成人の日に、人材のことを考える
今年は1月9日が成人の日でした。法改正により成人は18歳からとなったのに、飲酒喫煙ギャンブルは相変わらず20歳からと、年齢による線引きがやや複雑になったため、「成人の日」といってもその意味合いは若干焦点がぼけたようなところがあります。
以前と変わらず、各自治体は20歳になった若者たちを対象に「二十歳の集い」などのイベントを開催しています。高校を卒業して2年、初めての同期会をするにはちょうど良いタイミングなのかもしれません。テレビではお約束の振袖ショール姿の若者たちが集まる様子が映っていました。
そうやって一日だけスポットライトを浴びる彼らはまた、Z世代と呼ばれる若者たちでもあるわけですが、経営者としてZ世代を考えるには、二つの切り口があると言えます。一つは顧客として、今一つは会社を支える人材として。今日は人材としての新成人についてのお話です。
大学で教えていて感じることですが、人材としてのZ世代は明らかにそれまでの若手人材とは異なる思考回路を持つようです。就職先にこだわるのではなく、やりたいことを追求する姿勢にこだわること、会社に入ったからといって人生が変わるとは思わないこと、その割にひどく自信なさげなこと、かといってそれを悩むふうでもないことなど。
物事にこだわりがなく、一見するとコミュニケーションも円滑な分だけ、企業経営者からすると以前よりは扱いやすくなってきたと言えるのかもしれません。他方で少子化に加えて若手人材向け転職市場の整備が進み、30歳以下の人材について争奪戦が激しくなっていることも注目すべき変化でしょう。
そんな人材をどうやって確保し、どのように動機づけて何を期待するか。企業経営者にとっても解決策が見出しにくい課題のひとつではないかと思います。
先ほども書きましたが、彼らについて私はこれまでの世代と比べて「やりたいことを追求する姿勢にこだわる」という点が特徴なのかなと感じています。すでに大学時代から何かを見つけている人材については、それを尊重してあげることで「姿勢」を大切にするという利点を提供することができるので、むやみな転職に志向が働きにくくなる、という点は言えると思います。
具体的には、学生時代からの研究をそのまま続ける、あるいは研究の延長線上にある業務に従事させる等の配慮があるわけです。そうすることで若手人材からすると長時間のコミットメントが尊重され、好きなことを続ける環境が得られるので、転職など考えづらくなるというわけです。
以上は技術系の社員であればある程度通じる手法ですが、では事務系についてはどうか。こちらは逆に、整備された若年層転職市場を上手く活用して、転職者の出入りに備えた制度設計を整えておくことをお勧めします。出戻り歓迎、というような会社も最近は珍しくなくなりました。
長期の人財戦略に真剣に取り組もうとする経営者を、当社はいつも全力で応援しています。
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