凝り過ぎたネーミングの末路
世の中の大半のモノゴトには名前がついています。私たち自身の名前は当然として、私たちが経営する会社にも、また会社で提供するモノやサービスにも何かしらの名前がついています。最近クライアントをご支援する中で、この「名前」について考えることがありましたので共有したいと思います。
私はリアル店舗ビジネスを専門にご支援していますので、やはり「店名」は最も気にするところです。また、「商品名」、「サービス名」も大いに気にしています。店舗ビジネスにおいては、これらの「名前」は事業の成否を分かつ、最も重要な要素の一つなのです。
さて、店名については、すべての店舗経営者がありったけの想いを込めてネーミングしていると思います。もちろん、基本的には自分が好きなようにつければいいのですが、個人的にはお客様が見て容易に「何の店かイメージできる」ネーミングがいいと考えています。
ところが、店名を見ても何を提供するのか不明な店も少なくありません。それどころか、読み方すらわからない場合もあります。これは商品名にも言えることです。美容室やアパレル、レストラン、スイーツ系の店舗でよく見かけますが、正直な話、これらの店の支持率はあまり芳しくない印象です。
もちろん例外もあるものの、意味不明、読み方不明の店舗はお客様にとってストレスです。「どんな意味なんですか」「何て読むんですか」と聞くお客様は案外少ないものです。聞くこと自体がストレスになるのです。私は仕事柄、社名や店名の由来、また商品名の由来をお聞きしますが、それらを気にするお客様はかなり少数派です。よほど興味がない限り、聞いてはこないでしょう。
「なぜその名前なのか」を聞かなくてもわかるくらい、単純明快なネーミングの方が私はいいと思います。変にひねったり、カッコつけてフランス語やイタリア語を使うより、ストレートで誰にでもわかりやすいネーミングの方が心に刺さりやすいのは間違いありません。
近年、変な名前の高級食パン店がブームになりました。これはマーケティング上、狙ってやっているためマネすると確実に火傷します。ネーミングの基本はわかりやすさです。逆転満塁ホームランを狙うのは自由ですが、基本ができてこその応用。何事もいわゆる守破離が大事です。
正攻法があるからこそ、奇襲が効く。凝り過ぎたネーミングは商品・サービスの価値を下げる可能性もあります。一時はブームになっても、長続きさせるのは難しいでしょう。
経営者の皆さん。ネーミングの際は奇をてらい過ぎないようにしてください。お客様が理解できる言葉を使い、無用なストレスを感じさせないようにしましょう。あなたの店が「何屋」か明確になれば、それだけで見込客は倍増します。
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