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仕組みだけではうまくいかない

SPECIAL

社内独立店開コンサルタント

株式会社ストアブレインコンサルティング

代表取締役 

経営コンサルタント。アパレル、小売、飲食チェーン指導などに強みを持ち、店長再生から店舗最盛へとつなげていく独自の「社内独立店開」手法を指導する専門家。
自らは店舗を持たない「販売・運営」に特化した経営スタイルに、多くの異業種経営者、店長が注目。路面店から百貨店、都心型SC、郊外型ショッピングモール…など、多様なチャネルで成果を上げ、店舗の強みを引き出す天才と称されている。

あらゆるビジネスでは「仕組み」が重要視されています。集客を仕組み化する。マネジメントを仕組み化する。人材育成を仕組み化する…。ところで、仕組みとは何でしょうか? 改めて聞かれると結構口ごもってしまいませんか。ビジネス上の仕組みを辞書的に言えば「事をうまく運ぶために工夫された計画(大辞泉)」が一番近いかもしれません。

仕組みがなければ、皆がバラバラに動いてしまい、得られる成果は半減してしまいます。日常生活も同様で、さまざまな仕組みのうえに成り立っています。日常生活の枠組みをつくる「行政」はその最たるもので、教育、徴税、廃棄物処理に至るまで、法律というルールの名のもとに、すべてが仕組み化されていると言っても過言ではありません。

冒頭で述べたビジネスの仕組みも、集客やマネジメント、人材育成などで一定の成果を残すため、自社で上手くいった事例をもとに構築されたり、あるいは外部でパッケージ化された仕組みを取り入れたりします。

さて、最近では本当にさまざまな「○○の仕組み」が開発・提供されています。もともと仕組みを持たない企業に導入すれば、集客にせよ、マネジメントにせよ、人材育成にせよ、それなりの効果は見込めるでしょう。

ただ、私も多くのご支援先を見ていますが、仕組みを導入するのが目的になってしまっている例も散見されます。自社のレベルや目指す方向に合わないにも関わらず導入してしまい、「やりづらくなった」「余計に時間がかかるようになった」など、逆効果になっている場合もあります。

まあ、新しいやり方の導入に関しては、最初はどんな会社でも反発があります。「慣れた昔のやり方が良かった」という人も必ず一定数出てきます。しかしながら、それを差し引いても、仕組みを導入しないほうがよかったのでは…という会社も実は少なくないのです。

仕組みが神格化され、これさえ導入すれば万事OK!のような状態になってしまうと、その後の後始末が大変になります。断言しますが、巷にあふれているような「○○の仕組み」をただ導入するだけでは会社は良くなりません。仕組みはあくまで「手段・方法」であり、それを使う会社側、特に経営者の「あり方」が定まっていなければ、まさに仏作って魂入れずのような状態となってしまいます。

形だけの仕組みはすぐに燃料不足となり、機能不全に陥るのです。新たな仕組みをしっかりと回すには、社員だけでは到底無理です。結局、経営者の熱意やビジョン、覚悟といった燃料がつぎ込まれないと、仕組みがうまく回るはずもないのです。

経営者の皆さん「この仕組みを導入すれば楽になるかも…」という甘い考えは持たない方がいいでしょう。自分のあり方がはっきりしない、もっと言えば、自分では何もやらずに社員に押し付けるような仕組みの導入は100%失敗します。まずは自分の「あり方」を明確にし、経営すべてに自分事で臨みましょう。

 

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