2022/10/3付けの日経朝刊で「私的整理円滑化法の検討」が発表されていました。
今までの私的整理では、債務免除を受ける際に債権者全員の同意が必要だったことから、思うように私的整理が進まないというのが実状でした。
金融機関に債務免除を要請したが、一部の金融機関が同意しなかったために私的再生の道が閉ざされ、法的整理をせざるを得なかったという例も多く、結局、債権者同意型の私的整理は使えないというのが実際のところです。
今後、検討しようとする法案では、多数決や裁判所の認可で私的整理ができるようにとのことですが、過去の経営者保証ガイドラインもそうだったように、中小企業が実際に活用するにはハードルが高く、役に立たないということが多いようです。
中小企業の実態を知らない再生専門家や金融機関などが検討の場に参加することでこういうことになるのではないかと思います。
■ 延命とゾンビ
コロナによる手厚い資金繰り支援があったことで、資金繰りが破綻せずに何とか続けてこれた会社が多くあります。
また、社保や消費税の納付も猶予したことで、コロナ融資も含めた未払債務が膨れ上がっている会社も増加しています。
このようなことを背景に、今、返済猶予を要請する会社が増加しています。
しかし、リスケはあくまでも足元の延命であって、この間に本当の収益体質改善をやらないと、赤字でリスケを続けるだけのゾンビ企業にもなりかねません。
過去の経験から、リスケが長くなってしまっている企業がリスケを脱却するのは、金融機関、資金繰りと資金調達、ビジネスモデルなどの観点から難しくなります。
リスケは、早く出るべきです。
私の指導先にも1年でリスケを出た会社もあれば、数年後に出た会社もあります。
いずれにしても、出る気があるのであれば、それなりの準備と取り組みを早めに行わなければなりません。
■ 体質改善
赤字もリスケも重要なことは目先の策ではなく、企業体質の改善です。
根本から変えることです。
この体質改善ということがよくわかっていない経営者が多いように思います。
この体質改善の視点から、「リスケ」「黒字と成長」のテーマで研究会を行います。
11月「リスケと交渉の勉強」、12月「黒字と成長」のテーマでビジネス研究会をオンライン開催します。
ご興味のある方は、是非ご参加ください。