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時代に合致した「自走する組織」で創造性を羽ばたかせろ!

SPECIAL

銀行活用で新規開拓コンサルタント

株式会社結コンサルティング

代表取締役 

銀行活用で新規開拓の仕組みづくりを行うスペシャリスト。31年間の銀行員経験で、法人4,000社以上を担当、審査部担当者としての企業審査は1,000社超の実績を誇る金融のプロフェショナル。
売上が倍増した雑貨メーカー、バックメーカー、新事業を立ち上げた化粧品メーカー、更には海外進出に成功した事例など、累計で100社以上の会社を成功に導いた実績を持つ。

「会社の組織づくりですが、なかなか一筋縄ではいきませんね。昨年末も、若い社員が自分探しをしたいという理由で辞めていきました。元気を出すようにハッパをかけたのがいけなかったのでしょうか?最近の若い世代がどう考えているのか、さっぱりわからなくなってしまいました・・・」──とある精密機械製造業の社長からのご相談です。

この社長に限らず、経営者の方であれば、社内の組織づくりでご苦労されている方が最近特に多くなってきているように感じています。感覚的に現在のマネジメント手法は「管理する組織」がベースになっており、それがうまく機能しなくなってきていることが肌感としてお分かりなのではないでしょうか?

結論から申し上げると、これまでの「管理する組織」では、現代の知識社会では組織として機能しないだけでなく、Z世代の若者にこれを強要した時点で悪影響しか及ぼさないのです。これからは、「自走する組織」をいかにしてつくっていくことができるかがポイントになります。

少し理屈っぽくなってしまいますが、現在主流のマネジメント手法は産業革命後の工業社会のためにつくられたものです。これまでの工業社会であれば、生産設備をフル稼働させて、いかに労働生産性を向上させるかが一番重要でした。このため、「いかにして従業員を「経営者の思い通り」に動かすことがテーマ」となり、「管理する組織」が求められる組織モデルだったのです。

しかし、我々を取り巻く環境は、バブル崩壊後大きく変化しました。

IT革命によって産業構造が劇的に変化し、新型コロナウイルスによってこれまでの常識が通用しなくなってしまったといっても過言ではありません。

今は「VUCA(ブーカ)」と呼ばれる時代であり、変動性が高く、不確実で複雑、さらに曖昧さを含んだ時代になったのです。我々中小企業経営者が認識しなければならないのは、産業革命後の工業社会から、このような情報革命により知識社会へ時代が変化してきていることなのです。

このような時代の変化とともに、世代間ギャップも考えなければなりません。

ご存じのように、X世代(1960-79生まれ、高度成長と資本主義・能力主義の全盛期)、Y世代(1980-95生まれ、グローバル化と社会経済の安定期)、さらにはZ世代(1996-2012生まれ、デジタル化、イノベーションと格差/分断の時代)と、それぞれ生きてきた時代背景が大きく異なります。

特に、Z世代の考え方は、「複数のアイデンティティ」、「多様な価値観」、「理想と現実のバランス」などがキーワードになっており、「ソーシャルシフト(=他人との関係性が変わる)」した世代なので、これまでのような「いかにして従業員を「経営者の思い通り」に動かすことがテーマ」の「管理する組織」ではコントロールできないのが当たり前なのです。

そうです。時代は着実に変わってきているのです。

バブル全盛期では、滅私奉公して馬車馬のように働くことが美徳とされ、日本独自の終身雇用などと相まって「企業戦士」などという言葉も持て囃されました。テレビコマーシャルでも、「24時間戦えますか?!」などというキャッチコーピーが使われていました。現代であれば、間違いなくブラック企業に認定されてしまいますが・・・

ところが、知識社会では知識労働者が最重要の資産となり、従業員全体の知的生産性をいかにして向上させるかがメインテーマとなります。このため21世紀に求められる組織モデルは、「従業員が「やる気に満ちる場をつくることがテーマ」となり、自ら考え・対話し・「自走する組織」が求められる組織モデルとなります。

結果を従業員評価の基準ではなく、自ら考える機会と捉えるとともに、心理的安全性を確保することで顧客第一主義を実現する土台をつくるのです。

その上で、経営者であるあなたが「社長の夢」を実現するために組織全体で対話を促しながら、仕事はやらされているのではなく、自己実現と価値創造の機会と従業員の幸せを追求することで「自走する組織」ができるのです。

