なぜ、節約主義・節税主義の会社が経営悪化するのか
当社にお越しくださる社長さん方は、皆、社員や家族のために、本気で強く永く続く会社づくりを目指したいという社長さんばかりです。そんな社長さん方が「正しい経営のやり方」を学んで実際に行動に移し、具体的な成果を手にすると、成功の上昇気流に乗っていきます。
そうなると、社長だけでなく、社員や家族、取引先も物心共に豊かになっていきます。月日を重ねるごとに、社長さんの顔色が良くなって、明るい笑顔が増えてきます。そんな姿を目にするたびに「お役に立てて本当に良かった」と心から実感します。
誤解を恐れずに申し上げるなら、これまでの経験上、経営が上手くいっていない社長は、経営を悪化させる共通の思考軸があると感じています。
具体的には、「売上至上主義」に加えて、もう一つ間違った思考軸をお持ちになっているのです。それは、「節約至上主義」です。
節約至上主義の社長さんは、「投資をしたら、利益が出なくなってしまう…」「とにかく売上を増やさないと、投資なんてできない…」と考えます。
ですが、実際は、根本的な財務構造そのものに大きな問題を抱えていたり、そもそも社長自身が財務を全くわかっていないというケースがほとんどなのです。
そのため、根本的な財務構造を社長自身の手でより良いものに変革しない限り、どんなに一生懸命節約・節税しても、経営は苦しいままなのです。
言葉は悪いですが、「ジリ貧経営」「貧乏暇なし経営」がいつまでも続くのです。
大切なことなのであえて申し上げますが、事業を永続させていくためには、継続的な事業投資が不可欠です。
強く永く続く会社づくりを実践している社長さん方は、よく「お金の使い方が上手」と言います。それは、いってみれば「投資上手」ともいえます。
「浪費」は単なるムダ遣いなので、決してやってはいけないことですが、「投資」は別です。
「投資」は、時間とともに10倍・100倍になってかえってくるものであって、強く永く続く会社づくりを目指すのであれば、絶対的に不可欠なものです。
確かに、一時的には、お金が出ていきますが、中長期で強く永く続く会社づくりを実現するのならば、財務の視点から、数字で具体的に考えるべきなのです。
そんなこともあって、当社では、継続的な投資に耐え得る強い財務体質づくりのお手伝いをしているのです。
節税対策に関しても同じです。税金を払うと、瞬間的にはお金が出て行ってしまいます。
社員と必死になって稼いできたお金が一気に減っていくのを見ていい気分になる人はいませんから、誰だって最初は、嫌な気分になることでしょう。
特に、社長になりたてで、創業時にお金で苦労したことがある人ほど、その傾向は強いように感じます。
もちろんムダな税金は払う必要はありません。正しく節税をすることで、会社だけでなく社長自身にもしっかりお金を残すことは重要なことです。
ですが、実際は多くの社長が「間違った節税対策」の落とし穴に陥ってしまい、節税対策の効果以上に手元資金を減らしてしまっているのです。
「税金を払いたくない…」という目先の感情に支配されると、気が付いたら「目的」と「手段」が逆になってしまいます。
具体的には、手元にお金を残すための節税対策だったはずが、気付いたら、節税対策をすることが目的になってしまうのです。
その結果、思った以上に手元にお金が残らない節税対策に手を染めて、ドンドン資金が苦しくなっていくのです。
社長の仕事は、強く永く続く会社づくりをすることです。
あなたは今、社長としてどんな未来をつくりたいですか?
ダイヤモンド財務®コンサルタント 舘野 愛
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