仕組み化する意味
「幾度となく社内の組織を見直して仕組み化しようと試みたのですが、なかなかうまくいかないんです・・・」
先日、ある管理マネージャーの方からご相談をいただきました。なんでもこの5年間、自分がトップになって組織をつくり上げたそうで、会社の業績も順調に伸ばしてきた方とあって、仕事に対する意気込みと情熱はお話ししているだけでヒシヒシとこちらにも伝わってきます。
「どのようにうまくいかないのですか?」そう尋ねると、「いや~部下が全く自分で考えて行動してくれないから、結局最後は私に全部仕事が回ってくるんですよ」と。
では、どのような仕組みをつくっていらっしゃるのですか?」と聞くと今度は、「各部署にリーダーを置いて、そこの仕事は全て任せてあるんですがね・・・」と。このようなご相談は非常に多く、そのほとんどは、“仕事を任せてあるはずなのにやってくれない”“何で自分で判断できないのか”という管理者のグチとも言えるお話しです。
そもそも仕組み化とは、「再現性があり、誰がやっても同じことができる方法にすること」なのですが、多くのマネージャーさんの悩みのタネは、この「仕組み化のための“仕事の仕分け”がうまくできていない」ところにあります。先ほどの会社も、「役割分担は現場に任せっきり」「優秀な人材が居ないから、現実的には自分がほとんど指示を出している」・・・そのような現状のようでした。
どの仕事を仕組み化するのか?
何を優先に仕組み化していくのか?
この仕分けがうまくできていないために、いつまで経っても社内の効率が上がらず、経営の戦略に関わる部分に意識が届かず、結果的に長期的な仕事や人材の育成に取り組む時間を作り出すことができないままに毎日を過ごしてしまっている・・・そんな経営者やマネージャーの方をよく見かけます。
非常に基本的なことですが出来ていない会社が多いのです。それはなぜなのでしょうか?理由はいくつかありますが、例えば、「これは彼にしかできない(又は自分にしかできない)と思い込んでいる」仕事や、「これまで経験があるのは彼だけ(又は自分だけ)だから、今クレームになると困るので時期を見て考えようと思っている」仕事、「彼に任せると時間が掛かって困るから自分でやった方が早いと思っている」仕事・・・など。それぞれの管理者の考えや感覚で判断し、現状維持を再優先させる発想が根幹にあるものが非常に多いように感じます。このように、的確な仕分けができないまま仕組み化しようとしてもそれは無理なお話しです。
仕事は、挑戦させてみれば意外に誰にでもできることが多いし、会社は、自分が居なくても意外に問題無くまわるものです。手放す不安と寂しさを感じているのは、「仕組み化したい」と悩んでいる当の本人だけだったりするものです。仕事の仕分けをいの一番にすべきは、管理者本人なのかもしれませんね。
では、なぜ管理者は“仕組み化”しなければならないのか?
それは、仕組み化による効率化で自分の時間を捻出し、事業の更なる発展に力を注ぐべき大切な役割を担っているからです。
管理者の皆さま、社内の仕組み化は会社の成長の大切な鍵です。真剣に取り組んでいますか?
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