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経営計画が絵にかいた餅になる理由

SPECIAL

ダイヤモンド財務コンサルタント

ユメリアコンサルティング株式会社

代表取締役 

次世代経営者専門の財務コンサルティング機関。同族会社のオーナー社長・二代目社長に対して、経営基盤を頑強なものにする、「ダイヤモンド財務」の築き方を指導。

周囲がつくっているから・・・という理由で、なんとなく経営計画をつくって、なんとなく実践する会社があります。

当然、上手くいかないわけですが、もっと気を付けなければならないことがあります。

それは、「学習性無力感」の落とし穴です。

学習性無力感とは、「自分の行動が結果を伴わないことを、何度も経験していくうちに、何をしても無意味だ」と思うようになっていくことです。

そうなると、本来なら良い結果に変えられる場面でも、「自分から行動を起こさない状態」つまり、チャレンジさえしない組織になるのです。

次に、取り組むこと自体に嫌悪感を抱きます。「次は成功するかもしれない」という期待や、「再度挑戦してみよう」という意欲をもてなくなります。

もし、社員だけでなく、社長までもが学習性無力感に陥ってしまったら、会社の未来はどうなるでしょうか・・・。

何度失敗しても、果敢に立ち向かうメンタルとバイタリティは、社長にこそ必要です。でも、社員にまで求めるのは、酷な話です。

ですから、社長は、組織全体が「学習性無力感」に陥らないような経営計画の用い方をすることが大前提になってきます。

逆を返せば、経営計画が上手く機能しない、つまり、組織全体に学習性無力感が漂ってしまいがちなのは、間違った経営計画にあります。

経営計画を上手に活用すれば、全社員の心を一つにし、目標達成に向けて前向きに取り組むツールになります。経営計画は、特に同族会社ほど必要です。

しかし、高すぎる目標で小さな成功体験が実感できないもの、全てがあいまいなものであれば、社員からすれば「ノルマ」と感じます。

「なぜ、この取り組みが必要なのか?」という社長の情熱や未来への展望がなければ、社員は共感しようがありません。最も重要なのは、「自分にどんなメリットがあるか?」です。

人間は、自分にとって都合の良い話は、真剣に話を聞きます。一方で、都合の悪い話や、あまり興味の持てない話は、言葉は悪いですが、右から左・・・になってしまうものです。

そもそも、社員さんにとってのメリットは、何でしょうか?

もちろん給料を得て生活が成り立つという現実的な話もありますが、それ以外の恩恵もあります。

例えば、人としての成長、働き甲斐、金銭的な豊かさ、幸福感、仕事とプライベートの充実、社会への貢献、組織への帰属や誇りなど、実に様々です。

社員さんにとってのメリットを言語化し、メリットを得るためのプランを一緒に考え実行しよう、という流れになれば、自ずと結果がついてきます。

経営計画で真に強い会社づくりをしたいと望むのならば、まずは、一緒に取り組む社員にとってのメリットをどう表現するのか、が重要です。

成功する経営計画に共通しているのは、社長の事業に対する想いや、未来への展望など、いわゆる「ソフト面」を社長自身がしっかりと考え抜いていることです。これが全てのベースになります。

その上で、実現を支えるための「数字計画」、いわゆる「ハード面」を社長が財務の視点から数字で具体的に考えているものです。社長に財務思考がなければ、数字で具体的に考えることができないため、せっかくの計画も絵にかいた餅で終わってしまいます。

失敗する経営計画に共通するのは、社長が自ら考えることを放棄している、社員に責任転嫁しているケースです。

ガラス財務の社長は、理想の未来もなければ、経営計画も財務への理解もありません。場当たり的な経営を繰り返すので、社長も社員も不安なままです。

社長の仕事は、強く永く続く会社づくりをすることです。

あなたは今、社長としてどんな未来をつくりたいですか?

ダイヤモンド財務®コンサルタント 舘野 愛

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