くの「個」を動かせているから、外部から見ると「全」が動いているように見えるだけなのです。
危険なのは、それを見た目だけで判断し「全」を動かそうとする行為です。
その一つに挙げられるのが「今までに無い新しいことをすれば、皆が一気に変わるんじゃないか?」です。
こういった兆候を見せるリーダーが現れたら要注意です。
組織全体がおかしな方向に向かってしまわないよう、従業員はもちろん、各リーダーの動向には常に注意を払わなければなりません。
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