新規開拓の武器
新規開拓をする際、営業マン達に武器を渡しているか否かによって営業の生産性は大きく変わります。
その代表的な武器とは…「なぜ、私がその商品を売っているのか?」と言う大義名分になります。
へぇ?と思うかも知れませんが、読んでおいて損はありませんから、最後までお付き合い下さい。
大義名分とは「行動の理由づけとなるはっきりとした根拠(広辞苑)」です。
営業目線で言えば「当社が、この商品を取り扱う明確なる理由」になります。
初対面の対峙とは、面白いもので、相手は瞬間的にコミュニケーションを取り続けるメリットとリスクを天秤にかけます。
大義名分がない場合は、相手は怪訝な顔つきを崩さず、ガードを固めたまま営業マンを追い払おうと必死になります。
売りつけられるかも…というリスクを感じるためです。
逆に、大義名分を掲げながら、私が御社(あなた)にコンタクトしている理由が、相手に伝わると、不思議なほど不信感が取り除かれ、聞く耳をもってくれるものです。
何かしらメリットをもたらしてくれるかも…と期待感が芽生えるためです。
様々な商品でテストした実感なので、これは間違いありません。
充分条件にはなりえませんが、必要条件であり、これがないと始まらない…という位に営業の生産性向上に強い影響を与えます。
初対面の営業…つまり新規開拓は「最初に発する言葉」が成否を分けると言っても過言ではないのです。
それなのに、何を勘違いしているのか…
セールス研修などでは、初対面が大事です! とマナー研修のような茶番を何度も繰り返すことをしている企業があります。
「メラビアンの法則」を誤解したまま解釈して、言語情報はたかだか7%程度。 声のハリや美しさなどの聴覚情報や見た目などの視覚情報が、残り93%です。営業は第一印象で決まるのです!!
と主張し、挨拶の練習やおじぎの練習はたまた笑顔のつくり方などを大の大人が揃って研修したりしています。
しかし、メラビアン博士本人が証言している様に、この法則は誤解されて伝わっています。
博士の実験は、「好意」「嫌悪」「中立」という単語を読み上げ、「言葉」「声」「表情」のどれが感情伝達の優位性があるか…というものです。
コミュニケーションにおいて、言葉の伝達力がたった7%しかないなんて、そんな馬鹿馬鹿しい現実があるわけがない!と博士本人が証言している通りです。
セールスの現場にいけば、そんなものはスグに理解できます。
セールスにおいては「言葉の中身」を磨き上げることは、とても重要なのです。
これを営業マン任せにしているということは、工場生産において「好きな道具を使っていいよ」言っているのも同然です。
おかしいと思いませんか。
ある目的を達成するのに最適な道具があるはずなのに、好きな道具を使って良い…というのは。
営業組織でいえば、心を開く道具、相手を説得する道具、契約に結びつける道具、それぞれ特徴的な違いがあり、使い分けが必要です。
新規開拓で、いかに営業マンのメンタルを維持しながら、新規開拓を続けていけるのか…は、心を開く道具が大切になります。
この心を開く道具のなかでも重要な位置づけをするのが、「大義名分」です。
これが営業マン毎に解釈されるのではなく、共通の道具として認識されていることが大切です。
拙著「営業を設計する技術」(かんき出版)でも、「顧客がNOと言えない大義名分を身にまとう」ことの重要性を書いています。
▼営業を設計する技術 かんき出版 藤冨 雅則著▼
http://amzn.to/1Pft6Ub
ここは決して見落としてはならない新規開拓セールスの必要条件になるのです。
コラムの更新をお知らせします!
コラムはいかがでしたか? 下記よりメールアドレスをご登録いただくと、更新時にご案内をお届けします(解除は随時可能です)。ぜひ、ご登録ください。