第49話 売上が上がる事業、ジリ貧になる事業の違いとは?
「先生、自社商品の開発がとてもうまくいくようになりました。おかげさまで、価格競争に巻き込まれない経営ができています。」
当社の指導を受けられた経営者からの嬉しいご報告でした。
※カテゴリーキラーとは、競合他社を圧倒する差別化された強い商品・サービス・事業のこと。
このご報告を頂いた会社は、特殊なジャンルで製造を行う会社です。当社の指導を受けるまでは、市場をよく分析せずに商品開発を行っていたため、なかなか思うような成果を出せずにいました。
同社は、そもそも、「市場分析」はどうやって行うのか、何をポイントに検証して差別化をつくっていくのか、といった基本的なノウハウがありませんでした。
その結果として、これまでの商品は、他社の後を追随してしまうような、あまり魅力がない商品になってしまっていたのです。
私が日ごろ、コンサルティングで行っている「カテゴリーキラーづくり」とは、競合他社を圧倒する差別化された強い商品・サービス・事業を生み出すお手伝いです。
市場に向き合うための原理原則に当てはめて、カテゴリーキラーを生み出す指導を行っています。カテゴリーキラーを生み出すためには、この市場に向き合う原理原則をうまく活用します。
その際に重要なことは、市場分析です。
そして、市場分析において重要な視点は、「顧客」「競合」「自社」の3つです。
これは、どの業界であっても同じです。この3つを踏まえて、自社商品・サービスを市場に適合させていきます。
「顧客」「競合」「自社」は、ビジネス書やマーケティング系の本を読めば必ず出てくる、非常に基本的なことです。
また、「孫子」の言葉にあるように、
「彼〈かれ〉を知り、己〈おのれ〉を知れば、百戦して殆〈あや〉うからず。」
と、古来より、客観的に市場を把握することの重要性を唱えています。
しかし、実際に、この3つの要素に真剣に向き合って戦略づくりをしている会社は驚くほど少ないです。
例えば、
「自社商品は、代理店に売ってもらっているので、どんなところで、どのような人に、どのように使用されているか詳しくはわからない」
「うちの商品は通販で売っているので、お客様には会ったことがない。最近、お客様が減ってきて困っているが、どこへ流れてしまっているのだろうか」
「うちは大手企業から毎月決まった仕事を受けているので、業界全体で見たときの競合企業は、あまり意識したことがない。どうなっているのだろうか」
「当社は業界では名が通っているが、競合と比較して一番お客様に評価されている点、と言われるとわからない。どこの競合も当社と同じようなことができてしまうので」
このようなことが本当にあります。
そういう会社に限って、新事業などの難しい領域に手を出そうとしますが、それよりも現在、メインで収益が上がっている市場をよく分析して、自社にさらなるチャンスがないかをしっかり見極めるほうが先決だと思います。
この、市場分析というものは、とても地味で手間と時間がかかります。
実際にコンサルティングをしていると、新商品開発や、既存商品のリブランディング(既存商品のコンセプトや見せ方を変えていく作業)といったことを行う際に、社長は早く進めたい!という気持ちになります。そういう焦りから、希に手間のかかる市場分析をやる意味があるのか? という方もいらっしゃいます。
しかし、重要なことは、早くスタートすることではなく、新商品開発を行ったり、リブランディングしたりすることで「売上がしっかりと上がる」ということではないでしょうか。
そのためには時間をかけて「顧客」「競合」「自社」を徹底的に分析し、その過程で、この方向だったら勝てる! 売上が上がりそうだ! と確信に近いレベルの戦略プランをつくることが理想です。
もちろん「やってみなければわからないだろう」と言われればその通りですが、原理原則に基づいて、十分に準備ができているものとそうでないものでは、大きな差が出るということです。
さらに、しっかりとした戦略プランができていれば、仮にうまくいかなかった時にも、立ち戻って綿密に検証することができ、次の打ち手につなげることができます。
これまで10年以上、300社を超える企業のコンサルティングを行ってきましたが、当社の指導を受けて、しっかりと成果を出している企業で共通することは、こういった地味で手間がかかるプロセスで決して手を抜くことなく、地道に積み上げた会社ばかりです。
冒頭の会社も、過去には思いつきのみで商品開発を行っていました。新商品を出すものの、たいして売れないというのが常でした。
しかし、この姿勢を改めて、しっかりと市場分析を行い、その分析結果をもとに、どのように自社の戦略を組み立てるのかについて、真剣に考えるようになってからは売行きが全く変わるようになりました。
さらに、そのノウハウを社内で水平展開して、会社の文化になるレベルまで浸透させたのです。その結果が如実に表れて、売上、利益に大きく貢献しています。
長期視点に立てば、手間のかかる戦略プランの策定、そして検証サイクルのノウハウの蓄積が経営に大きなプラスになります。
そのノウハウ蓄積を経営者がひとりでやるのではなく、幹部社員や今後の会社を背負っていく若手社員と取り組むことができれば、強い会社経営が実現できることは間違いありません。
もし、今、あなたの事業がうまくいっていないとすれば、それは、売上につなげるための市場分析をおろそかにしていませんか?
株式会社ミスターマーケティング
代表コンサルタント
村松 勝
【追伸】
当社の経営者セミナーでは、新商品開発、既存事業のテコ入れなど、売上を上げるための市場分析について重要なポイント、具体事例などを紹介しています。ご興味がある経営者は、ぜひご参加ください。(セミナーでは、市場分析に留まらず、経営者にとって必要な戦略の構築方法について、重要ポイントをお伝えしています)
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