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変革が進むと共通して起きる「管理者不在」の問題。それに対して社長はどう動くべきか!

SPECIAL

年商10億事業構築コンサルタント

株式会社ワイズサービス・コンサルティング

代表取締役 

指導暦18年、これまでに200社以上の実務コンサルティング実績を持つ経営コンサルタント。「10億円事業構築」に強みを持ち、直近5年では、導入後数年で年商数億が10億越えをした企業は20社以上と驚くべき成果を出している。

K社は、創業から20年以上、「相手の課題や要望を聴き、提案し設計、そして、製造する設備業」をやってきました。

K社長は、この事業モデルの限界を感じ、その変革に取り組みだしました。1年と数か月が経ち、ようやく設備メーカーになる道筋が見えてきました。

しかし、この段階になると新たな問題が見えてきます。

この時のK社には、社員が25名いました。
そして、設計部と製造部には、それぞれ部長が居ます。

K社長は、「管理職者の役目」の資料から顔を上げ言われました。
「今いる彼らは、管理者では無いということですね?」
管理者がいないという問題に気づいた瞬間です。


企業活動において、『組織の機能』とは、大きくは以下の二つになります。

一つは、「目標達成」です。
集客、営業、製造、そして、経理や人事、それらすべてに何かしらの目標があります。
それを達成するために方針を決め、計画を立てます。そして、それを行動レベルの指示まで落とし、構成員に与えます。その進捗を確認し、計画通りに進まなければ、再度方針と行動指示を出します。その結果、なんとか目標が達成されます。

もう一つは、「仕組みの改善」です。
上記の「目標達成」に取り組んでいると、多くの問題が起きます。その時には、「対処」と「対策」に弁別されることになります。「対策」が必要となれば、イコール「仕組みの改善」となります。再現性、そして、効率性を、この先も得られるように、仕組みの改善を行います。

この「目標達成」と「仕組みの改善」こそが、『組織の機能』になります。
これらの働きを、システムや外注業者に期待することはできません。その時々に、警告やアイディアは提供してくれるかもしれませんが、その機能の主体者は、あくまでも「自社」であり、「自社の構成員」になります。

組織は、ある方向性(理念や事業定義、そして、大方針)を持って「目標達成」と「仕組みの改善」を繰り返すことになります。
それが有って初めて、企業は、生き残ること、そして、発展成長することができるのです。
逆に、この機能が無ければ、その多くを「社長」が抱えることになります。その状態は、「組織が無い」と表現されることになります。

会社の中において、この機能を担う中心が、管理者になります。
主任と課長と部長、其々が担う目標の重さや範囲(時間・人)は違うものの、その業務の核は、「目標達成」と「仕組みの改善」になります。

彼ら管理者の存在意義は、この二つへの貢献になります。当然、評価もこれに照らし合わせて行われることになります。

この二つの達成の過程で、次のような動きも必要になります。
「チームの協力体制の維持」、「部下の業務と心のフォロー」、「部下の戦力化および教育」、「上下への報連相」、「他部門との調整」。
しかし、これらの物は、あくまでも「目標達成」と「仕組みの改善」を達成するうえで必要になるものです。そして、その二つの達成の過程で成られるものとなります。

(偶に、この二つ(または一つ)が欠けている評価表を見ることがあります。それは完全に不整備となります。本人への意識付けのためにも、この二つだけは、入れる必要があります。)


この「目標達成」と「仕組みの改善」に貢献できる人材を「上」にあげることになります。
一般社員の中から、ここに貢献できる人材を選びます。
それは、普段の「様子」を観ることで容易に判別することができます。

まれに「管理者に適任かどうか判別ができない」という経営者がいます。
その原因の一つは、「経営者自身が管理者の役目を明確に理解していない」ことが予測されます。評価軸を持っていないから評価できないのです。「目標達成」と「仕組みの改善」の基準は、そらで言えなければなりません。

考えられる原因のもう一つが、「与えていない」ということです。
次の管理者を育てるために、一般社員(作業層)の時から、それらに関する仕事を与えていきます。「改善提案の提出」、「マニュアルの素案の作成」、そして、「OJT担当者」。これらを与えることで、教育をしていきます。それと、同時に、その社員の管理者としての適性を観ます。
その適性を判別できないという会社では、これらを与えていないのです。

人事は賭けであってはいけません。また、期待で役職に就けることもありません。与えてみた結果の「実績」を観るのです。そこに、管理者としての『片鱗』が見られることが絶対の条件になります。

(この「与えること」を間違っても、「社長」が行ってはいけません。あくまでも、会社の仕組みとして行うのです。その仕組みをつくることが必要です。詳しくは、私の著書(青)を参照ください。または、来春の新書出版までお待ちください。)


