会員顧客活性化6つのSTEP 「会員顧客活性化」こそ経営である
私は住宅メーカーで、建て替えサイクルが30年であろうと「既存顧客を大切にすれば、新規顧客も集まってくる」と教わりました。その教えを20年以上の間、忠実に守り、現在ではメーカーに限らず、小売店・サービス業を中心にロイヤル顧客づくり、会員顧客の活性化を指導する立場になりました。
これらの経験を体系的にまとめたところ、会員顧客の活性化は6つのSTEPによって実現できます。
今回は全体像をつかむという意味で、これら6つのSTEPについて、概要をご説明します。各STEPの詳細は後日、解説しますので、今回は全体像のみ吸収してください。
STEP1 会員制度のコンセプト立案
会員制度は誰のために作るのですか?リピート購入してくれたら割引しますなど、経済的メリットを見せつつ、実は自社のために作っていませんか?
会員制度は、顧客と自社の信頼関係、ロイヤルティを築くために作ってください。そして、顧客と自社のロイヤルティの理想像をコンセプトとして立案してください。
コンセプト立案のヒントは、
コンセプト=ターゲット分析+ニーズ分析+自社分析+ゴール設定
STEP2 購入サイクルの設計
顧客のライフスタイルという視点から、貴社が取り扱う全商品・サービスの購入サイクルを組み合わせてください。買い替え、買い増し含めて、顧客が定期的に購入するサイクルになっていますか。
購入サイクルが生まれなければ、貴社の経営は永遠に新規顧客を探し続ける自転車操業です。非購入期間が長ければ、その期間を埋める新商品・新サービスの開発も経営課題です。
STEP3 ロイヤルティシナリオの設計
貴社に対する顧客のロイヤルティが向上していくシナリオを設計します。しかし、多くの顧客のロイヤルティは企業努力よりもロイヤル顧客との一体化の方が促進力は強いです!
そのためにまず、現在の貴社のロイヤル顧客を抽出することから始めます。
現在の貴社の会員顧客数は何人ですか?そのうち、ロイヤル顧客は何人ですか?
STEP4 顧客接点を再構築
消費者購買行動のモデルとして購入サイクルを設計しました。
購買行動の前に働く購買心理については、ロイヤルティシナリオ設計によってモデル化しました。
購買心理が働く前に購買行動を促そうとする接点が多く存在していませんか?
購買行動の前に購買心理が働くという原則を踏まえて、顧客との接点を再構築してください。
STEP5 自社組織のロイヤルティ化
会員顧客の活性化、ロイヤル顧客づくりにおいて、欠かせないのが従業員の自社に対するロイヤルティです。自社に対するロイヤルティの低い従業員と接すると、せっかく芽生えた顧客ロイヤルティも低下する危険が多分に含まれています。
従業員ロイヤルティ調査を実施して、従業員のロイヤルティUPも忘れずに!
STEP6 年間計画立案
購入サイクルの設計(STEP2)、ロイヤルティシナリオの設計(STEP3)、顧客接点を再構築(STEP4)、自社組織のロイヤルティ化(STEP5)を一体化して、年間計画を立案してください。年間計画に必勝パターンはありません。自社の強みと弱みにより、企業ごとに異なります。
ロイヤル顧客数と会員顧客総数の1年後の目標を設定して、強みを活かした計画を立案・実行しつつ、弱みを克服していくのが基本フローです。
次回以降、これらのステップについて順次解説してきますが、最後にもうひと言。
お客様は神様ではありません。
お客様は王様です。
一度嫌われたら、バッサリ切り捨てられることを肝に銘じてください。
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