不満はサイレントキラー
先週、経営者の皆さん数名をお誘いし、弊社主催による経営勉強会を開催しました。勉強会の後は近隣の飲食店にて懇親会も行い、久しぶりに楽しい時間を過ごせました。懇親会では業界ならではのお話も聞け、私自身相当勉強になりました。個人的にはやっぱりリアルでお会いできる方がいいですね。
さて、今回はその懇親会でのお話です。予約したお店は少し高級な創作系和食店で、店内は個室も多く、内装も凝った作りになっています。当日は料理も美味しくいただき、皆さんとの話も楽しかったのですが、一方で、そこの店長(マネージャー?)の接客応対にちょっと引っかかりを感じてしまいました。
実は予約時から何か違和感のようなものを感じてはいたのですが、現地でその違和感が明確になった感じでしょうか。実際のやり取りを再現すると…
私「個室をお願いしたいのですが…」
店長「その人数だとそもそも個室のみの対応しかできませんので。」
私「ちょっと早めに着いても大丈夫ですか?」
店長「いいですけど、そこから2時間です。」
私「お会計を…」
店長「会計すると端末もリセットされ終了になります。本当にいいんですか。」
これら以外にも、さまざまな「引っかかる」やり取りがありました。別に悪くはないのですが、「言い方のまずさ」や「言わなくてもいい一言」が要所要所に現れ、聞いた方としては「……」となってしまう感じでしょうか。
当店は料理の質や店舗の雰囲気も非常によく、ネットのレビューも高評価です。予約するお客側からすれば、それ相応に期待値が上がっているわけです。しかし、顧客接点においてその期待値が一気に崩壊し、「不満」が頭をもたげてきます。
当たり前ですが、現実が期待値を下回れば「不満」となり、上回れば「満足」となります。すべてのビジネスではこの「期待値と現実のギャップ」が上振れするような商品・サービスを“常に”提供できる状況をつくらなければなりません。
不満はサイレントキラーです。大半のお客様は何も言わずに離れていきます。この点、面と向かっていってくれるお客様は大事にするべきです。
翻って、「期待値のコントロール」はどんな仕事でも必須です。懇親会で訪れたお店は、いわゆる「高い接遇レベル」があると期待させる情報発信をしており、だからこそ私も予約しました。ところが、その期待値を下回る対応を受け、ちょっと不満を感じてしまったわけです。
では、今回のお店はどうすべきでしょうか。料理の質や雰囲気、お客様の層などは期待通りでした。喫緊の課題は店長およびスタッフの接客対応レベルの向上です。当店に対し、お客様は高い期待値を持っています。ですが、残念ながらその高い期待値を上回る接客応対が提供できていません。現実とのギャップがあれば、一気にお客様は離れていきます。
高い期待値は優良顧客を引き寄せますが、求められるレベルは相応に高くなります。当店の接客のレベルが高い位置で安定すれば、確実に満足度も上がり、リピートにもつながるでしょう。当店の今後に“期待”しています。
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