K社長は、手元のコンサルティングの資料から顔を上げました。
「先生、我社には、ここに書いてある管理者の仕事をやっている社員は、一人もいません。」

自社には、「管理者がいない」ということに気づいた瞬間です。

この時のK社は、事業モデルの変革が終わり、急激に仕事が増えてきていました。いままでのような「相手の要望をヒアリングして、それに対し企画提案する」という案件も減ってきました。その替わり「御社のこれをくれ」というものが増えてきたのです

それに合わせ、社長の時間も空いてきました。それらのヒアリングからの企画提案のほとんどを、社長自身が担ってきたのです。その業務が減っているのです。

しかし、その一方で、問題も多くなってきます。社員に任せた分、問題も多くなってしまったのです。この時には、社長も仕組みの重要性を十分に理解していました。もっと早くから手を付けておけばよかったという後悔の念もありますが、今更仕方がないことです。

問題が起きるたびに、仕組化に取り組みます。管理表を見直したり、マニュアルを起こしたりします。それの繰り返しです。
それにより、少し楽になってきましたが、思ったほどの効果はありません。
相変わらず、社員は指示を求めてきます。また、間違った判断をし、お客様からのクレームが続きます。

その状況を矢田に相談しました。すると、テキストのあるページを開くように言われました。その説明を受け、気づいたのでした。「我社に管理者がいない」ということに。

設計部、製造部、それぞれに部長がいます。
しかし、彼らは、管理者ではなかったのです。管理者の役職は付いているものの、管理者としての働きはしていません。
依頼したことは、真面目にやってくれています。また、業務が多い時には、夜何時までかかってでも仕事を納めてくれます。当てにできる存在です。

その動きは、管理者のそれではありません。熟練作業員、熟練社員のそれなのです。
部下の案件の進捗や品質を積極的に管理することはありません。それは、社長が行ってきました。また、マニュアルを作ることも、業務の改善案を出すこともありません。これも、社長なのです。

この規模になり、いよいよそれでは、どうにもならないようになっていたのです。
各現場が正しい判断をすること、各部門が受け持ちの仕組みを改善すること、それが必要になっていたのです。その中核となる管理者が必要なのです。

落胆するK社長に、私は補足をしました。
「それだけ、会社は変わったのです。」

昔と今のK社では、必要となる人材が違うのです。
いままでのK社では、「依頼してきたことをしっかりこなしてくれる人」を重宝してきました。小さな会社であれば、それだけでも十分な働きだったのです。
それが、案件が増え、社員数も増えてきて、間に合わなくなってきたのです。
会社が成長したことで、必要となる人材が変わったということなのです。

この先、彼ら管理者が、「本当の管理者」に変われるかどうかはわかりません。年齢的に考えれば、それは難しいことかもしれません。
それでも、会社は、前進しなければなりません。新たな人材を採用し、その中の人を管理者に引き上げていく必要があります。

「自社には管理者がいない」という問題に気づく、これは、変革に取り組んだ社長が共通して歩む道です。そして、「人を入れ替えながら、大きくなる」これも、変革に成功した会社が共通して歩む道になります。

この過程で、私は、すべての社長からこの相談を受けることになります。
「いまの管理者(の扱い)は、どうようにすればよいのでしょうか?」
私は、答えるしかありません。
「変わってもらうか、替えるかです。」

事業モデルが変わり、仕組みが出来、会社としての魅力も高まります。その結果、より優秀な人が採れるようになります。その社員らに機会を与え、片鱗があるかを確認します。
その者を管理者に上げます。その管理者らは、当然の如く「目標達成」と「仕組みの改善」に取り組んでくれます。それにより、組織が出来ています。

会社はどんどん変化するようになります。社長は、更に経営に時間を割けるようなります。更にスピードをあげることができるようになります。

その時、会社はがらりと変わってしまっているのです。その結果、年商は10億を越えることになります。

これが、変革のストーリーであり、流れです。この流れに例外はありません。
原則通り進めれば、この流れに成らざるを得ないのです。

(まとめ)

  • 会社の機能は、「目標達成」と「仕組みの改善」である。これを中核で担うのが管理者である。
  • 若い頃からその機会を与え、育てる。そして、実績を上げた者を管理者に上げる。その時も、いままで貢献してくれた「管理者」への敬意を忘れることはない。
  • 「人を入れ替えながら、大きくなる」これは、変革に成功した会社が共通して歩む道である。
  • 会社が変わる時、社長もそこにいる人材も、大きな変化成長を求められるのである。

 

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