コロナ禍で、リアルだけでなく、オンラインでの勤務が当たり前の時代になりました。そのため、これまでのように管理する組織だと、いろいろな不都合が生じます。

きちんと働いているのかどうか、上司が部下を管理する手立てがないので、パソコンにちゃんと向かって入力している時間を計測してみたり、メールのやり取りの相手が誰かを特定してみたり、必要もないのに会議を開催したり、報告を求めたり・・・

とても知識社会で知識労働者の能力を最大限に活用する環境とは考えられません。
前時代的な管理する組織は、リアルで勤務することが前提であり、上司の命令は絶対で部下は従うものとなっていますが、21世紀では部下が上司を選ぶことが可能と言っても過言ではないのではないでしょうか?

というのも、その会社の社風や組織が前時代的であれば、今回ご相談いただいた社長の若者のように、もっと働きやすい会社に転職すればいいだけですし、あまり管理がひどいようであれば、○○○ハラスメントなどとして訴えることも可能なのですから・・

実際、バブル崩壊以降、管理職が多用していた「飲みニュケーション」などは、現代の若者には全く通用しません。「仕事であれば、時間外勤務をつけさせていただきます。」と言われることにしかならないのです。

もう、トップダウンで成果を上げられる時代ではありません。

従業員は良い仕事をして、社会や会社に貢献したいと思っています。それにもかかわらず、経営者のあなたがそう思えないのは、無理に結果をつくろうとして、失敗の循環に陥っているからではないでしょうか?

無理に結果を求めることで、トップダウンの強制が増えていくとともに、ストレスが溜まり、人間関係が悪くなっていきます。その結果、疑心暗鬼に陥り、他の従業員・同僚などに無関心になるだけでなく、行動が消極的になり、協働も進まなくなります。それにより、結果が落ち込み、さらに達成圧力が強まるという悪循環に陥っていることが多いように思います。

人間の基本的な心理的欲求として、次の3つの心理的欲求が満たされると、人間には強い内発的な動機(=やりたい)が生まれます。経営者は、この心理的欲求を深く理解し、適切な環境をつくることで協働の意欲を生み、価値を作りだすことではないでしょうか?

①自立性:自分自身で選択して行動したい
 ②有能感:自分が有能であると感じたい
 ③関係性:人と理解しあい、支えあっていると感じたい

なお、この3つの心理的欲求が満たされる前提として、「心理的安全性」が確保されている必要があります。「心理的安全性」とは、組織の中で自分の考えや気持ちを誰に対してでも安心して発言できる状態のことです。組織行動学を研究するエドモンドソンが1999年に提唱した心理学用語で、「チームの他のメンバーが自分の発言を拒絶したり、罰したりしないと確信できる状態」と定義しています。

また、Google社が2012~2015年までの4年間に行った生産性向上のためのプロジェクト「プロジェクトアリストテレス」のプロジェクト研究成果として、チームや組織の生産性向上には心理的安全性が重要であるということが結論付けられ、世界中の企業が心理的安全性に注目するようになったのです。

私自身も、銀行員として勤めていた30代に、伝説の支店長に仕えた際、ムチャクチャ厳しかったですが、この「心理的安全性」が確保されている状況を経験させていただき、「自走する組織」のチームリーダーとして顧客第一主義を実現しながら、驚くほどのチームワークで目標を軽々とクリアしたことがあります。

だからこそ、中小企業のオーナー社長には、是非とも「心理的安全性」を確保していただき(これはオーナー社長にしかできません)、従業員が一丸となり顧客第一主義を実現しながら、「自走する組織」で活躍する成功体験をさせてあげてください。

自分の会社にこんなにいい人材がいたのか・・・(涙)
と目を見張るばかりの活躍をご覧いただけるはずです。

これこそが、経営者の醍醐味ではないでしょうか?!

あなたの会社では、どのような組織で運営されていますでしょうか?

いまだに、「管理する組織」で運営されているようであれば、「自走する組織」の大前提である「心理的安全性」を確保することで、「自走する組織」の下地づくりからはじめてみませんか?

 

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