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大規模合同展示会に出展して儲かりますか?

SPECIAL

ショールーム営業コンサルタント

株式会社バファローコンサルティング

代表取締役 

異色のショールーム革新経営コンサルタント。体感型ショールームの構築と独自のイベント活用型営業力強化法で、増員なしでも売上・利益2倍3倍化を実現させてしまう専門家。これまで営業現場30年以上の実務経験と100以上のショールームイベント指導で、売上伸長率150%という成功実例を次々と演出。

ここ2~3年、東京ビッグサイトのような展示会場はもちろん、小規模展示会場でも展示会を中止していましたが、最近は合同展示会が開催されるようになりました。ようやくといった感じですが、以前に比べて来場者の出足はいまいちなように思えます。

合同展示会に出展する企業はそれなりに目的があるはずですが、つぶさにそれぞれのブースを見てみると、「何を目的に出展したのかな?」と思えるような企業があります。わざわざ遠方から出展しているにもかかわらず、その目的がよく分かりません。

PRしたい製品は展示がしてあり、説明のパネルも見やすく掲示されているのですが、肝心の担当者がブースの中でパソコンの画面に向かって何やら作業をしているのです。「今やるべき仕事じゃないでしょ」と言いたいのですが、何か事情があるのでしょうね。

そんなやる気のないブースがある反面、とても活気のあるブースもあります。展示品を見ようとブースの中に入ると、すかさず社員の方があいさつしながら寄ってきて説明をしてくれます。とても感じはいいし、こういう企業は儲かっているんだろうなと思えます。

あるイベントでのことです。東京ビッグサイトに出展しているその会社は活気もあるし、いい感じで出展していました。産業用、一般用のテープを製造していて、テープだけで年商数十億円を稼ぎ出すすごい会社でした。こちらは興味津々心でいろいろなことをお聞きしたのですが、最後にこの展示会に出展している目的を聞いたところ、意外な答えが返ってきたのです。

「ただ何となく、以前から出展しているから・・・」 
 「もし出展をやめたら、あの会社大丈夫かなと思われるのが嫌で・・・」
 「社長が出展しろって言うものだから・・・」

「まさか!」と一瞬耳を疑いましたが、相手の顔を見ると、どうやら本音を話してくれているようです。

しかし、なぜこのような話になるのでしょう? 本来であれば展示会に出展して、製品PRして、顧客の反応を見ながら製品開発に生かす、販売に生かすということでなければいけません。それが本当の出展する目的です。

「それで、儲かっているのですか?」とお聞きすると、「いや~、出展の効果のほどは・・・?です」とのお答え。どうも何か間違っていますよね。おかしくないですか。

この会社、中小企業ながら優れた製品を持っていて、商売自体はうまく行っています。しかし、展示会出展に関して言えばムダ金を使っているようです。それが無駄ではないというならば、それはそれで結構なことですが、担当する社員はやっつけ仕事のように考えています。成果が見えないからです。

この会社の製品は、産業用は卸問屋を経由してユーザーにわたり、一般用は卸問屋からホームセンターなどの小売店を経由して消費者にわたります。本来であれば、ユーザーや消費者の動向を気にしながらの製品開発、営業活動であるべきですが、完全に卸問屋の方向を見ています。どうやら生殺与奪権を握られているようです。

そのような会社が東京ビッグサイトの合同展示会に出展しても、成果を出すことはほぼ不可能です。ユーザーや消費者が「いいね!」と言ってくれても、卸問屋が「NO」と言えば取り扱ってくれないのですから。

「それじゃあ、メーカー自身が直接ユーザーや消費者にネット販売すればいいのではないか」と思われるでしょうが、そうは簡単に問屋が卸しません。ビジネスモデルを一から作るには、それ相応のノウハウが必要です。人材も必要です。簡単に売れるものではないのです。

それではどうすれば良いか?

このようなメーカーであれば、展示会を自主開催することをお勧めします。大規模合同展示会に出展するのではなく、小さくてもいいので展示会を自主開催してください。テーマを決め、そのテーマに合った見込み客を探し出す営業を行うのです。そして商談をしてください。ここにお金をかけるべきです。

東京ビッグサイトのような大規模合同展示会は集客力はありますが、人件費や会場費、設営費、旅費交通費など多くのお金がかかります。大企業のB2Ⅽであれば広告宣伝費として見合うでしょうが、中小企業のB2Bではコストに見合いません。

その点、自主開催展示会であれば成果は見えやすく、しかもレスポンスも早いものです。せっかく大切な資金を使うなら、成果が見えやすく、社員がその気になってくれる展示会を開催するのが一番です。

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