ビジネスで「動けるスペース」を作るためのたった一つのコツ
円安、コロナ禍、物価高など、環境の変化や条件の悪化に対応するための取り組みは社会のあちこちで進められています。新年度の予算もこのような課題解決に向けた対策を軸に作られた部分が目立ちます。
他方で、全く新規の提案やこれまでなかった取引形態などを提案しようとするとき、思わぬ窮屈さを感じてしまうことはありませんか?
実際に、環境の変化は反面ビジネスチャンスだったりするので、経営者としてはぜひそこを狙って新しい取り組みへと歩みを進めてゆきたいところ、のはずです。なのに「これまでのやり方に合わない」と拒絶されたり、何とか話を通しても「手順はこれまでのものを尊重してほしい」と言われたり、何よりまず古いシキタリに従うことを条件とされたりすることがあちこちで発生したりするわけです。
私の例でいえば、カーボンニュートラルに向けた新しい取り組みの一つに「循環経済の実践」というのがありまして、具体的には再生材の積極的使用や製品寿命の延長などを通じて長期の排出量削減を目指すというものです。セミナーなどで具体的なメリットをお伝えする中で、結構しつこく出て来るのが「採って作って使って捨てる」、つまりこれまでの大量生産・大量消費型モデルを温存したまま、メリットだけを享受できないか、といった類の質問だったりします。
とにかく自分が変わりたくない。長年にわたるこれまでのやり方を変えることなく変化に対応できないか。確かに人間だれしもメンドクサイことは嫌いです。でもビジネスの明日を考えるときにそれをメンドクサイと言っているようでは、時間とともにどんどん窮地に追い込まれてゆくことにぜひ気づいて頂きたいと思うのです。
よくサッカーで、ボールを保持しながらも敵に追い込まれた状態を「スペースがない」と表現しますが、まさにアレです。たとえばパスの出しどころが見つからない、八方ふさがりの状態がどんどん悪化して行く中では、パスにこだわると結局場面を打開できずにボールを奪われてしまうことにつながります。だったらドリブルで局面打開を図るとか、浮き球を使うとか、つまりは「考え方を変える」ことが求められるのです。
大量生産・大量消費型のビジネスモデルを変える。たった一つのことなのですが、そう決めた途端に視界は開けます。排出量削減はサプライチェーンまでを含めてドラスチックに実現できますし、さらには再生材活用による削減量拡大の可能性まで、一気に競争力ある提案が現実味を帯びてきます。
考え方を変えることでスペースが開けた、サッカーであればそんなふうに評価される場面だと思います。確かにドリブルで仕掛けたり、球を浮かせたりするにはちょっと勇気が要りそうですが、試合に勝とうとするならそれは必要な勇気のはずです。ビジネスで生き残り、明日への成長を掴もうとするなら、その程度の勇気は絶対必要条件であることを、経営者の皆さんはすでによくお分かりのはずですよね。
考え方を変える。動けるスペースを確保するためのたった一つの方法に真面目に取り組もうとする経営者を、当社はいつも全力で応援しています。
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