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円安の襲来!為替変動で苦しまないために..

SPECIAL

東南アジア進出コンサルタント

KJグローカル経営事務所

代表 

国内企業向けの、東南アジア市場進出の戦略・実務コンサルタント。大学卒業後20年以上の間、メーカー・商社・公的機関にて海外ビジネス(主に東南アジア・中国)に従事。東南アジア市場におけるマーケティング・拡販業務を成し遂げた後、大手自動車関連メーカーにて同社中国初の販売会社(ディストリビュータ)を立ち上げ、人事・財務・企画等の管理部門の統括などを歴任。その後、食品/アルコール・伝統工芸品・医薬品/医療機器など多岐に亘る業種のアジア市場開拓支援を経て、2018年にKJグローカル経営事務所を設立。現在同社代表。

2022年9月下旬。約24年ぶりに「1米ドル=145円台」まで一時円安が進みました。当事務所のクライアントの中にも「輸入(仕入)コストが急増して、これ以上取引が続けられない」などと頭を悩ませておられる経営者の方も多くおられます。今回は、この「海外ビジネスに特有の決済」をテーマにします。

 皆さんへ最初に質問ですが、「日本企業が海外取引の際に選択している通貨(米ドル・日本円・ユーロなど)の比率はどのような割合になっているか」ご存じでしょうか?いくつかの統計や当方の肌感覚(経験)からお伝えすると、下記のような割合になっているのが現状です。

 (第1位) 米ドル : 約50% (第2位) 日本円:約40% (第3位) その他.:約10%

上記は、「世界全地域」における日本企業の取引先割合ですが、取引量が増加している「アジア地域」における取引先に限って診てみると、「米ドルと日本円の比率はほぼ同じ」なのです。(下記参照)

 (第1位) 米ドル : 約48% (第2位) 日本円:約47% (第3位) その他 : 約 5%

「海外取引はほぼ全て【米ドル】での取引」と勝手に思い込んではいませんでしょうか?海外企業との取引時には「契約書が必須」ですが、その契約項目の1つである「決済(価格・通貨)」についても充分に考えて盛り込まなければいけません。ほとんどの日本企業にとっては為替リスクが発生しない【日本円】を選択することも理論的には充分可能です。また、仮に【米ドルなどの外貨】を選択するとしても「想定レートをいくらにして、外貨建ての金額を決めるのか?」、「大幅な為替変動があった場合は、価格の見直しをすることを契約内に盛り込む」、「価格の見直しをする際の算式まで事前に双方で合意しておく」など多くのノウハウがあります。

 このような「海外ビジネスに特有の決済」ノウハウを知らずに契約してしまっているので、為替変動で一喜一憂してしまうのです。為替変動などの「他力要因」に左右されず、純粋に自社の商品力・販売力で勝負できることが望ましいのは言うまでもないでしょう。海外取引を既に行っている?もしくは これから行う企業経営者・幹部の方は、「他力要因に左右されない決済条件」について一度じっくりと考えてみては如何でしょうか?

 

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