計画を練る、作ることはとても重要。だが、もっと大事なのは実行後の「軌道修正」である。
創業から間もなく襲ったコロナ禍の中で、飲食業で挑戦を続けている旧知のIさんから、一通のこんなメール報告が届きました。
「一昨年、居酒屋業態からカフェ(スイーツ)業態へと転換、昨年夏に黒字化に成功し、この度マーケティングの専門家、パティシエを迎え、スイーツ特化型の企業として新たな取り組みを始めることとしました!」
「本年10月には株式会社化も予定しています。」Iさん、社長就任おめでとうございます!
メールには、新業態の新店舗が着々と進行している画像が添付されており、まるで海外の今時カフェを彷彿とさせる、シンプルでおしゃれな外観がとても素敵でした。
このように新たなチャレンジへ向かう力強い言葉を聞くと、本当にワクワクしますし、こちらも大いなる刺激を受けます!
2019年に飲食業をオープンさせたIさんは、元大手飲食チェーンのバイヤーさんでした。Iさんのように大手企業に勤めていても起業してしまえば、大きな看板を失い、個人そのものの能力がダイレクトに試されます。
ですので大手出身とか、中小零細出身とかはまったく関係なく、起業するまでに何を学び、何に挑戦し、どこまで本気で仕事に取り組んでいたか。結果、独立後に大看板は無くしても、会社でなく個人に対しての人脈が形成されていたりして、起業もスムーズに行えたりしますが、それよりも何よりも、いかに早く過去を断ち切って新たなチャレンジへと進めるための ”強い意志” と “強い精神力” が最も必要なことです。
何をやるかで資金も必要ですが、準備金が足りなければ覚悟してその”強い意志” と “強い精神力” で借りればいいのです。
Iさんのように大手飲食チェーンで沢山の経験をし、そのスキルを活かした居酒屋業態で起業されても、全く未経験のカフェ・スイーツに転換されました。ですがそこから突破口を見出され、黒字化のメドを立て、さらに新業態の新店舗までオープンさせるに至ったことは、コロナで大打撃を受けた飲食業としては、相当に早かったのではないでしょうか。
「石の上にも三年」。このような新事業では半年や1年内の短期に良い結果、黒字化できることはほぼ無いといっていいでしょう。
当社のクライアント企業の一部でそういったことも時折ありますが、その時の世の中の流れがそのクライアント企業の事業に対し、たまたまマッチしていた場合です。
事業において短期間に結果を求めますと、例えいい結果を一時的に出せたとしても、すぐに終息していまうことは多くの経営者がご経験のことかと思います。急激なダイエットのリバウンドと同じです。
そうならないために当社ではクライアント企業に分かりやすくお伝えしていることがあります。それは「ホップ・ステップ・ジャンプ」方式です。
新事業の仕組みが1年で出来たとして次の・・・
1年目、ホップ(様々なテストマーケティングや認知拡大の時期)
2年目、ステップ(軌道修正と飛躍のための準備の時期)
3年目、ジャンプ(大きく飛躍させる時期)
当初の仕組みづくりの段階で同時に行うのが、どう売るのか?の販売計画の策定です。当然ですよね。
ですが、販売計画ができても計画通りに進むことは、どんな事業でもまずありえません。常に新しいチャレンジをされている方には、よくお分かりのことかと思います。
大抵の場合、軌道修正しなければならないのです。どこを改善すればいいのか?
ターゲット層?、品揃え?、サービス?集客方法?などなど。
そして、これらが見えてからが本当の勝負!です。
気の短い経営者の中には、当初の計画書にはGOサインを出していても担当者に向かい「まだ黒字化しないのか!?」「もうやめてしまえ!」というような光景もよく見かけます。
しかし、これが悪いことだと言うつもりは、さらさらありません。
悪いのは、軌道修正すれば黒字化できる根拠を1年目や2年目の間でどこまで確認できたのか?を見つけられていない場合。また、見つける努力をしていない場合です。
経営的には見切りをつけることが必要な場合もあります。それまでのご努力やリソースの投入を考えたら、とてももったいないことですが・・・。
あなたの会社では計画の実行後、何を、どこを見ようとしていますか?
成功への道筋を見つける努力を続けられていますか?
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