「継続的な企業成長に必要なこと」とは?
2022年8月24日。稲盛和夫氏(京セラ・第二電電創業者)が死去されました。稲盛氏の功績・著書は数限りなくありますが、当方が一番印象に残っているのは「アメーバ経営」です。アメーバ経営とは「組織を小集団に分け、市場に直結した独立採算制により運営する管理手法」。組織の細分化の際には下記の3つが必須条件です。 (「稲盛和夫Official Site」より)
(1)明確な収入が存在し、それに対応する費用が算出できること。
(2)ひとつの独立した事業として成り立つこと。
(3)会社全体の目的・方針を遂行できること。
上述のアメーバ経営の本質とは少し異なりますが、企業の新規事業の管理についても同じようなことが言えます。会社全体をどんぶり勘定で視るのではなく、各事業組織の経営状態を細やかに視ていくことで安定した企業経営が可能になるのです。実際そのことにより、多くの企業が成長を遂げています。
しかしながら、業績が好調な経営者の皆さんの多くは(周りからの想像とは異なり)、常にある不安を抱えられています。それは「この成長は継続的に続くのか?」ということです。お話をお伺いすると、「新規事業を担う主要従業員の離職可能性」が最大の懸念なのです。では、「この最大の懸念事項の要因およびその解決法は何なのか?」について考えてみたいと思います。
一般的な企業の【強みの要因】はいくつかに分類されますが、今回は分かり易く「2つ」に分けてお話しします。まず1つ目は「(某)従業員が離職時に一緒に持ち出される資産」です。具体的には、その従業員の能力/経験や販路の人脈等がそれにあたります。そして、もう1つは「(某)従業員の離職後も、企業内に残留する資産」です。例えば、業務のしくみや体系化された考え方、文書化されたノウハウ・データベース等です。
上記の2つの資産の内、自社にとって重要なのはどちらでしょうか?後者の「(某)従業員の離職後も、企業内に残留する資産(業務のしくみや体系化された考え方、文書化されたノウハウ・データベース等)」が明らかに重要なのは容易にお分かりいただけると思います。
ご紹介したように、「継続的な企業成長」のためには従業員の離職後も企業内に引き続き残留する資産(業務のしくみや体系化された考え方、文書化されたノウハウ・データベース等)」づくりが極めて重要です。しかしながら、これは一朝一夕に構築できるものではなく、専門的な手順・指針や成し遂げるためのブレない忍耐力が欠かせません。企業経営者・幹部の方は、「自社の細分化された組織や新規事業についてのしくみ化・文書化」について一度じっくりと考えてみられては如何でしょうか?
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