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あなたはミッション型?ビジョン型?

SPECIAL

社内独立店開コンサルタント

株式会社ストアブレインコンサルティング

代表取締役 

経営コンサルタント。アパレル、小売、飲食チェーン指導などに強みを持ち、店長再生から店舗最盛へとつなげていく独自の「社内独立店開」手法を指導する専門家。
自らは店舗を持たない「販売・運営」に特化した経営スタイルに、多くの異業種経営者、店長が注目。路面店から百貨店、都心型SC、郊外型ショッピングモール…など、多様なチャネルで成果を上げ、店舗の強みを引き出す天才と称されている。

親族間の事業承継に携わる機会が増えています。50~60代の親から30~40代の子へ承継されるパターンが多いでしょうか。そこで私が意外に思ったことは、承継後の前経営者がほとんど引退しないことです。会長職就任の一方で、「新たな事業を始める」方が結構多いのです。

まあ、昔と比べればどの世代も心身ともに若い。考え方も柔軟です。現事業では長年関わり続けた自分のやり方に限界を感じ、子の世代の新たな実践・成果に期待してバトンタッチする。一方で、承継後は自分の経験やノウハウを生かして新しいことに挑戦する。

個人的にはすごくいい新陳代謝の形だと思います。もちろん、若い世代がどんどん新しいものを生み出し、社会的なイノベーションを起こすのは素晴らしいことだと思います。ただ、これまで社会に価値を生み出してきた「優良事業」が承継できずに終わってしまうのはもったいなさすぎると思います。

後進に道を譲り、自身は新たな道を切り開く。一人一人が何歳であってもチャレンジできる心身の状態を維持し、チャレンジをサポートする社会環境が整えば、国内全体がもっと活性化するのではないでしょうか。

さて、ここからは違う視点で話を進めていきます。先述のように起業家精神が豊富なのは良いことである一方、世の中には事業をスケール(拡大)させることに興味がない起業家(主に個人事業主)が案外多いイメージです。この点、事業はある程度大きくしないと生産性が上がらず、働く人の給料も増えていきません。

経験上、0→1が好きな起業家タイプは比較的見ますが、1→10や10→100を志向する経営者はほとんど見ません。1で満足、あるいは10や100は目指してなかったけど、何となくやっていたら規模が大きくなってきた…という方がほとんどではないでしょうか。

図らずも事業規模が拡大した場合、社内はぐちゃぐちゃになりがちです。人は増え、業務も増えますが、社員の育成もろくにできず、資金繰りもまったく見えず、労務や税務の事務手続きもほったらかし、コンプライアンスなどどこ吹く風。結局風船が割れるように一気にスケールダウンするパターンも少なくありません。

人には得手不得手や考え方の癖があります。ちなみに私の場合で言えば、「将来こうなりたい」という将来像を描くよりも「今これをやるべき、あるいはやっていきたい」ことの比重が大きい。つまり、ビジョン(ありたい姿)よりもミッション(使命・やるべきこと)が優先される。

何が言いたいのか。私のような「ミッション型」は先を見ずに積み上げていく分、スケールするのが苦手です。逆に、「ビジョン型」の人は将来の姿を強くイメージしているので、ミッション型の人よりスケールするのが得意な印象です。まあ、どちらが良い悪いもありません。そもそも両極端に振れているものでもなく、時と場合によっても変わります。

いずれにしても、ビジョンを描くサポートや、やるべきことの明確化など、自分を補完してくれる人の存在が必要です。自分一人ではどこかで壁が立ちはだかり、成長スピードが減速してしまいます。

経営者の皆さん。あなたはミッション型、ビジョン型どちらが強いでしょうか。自分の特徴を知ることで、より一層の成長が期待できます。

 

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