『付加価値時代』に求められる3つの再構築とは?
成熟化社会が深化していく中で、「モノ」は溢れ、時代は「物質的な価値」から「精神的価値」の追求に移り変わりつつあります。
その時代の流れの中で、これから重要となるのは、顧客に対する「付加価値」の提供です。
これまでは、販売する商品に他社との違いを見い出し、適正価格で販売する「等価価値」の提供が主流でした。
しかし、これからの時代は、販売する商品に対して「モノ」だけではなく、接客サービスを含めての「付加価値」を高めた商品サービスの提供が求められます。
そして、等価価値がマニュアル等を通じて、誰にでも当たり障りない平準化したサービスを提供する「定型型サービス」に対して、各顧客のニーズに合わせた商品サービスを提供する「適応型サービス」がこれからの時代には求められます。
もっとも、これからの「定型型サービス」は、AIやIT、ロボットに踏襲されると言われており、実際、低価格帯の飲食店では、配膳ロボットが料理を運び、銀行窓口は、ATMやインターネットバンキングで用件は済み、旅行会社もじゃらんや楽天トラベルでコトが済むということが実際に起こっています。
従って、低価格帯の商品であれば、AI化、IT化、ロボット化を図り、低価格を追求すれば良いのですが、薄利多売の臨めないこの時代において、資本力のある大企業ならともかく、中小企業としては、各顧客のニーズを満たす「適応型サービス」で付加価値を高めて利幅を確保するという戦略が賢明だと思われます。
そんな中、これからの付加価値時代を見据えた企業様からの相談が弊社には相次いでいます。
そんな企業様が付加価値時代に取り組む3つの再構築は以下です。
1.スタッフの存在意義の再構築
このスタッフの存在意義の再構築とは、スタッフの役割の定義を変えるということを意味します。
ある、健康食品の通販会社からの依頼で、お客様から注文を受けるコールセンターは、これまでは、お客様の注文を間違い無く受け、間違いなく届ける手続きをするのが役割でした。
このままだと、少子高齢化の波に飲まれて受注の縮小に危機感を感じた経営陣は、コールセンターのスタッフの役割を、「電話で注文を受ける係」から、「お客様の健康をサポートするコンサルタント」という役割に再定義しました。
これにより、「お客様から注文を受けるだけ」でなく、「顧客からの入電の際に、健康の悩みをヒアリングして、目の前の顧客の為に次なる健康を促進する商品を提案する」というオペレーションに変えて、大きく売上を伸ばしています。
また、ある損害保険会社でのコールセンターも、電話対応のAI化が進み、「人」の対応が減る中で、「人による対応チーム」のホスピタリティを高めて、他社との差別化を図りたいという要望を弊社にいただき、役割を「事故処理対応の保険会社の係」から、「困った時に一番近くで寄り添う存在」という存在意義に再構築してサービスの設計を再構築しています。
このように、自分達の存在意義を再構築して、付加価値サービスに転換を図った好事例も目立ってきています。
2.採用・定着
採用、定着に関しても、労働人口減少に伴う対策として、「採用をどうするか?」「どうしたら自社で長く勤めてもらえるか?」という課題は「人」による労働生産性が高いサービス業にとっては大きな問題です。
こちらに関しても、先進的な取り組みにチャレンジしている企業様をサポートさせていただいております。
その企業様は地方の大手老舗旅館で、旅館ビジネスの従業員の働き方は、朝食を提供して片付け、そして夕方までは「中抜け」をして、夕方からは顧客のお迎えから夕食の提供、片付けまでといった、1日の勤務時間は適正でも、実質的な拘束時間が長いということが採用難の大きな原因となっています。
そこで、その企業は「中抜け」を排除し、「通し勤務」でシフトを組むことにチャレンジしています。
それには、セクショナリズムを超えて、様々な業務を全員でこなすオペレーションが必要です。
その為のマルチジョブ化の仕組みを図る為の仕組み作りと教育カリキュラムを現在、構築しています。
また、ある飲食店チェーンでは、スタッフの付加価値の伴ったサービス提供を目的とした、全スタッフを対象とする「ホスピタリティ資格制度」を構築し、「ただオーダーを取るのではなく、その日のオススメやそのお客様に合わせた提案をする」といったホスピタリティの伴ったサービス基準を策定し、臨店チェックで評価。
基準を満たしたスタッフには、「ホスピタリティ資格者」の称号を与え、手当を支給するという制度構築の運用が始まっています。
このように、各業界にこれまでに存在する「当たり前」を打破して、新たな働き方を再構築することも重要です。
3.サービスの再構築
最後にサービスの再構築です。
こちらも、付加価値を提供する上では重要な要素となります。
あるホテルの事例ですが、ある企業様の取り組みでインバウンドの長期滞在ニーズを取り込む為に、新事業としてアパートメントホテルの運営に乗り出しました。
しかし、このコロナの影響で戦略の変更を余儀なくされ、「ただの広めの客室だけでは付加価値が提供できない」という判断から、コロナを逆手に取り、「巣ごもり需要」を取り込む為に、「e-sportsルーム」や「動物園とコラボした客室」「ファミリーを想定した2段ベッドのある客室」などのコンセプトルームに仕様を変更し、このコロナ禍でも業績を上げています。
いかがでしょうか?
このように、今までと同じスキームで事業運営していたら、時代の波に飲み込まれてしまいます。
「付加価値時代への変化」をどう捉えて、チャンスに変えていけるかどうかが、これからの勝ち残りをかけた勝負になることは間違いありません。
あなたの会社は付加価値時代への対応はお済みですか?
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