増客のためのマーケティング(2)
前回は、増客のためには「こだわりの物語性」を、「そういう考え方の会社と取引したい」と思ってくれる相手にぶつけること、そのためには顧客のライバルに対する働きかけもあり、というお話をお伝えしました。「誰に・何を・どのように」に例えて言えば、前半の二つはお伝えしたことになります。
今回は「どのように」伝えるかに関する具体的な展開についてお話しします。対象となる見込み客がすでに絞れている状況なので、あとはいかにしてその客層にアプローチするかがポイントになってきます。
実績面からも王道と言えるのが「展示会出展とセミナーの組み合わせ」を顧客の購入スケジュールに合わせて計画・実行することです。展示会は、どれも想定来場者の事業カレンダーを尊重して計画されているので、例えば農業部門向けの展示会は秋から冬となっており、来年の作付けに間に合うようなタイミングで実施されるということです。見込み客の意思決定タイミングから逆算して、セミナー→展示会→商談→意思決定が良いのか、あるいは展示会→セミナー→商談→意思決定とするのかを検討します。この順番によって、同じセミナーでも伝えるべき中身が変わってくるからです。
想定顧客がしっかりと絞れている場合には、展示会への出展を行わずにいきなりセミナーから商談へという流れでも大丈夫ですが、「増客」効果を高めるためにはぜひ展示会との組み合わせを軸に検討されてください。
展示会は、出展内容と展示会の趣旨がどの程度合致しているかにもよりますが、見込み客が多く来場する展示会だと、かなりの数の名刺が収集可能です。3コマ程度を使ったやや大きめのブースだと、3日間で1,000枚近くの名刺が集まることもあります。
もっとも展示会ですから、趣旨と違って単なる興味で立ち寄る人も少なくありません。そういう人を除いて、「真水」と言える名刺は全体の半分くらいではないでしょうか。フォローアップのメールを送って返事があるのがそのまた半分くらいだろうと思います。それでもまだ100を優に超す見込み客を増やすことに成功したと言えるわけで、そこからの地道な営業フォローができれば確実に増客を実現できることになります。
この流れにセミナーを織り込むのですが、展示会の前であれば展示会招待状配布と合わせて少し広めに案内を出すのが良いでしょう。セミナーの内容も、入門的な解説を軸として、セミナー会場での個別相談を受け付けることで商談の頭出しを確保します。
またセミナーが展示会の後であれば、商材に興味を持ってもらえた少人数の参加者に対して、実機のデモなどを絡めた具体的な相談会のような形式で実施するのが効果的です。
以上、増客のためのマーケティング、具体的には①物語性の確立とデータの提供、②絞り込んだ顧客への展開、③展示会とセミナーの活用がその中心になります。ぜひこの手順で増客を実現し、今期の成長目標を達成してください。
自らの手で市場を拓こうとする経営者を、当社はいつも全力で支援しています。
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