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利益率UPを月給、時給制の人達に求めて良い結果は出せるのか?

SPECIAL

チェーン企業のマネジメントの仕組み構築コンサルタント

株式会社ピアーズ

代表取締役 

マネジメントの仕組み構築のスペシャリスト。
これまで20年以上チェーン事業に身を置き、実際に15の組織のリーダーを務め、200以上の経営に関わり売上、利益を上げてきた経験を持つ。チェーン事業の売上が兆単位の企業や創業40年以上の歴史を持つ企業にさえマネジメント面の仕組みが1つも存在していない事に疑問を持ったことから、チェーン事業に共通するマネジメント面の仕組み構築方法を体系化。その効果は大きく、マネジメントの半ば自動化と質の向上により、クライアント企業は利益2~3倍増、業種によっては仕組み実装の初月から数値を跳ね上げさせる指導を展開している。

「伊東さん、いつか国から企業への強制徴収もあるのでは?」

ある社長がそうおっしゃった理由は国の借金の報道をご覧になったから。

財務省は10日、国債と借入金、政府短期証券を合計した「国の借金」が6月末時点で1255兆1932億円だったと発表した。3月末から13.9兆円増え、過去最多を更新した。国民1人あたりで単純計算すると、初めて1000万円を超えた。

とありました。

増税はどのような時に行われていたのか?

歴史を調べてみますと「やはりこれが関わってくるか」となったのは「戦争」です。

ダイレクトに強制徴収という名目は見つけられなかったものの、戦争と税金は切り離せない関係にあります。それは国税上のHPにもこう記載されているからです。

 

日露戦争は、日清戦争とは比較にならない戦費を必要としました。そのため、明治37・38年の第一次・第二次非常特別税により増税が行われました。非常特別税は、地租や営業税・所得税・酒税など、税目ごとに増税分が決められ、戦争終結後には廃止される臨時的なものでした。
 明治37年には石油と織物に消費税が課税されるようになり、翌年には恒久的な税として相続税が新設されました。

 

このように戦争には多くの資金が必要となりますので、政府はあの手この手で増税をしなければならなくなります。

ここまで国の借金が膨れ上がっていってる現状では戦争中、戦後と同じ・・・とまでは言えないかもしれませんが、社長が危惧されているように増税は避けて通れないのではないでしょうか。

経営者はもしもの増税時に向けてどう準備しておくべきか?

今回の国の借金発表によって、各経営者には更なる不安要素が増えてしまいました。

ここで

 「伊東さん、増税になるとは言いきれないでしょ」

 「国としてもあれこれ対策をうっているはずなんだから」

と誰かに「前向きに見ましょうよ」と意見されたいところではあります。

しかし、そんな明るい兆しを遮(さえぎ)ってしまう暗いニュースが、先日舞い込んできました。8月16日(火)の日経新聞に

3人に1人が非常勤

自衛隊員や裁判官などを除く一般職と呼ばれる国家公務員は2021年7月時点で42万人超で、うち37.2%の15万9千人を非常勤が占める

 

社長はおっしゃいました。

 「これはもう、危険水域確定ですね」

社長と私とでなぜ「いや、まだわからん、ここからV字回復もあるのでは?」と一切見なかったのか?

 それは 良い一手を打てている企業の仕事は必ず減っていくから    です。

正確には 仕事効率が上がり、成果に結びつかない希薄な仕事が根絶される から。

つまり、非常勤を雇わなければならない程、まわらない現場がある時点で明るい未来が無い、と判断しているということです。

 

では良い一手が打てている企業は何故、仕事が減っていくのか?となりますが、その大きな違いはこの一点につきます。

経営者は自社の利益率UPを社員やスタッフに求めていない です。

これだけ述べますと

 「なんて薄情な経営だ」

 「それはおかしいだろ」

とお叱りを受けるかもしれませんが、間違って捉えていただきたくないのは「社員やスタッフらは利益率UPすることができない」という意味ではありません。彼らは会社の利益率UPについて「良い結果を出しにくい領域にいらっしゃるから」なのです。なぜなら彼らは月給制、時給制で働いている方々だから。

会社の利益率がUPしようが、DOWNしようがその結果が「自分の給料に即反映」とはなりません。場合によっては会社が虫の息で、もう鼻血さえ出ないという状況下においても「我々の給料はちゃんと払ってくださいね」となるものです。

 

 「では、会社の利益率UPはどこに?誰に?求めるべきなのか

と問われましたら、その返答は「会社の利益率が自分の給料に即座に反映される立場の人達」です。

 

もしあなたが、ある飲食店を経営する企業の経営者であったとして、会社が以下のような状態であったらどうお考えになるでしょうか?

 ・戦後の日本

 ・集団就職期で、全国から若い学生や労働者が大勢押し寄せている

 ・店は食べ盛りの若者で常に満席。連日長蛇の列ができている

 ・しかし日本全体が人手不足に悩まされていた時代

 ・配膳ロボットやセルフレジなどの技術も無い

 ・商品単価は他店より3割ほど安く設定していて、値上げはしたくない

 ・中学卒業したばかりの少年をなんとか雇ってもすぐに辞めてしまう

 ・新たな人材確保は難航

 ・狭い店内だが、カウンター席の遠いところまで料理を手渡そうとするとそれだけで創れる時間のタイムロスを感じている

 

ありそうな一手としては

 ・人件費を上げて今いる社員、スタッフに頑張ってもらう

 ・今いる社員、スタッフと相談し、解決策を探る

などでしょうか。

 

実はこの会社は昭和22年の東大阪で実際に存在していました。

そしてそこの経営者の一手はこうでした。

 ・近隣の鉄工所の力を借り、商品を運ぶためだけのベルトコンベアの開発を始めた。

その後、10年という歳月をかけ、「コンベヤ旋廻食事台」を完成させました。

 

もうお気づきの方もいらっしゃることでしょう。

これは回転寿司がまだ世に無かった頃の時代で、世界最初の回転寿司店「元祖廻る元禄寿司」を創業した人物、白石義明氏のことです。

白石氏の行動を調べてみますと、他の経営者との違いが見えてきます。

それは次なる一手を、会社の利益率が自分の給料に即座に反映されない人達には求めていないところ。

まとめてみますと

 ・寿司屋を始めたいからと、隣にあった寿司屋の大将に「握り方を教えてくれ」と頭を下げにいった。

 ・回転寿司発案のきっかけは社内からではなく、他社のビール工場の見学時。

 ・寿司皿を廻すベルトコンベヤー開発協力の依頼は、近隣の鉄工場

 ・寿司皿をベルトコンベヤーで廻すという夢の実現を手伝ってくれたのは、経営者同士の親睦会で出会った町工場の社長

 

良い一手が打てて、業績を上げられている企業は、今のお国がやっているように「労働力を外部から調達して、増やそう」などとはしていません。

業績を大きく伸ばしている企業は、課題の解決策を会社の利益率が自分の給料に即座に反映される立場の人達に求めているのです。

 

「餅は餅屋」ということわざがあります。

これは餅は餅屋のものがいちばん出来がよい。

専門家は、素人にはとうていかなわない質のよい仕事をするというたとえです。

 

御社は会社の業績UPをどこに? 誰に? 求めていますか?

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