「ざま見ろ」と失敗ばかりに注目する人達に、企業収益UPのヒントがある
「伊東さん、こんな形のマネジメントをしてみようと思います」
「いかがですか?」
現場第一でやってこられたある社長が、マネジメントで収益を上げようとお考えになり、精度の確認にいらっしゃいました。
社長がご熱心なのは「呆れたくない」から。これまで社員やスタッフが不正を働いてしまう都度、解決してきては彼らの動機を知る度にこう思っていたからです。「たかがそんなことで?・・・」
多かったのは「会社や同僚達に、できないヤツだと思われたくなかったから・・・つい」
何かに挑戦し、失敗してしまった時に後ろ指をさされることを恐れていることです。
後ろ指を指したがる人が多い理由は、マスコミの報道内容を見てもわかることでしょう。
誰かが偉業を達成しました!よりも、誰かが何かやらかしちゃいました!という方が多いから。その方が数字が取れるからです。
最近の例ではイギリスで行われた首相に対する不信任投票。
ジョンソン首相に対して4割越えの不信任票が投じられたという内容ですが、これについては各マスコミはこぞってこんな焦点でした。
「彼はコロナ規制下でパーティーを行った」という過去がありますからね~。
残念なことにその人が今までどんなことを成し遂げてきたのか?ではなく、失敗を大きく取り上げ「こんなヤツがトップでいいのか? みんな!」いかにも「そうだ そうだ」という賛同を狙い「みんなで彼を引きずり降ろそうじゃないか!」と湧くのを期待しているかのようです。
そうした社会が出来上がってしまっているせいか、会社で働く人達にも影響があり「私は失敗したくないな・・・」という感覚が生まれてしまいます。
「誰かの失敗に興味を持つ人の感覚が理解できない」という方もいらっしゃることでしょう。
特に会社を成長軌道に乗せられている経営者にとっては「何それ?」と全く意味不明で、理解不能です。なぜなら失敗を重ねた数とその深みが重要だから。
人が失敗するのは当たり前でしょ? 彼らはそんな事に興味をそそられることはありません。「また失敗者を更にリンチしようとする風潮が始まったか」と顔をしかめます。
成功を重ねてきた人達は失敗する都度、周りから「あいつはダサいなぁ」「かっこ悪!」「調子に乗ってるからだ」などさんざん言われてきています。
会社をいくつか経営されていて、株式投資において平気でミリオン単位のお金を動かしているA社長がおっしゃっいました。
「数年前、ある取引先の人に『この会社はカネがないんかい!!』と、お客様がごった返す店内に怒鳴り込んでこられたことがありましたよ。お客様全員に伝え、悪い噂を流して気分を晴したかったんでしょうかね? しばらく居座られましてね」
「いや~あの時はシビれましたね。送金を忘れてたんですけどたった1日遅れただけですよ? 伊東さん、信じられますか? まるで私が何かやらかすのを今か今かと待っていたかのよう・・・逆に笑っちゃいましたよ」
社長は笑顔でおっしゃっていました。
成功を重ねてきている経営者は、いくら自分がみんなの前で悪く言われようが「ハイハイいつものパターンですね」「あっそ」「どうでもいい」などとスルーしています。
逆に「だからどうした!」と胸を張る方もいらっしゃいますし「もっと!もっと!俺に注目してくれ、罵ってくれ」と後ろ指をさされること自体に快感?を覚える方もいらっしゃいます。
多くの人がつまづき転んで泥まみれになってしまった時「笑われまい」と身を隠そうするところ、彼らは即座にムクッと立ち上がり、何事も無かったかのように泥まみれのままでもすぐに次の一歩を踏み出しています。
経営者も人間ですから、自分が最も嫌う「失敗に興味を示す人達」とはなるべく距離を置こうとしてしまいます。
ある企業では「挑戦せずに、ただぬくぬくと会社にいてただ飯を食うような人達はもう知らん、無理してついてこなくていいぞ」といった体制をとったところ逆手に取られて「会社がそのスタンスなら好き勝手やらせてもらおう」と手抜きのオンパレードとなり、優秀な人材が「この会社にいると腹が立ってしょうがない」と見切りをつけてしまう人達が続出しました。
一方、マネジメントによって人の生産性を他社の倍以上にできた企業はその真逆です。
彼らは成功者の最も嫌う「人の失敗に後ろ指を指したがる野次馬が大好き人たち」と深く関わり「もう勘弁してくださいよ」とウンザリされるほど研究し尽くします。
その結果「そうか!きっと〇〇なんじゃないか?」と他社が足も踏み入れたくない地点で答えを見出し「だったら■■したら、誰もが失敗を恐れずに俺も、私も挑戦します!」となるんじゃないか?とマネジメントを創り上げていってます。
まさに 彼を知り己を知れば百戦殆からず
嫌な人から距離を置くのは簡単です。
しかし、成功を掴むには相手を徹底的に知ることです。
みなさんはいかがでしょうか?
嫌な人、嫌な事から距離を置いてますか?
それともじっくり研究できてますか?
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