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成功報酬型の支払に潜むリスク

SPECIAL

成長支援部づくりコンサルタント

ヒーズ株式会社

代表取締役 

会社の大元となる「総務」を革新すれば、すべての事業部に影響を与え、顧客志向になり、驚くほど業績が伸びる。経営者が着手すべき、「成長支援部づくり」を指導。

成功報酬型の支払のリスク

「成約したらお礼に売上の10%をお支払いします」

ある打合せの際、先方からこのようなオファーをいただきました。いわゆる成功報酬型の支払です。

キャッシュフローの観点からすると、成功報酬型の支払はお金が入ってきたら、その中から支払う方法であるため、リスクのないやり方として推奨されます。営業力が弱い会社、資金調達で苦労している会社などがよく利用する方法です。

先日オファーをいただいた会社も、「社内に営業の方は何人おられるのですか?」と質問したところ、「営業担当は社長だけ」というご回答。以前2名ほど営業担当の社員として雇ったらしいのですが、全然成果が出ず、今は実質的に社長が一人で営業しているとのことでした。このため、弊社にも「どこか良いところがあれば紹介してほしい」との依頼があったのです。

キャッシュフロー的にはノーリスクの成功報酬型の支払。しかし、必ずしも機能するとは限りません。

オファーを受けた側からの観点に立つと、まずは本業の売上を伸ばしたい、社員を動かすにしてもコストがかかる、オファーされた商品を紹介できるようなネットワークがない、といった理由により、本腰を入れて「さぁ、やろう!」という気にならないのが普通です。したがって、結果的にはお金は出ていかないけれど、そもそも新しい売上というお金が入ってこないことが多いのではないでしょうか。

こう考えると、成功報酬型の支払は会社にとっては時間が経っても成果が上がらないという点でリスクはあります。

一方で、成功報酬型の支払方法を取り入れて上手くいってるところがあります。そんな会社に共通しているのは、自社でコストをかけて売ることに力を入れているということ。つまり、会社自身が試行錯誤しながら営業戦略を練り直したり、広告宣伝にお金を使ったり、説明会を開催したりして、人とお金と時間を使っています。

それでも、リソースに限りがある中小企業ではすべてをカバーできません。そんな時、知っている人に対して「成約したらお礼に売上の10%をお支払いします」という形で成功報酬型での営業協力を依頼しているのです。

そして、このような会社は自社で苦労しながら売っているために「こういう先にはウチの商品がぴったりです!」というのが明確です。すると、不思議なことにオファーされた側も「それだったら、あそこの会社を紹介できるかも?」ということが具体的に浮かんできます。

抑えるべきリスクは抑えた方がベター。でも、取るべきリスクは取らないとリターンがないだけでなく、リスクを取らないこと自体がリスクになりますノーリスク・ノーリターンは会社にとっては大きなリスク。他人の褌を借りる前に、まずは自社の褌をしっかり締め直しましょう。

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