その仕事、何の意味がある?
世の中には、漫然と続けられている「意味のない仕事」が存在します。もちろん、それらは最初から意味がなかったわけではなく、何かしらの理由や目的があって始められた仕事が大半です。それが時間と共に「やる意味」を喪失し、ただ行うだけの、時間と労力がムダづかいされる「意味のない仕事」に変わっていきます。
集まって雑談するだけの定例会議や、誰も読まない社内報づくり、毎日同じ内容でやる気がそがれる朝礼…。それぞれの仕事がダメなのではなく、やることが目的となってしまう、まさに「手段の目的化」になってしまうのが大きな問題点です。
なぜそうなってしまうのか。理由はさまざまですが、時代の変化とともに社内外の環境が変わり、価値観が変わり、社内の仕組みがそぐわなくなるのが大きな理由の一つです。
この問題に対して、私がおすすめする一番の解決策は、一旦リセットすることです。つまり、先述の例で言えば、定例会議も、社内報も、朝礼も、一旦やめてみる。これに尽きます。
社内のベテランからは、必ず反対意見が出ます。そこでひるまずにやめることが大事です。「意味がないなら、意味がある内容にするのが仕事だ」的な意見も出ますが、すでに意味をなくしたものを当初の状態に戻すのは至難の業です。というより無理。時間のムダです。
一旦更地にして、必要な仕組みをつくる方が何倍も楽で、かつ効果的なやり方です。やめるのが不安だという人もいるかもしれませんが、皆が意味のない仕事だと思っていることをやめても社内には何の影響もありません。むしろ負担が減り、効率が上がっていくでしょう。
そもそも私に言わせれば、やっても意味のない仕事に時間や労力を奪われることほど、人生のムダづかいはありません。社員にそれを強制させるのは、非常に罪深い行動だと思います。
時代に即した新陳代謝ができていない会社・組織には「意味のない仕事」、正確には「意味を失った仕事」が多数存在しています。これらは、既存人員の時間や労力を奪い取り、将来への活力さえも奪う「病巣」になりかねません。
経営者の皆さん、社内に「意味を失った仕事」が蔓延っていないでしょうか。もし、それらがあるとすれば、社内の活力は確実に、じわじわと奪われていきます。そして、社員は気づいていてもなかなか言い出せません。変えることができるのは経営者だけなのです。
ぜひ、経営者のあなたが「やめる」決断をしましょう。それだけで会社の健康状態は良くなり、業績向上につながっていきます。
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