価値の定義は?
仕事上、「あなたが顧客に提供している価値は何ですか?」という質問を投げかける機会が多くあります。個人的にはこの質問の際、注意すべきことがあると感じています。それは、「価値」という言葉の定義です。皆さん、どんな定義で使っているでしょうか。
「価値」という言葉だけにとどまらず、使用する言葉の定義が整っていなければ、あらゆる仕事の品質は下がります。相手と自分、お互いが言葉に対してバラバラの認識でコミュニケーションを取っていると、表面上は理解しあえたように見えて、なぜか最後は上手くいかなかった‥となりがちです。
特に「価値」という言葉については、冒頭の質問に対する答えが、当人や会社の将来を左右することも多く、仕事をするうえで最重要な言葉の一つと言っていいでしょう。
さて、「価値」の定義ですが、ネットで調べると辞書の数だけ定義が解説されています。ちなみに広辞苑では「物事の役に立つ性質・程度。経済学では商品は使用価値と交換価値とをもつとされる。ねうち。効用」と記載されています(他にも複数あり)。
私は、ビジネスにおいての価値の定義はもっと簡潔に、「必要(ニーズ)や欲望(ウォンツ)を満たす要素」だと考えています。人に定義をわかりやすく伝えるには、これくらい細部をバッサリと削らないと伝わりにくくなります。で、冒頭の質問を言い換えると「あなたが顧客に提供している、『ニーズやウォンツを満たす要素』は何ですか?」となります。
つまり、価値云々を考える前に、相手のニーズやウォンツが最初にあるということです。誰も必要とせず、誰も欲しがらなければ、残念ながらその価値は低いということになります。
価値、すなわちニーズやウォンツを満たす要素は3つに分けられます。その3つとは、「有用性」、「希少性」、「相性」です。「有用性」は役に立つかどうか、「希少性」は手に入りにくいかどうか、「相性」は好きか嫌いかです。
このすべてが満たされれば、相手は相当な価値を感じ、まさに「満足」な状態となります。逆にすべてが不足すれば、誰も見向きもしないでしょう。ただし、すべての要素が不足するモノやサービスはありえません。そんなもの、そもそも誰もつくらないでしょう。
今の世の中、役に立たないものはすぐに淘汰されます。この点、現代で価値を棄損しやすいのは「希少性がない」「好みではない」という要素でしょう。すぐに真似されるような、あるいはターゲットが広すぎるようなモノやサービスには、誰も価値を感じないということです。
経営者の皆さん。あなたの会社が提供している価値は何でしょうか。どんなニーズやウォンツを満たしていますか。そもそも役に立っているでしょうか。ここでしか手に入らないものでしょうか。ターゲットを絞ってファンをつくっているでしょうか。今一度、自社の価値を見直してみましょう。
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